昨年のInterBEEのセミナーで
「EOS MOVIEにおけるピクチャースタイルエディター活用法」の講師を
やっていただいた尾道幸治さんに、
「シンガーソングライターのイノトモさんにも来ていただいて、学生にミュージックビデオを作らせるという実習をやるんだけど、取材に来ない?」と誘われて、1月半ばくらいに京都精華大学に行ってきました。レポートは3月19日のビデオサロン4月号で掲載しますが、
その余談を書きます。


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授業は京都精華大学動画デザイン学部のデジタルクリエイションコースの「動画デザイン」。クランクに所属して今度の岩井俊二監督の映画「ヴァンパイア」でも撮影監督を務めた尾道幸治さんが講師です。
イノトモさんをゲストに迎え、
3曲の課題曲のうち、どれか1曲を選び、ミュージックビデオを作るというもの。
企画は昨年9月くらいにスタートし、実際の撮影、編集は11、12月だったそうです。
3~4人のグループで6チーム。
そのうち、3チームがアニメーション、3チームがEOS MOVIE(5D Mark II)を
使った実写でした。
(ちなみに尾道さんによるとグループは2人ではうまくいかないそうです。
なんか分かる気がします)
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グループごとに尾道先生の厳しい指導が飛びます。それだけでなく、学生からも活発に意見が出て、ときには「編集論」までになっていくのは、なかなかスリリングでした。
映像作品を好き嫌いとか趣味で片付けるのではなく、きちんと言葉で批評できる(しかも学生が)というところに、私はちょっとショックを受けたのでした。
課題曲は「冬の匂い」「愛のコロッケ」「夕やけ」の3曲。
これらの曲は最近出たベスト盤に入っています。

どの作品もレベルが高かったのと、
見ていて、すごく素直でポジティブな気持ちになれる作品ばかりで
好ましかったですね。
作品はYouTubeにアップできるように尾道さんが交渉しているようですが、
なかなか著作権の問題も絡んでいるので難しいようです。
実は昨年もEOS MOVIEを大学の実習授業で使っている例ということで、
多摩美術大学の十文字美信先生の上映会に参加させていただいたことがあります。
そのときも大変楽しかったのですが、
考えてみたら、そのクラスは写真学科の「広告写真」の授業。
今回はデジタルクリエーションコースの「動画デザイン」の授業。
つまり、王道の映像の学科でも、授業でもないんですね。
なにか、そういった本家本流じゃないところで楽しく映像を作っている
というのがいい感じの作品に繋がっているような気がしました。
(決して片手間ということではなく)
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デジタルクリエーションコースらしいのが、
どのグループもやたらにパッケージに凝っていること。
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これは後で気がついのたですが、
「愛のコロッケ」という曲でミュージックビデオを作ったあるグループは
作品DVDの入れ物を、コロッケを包むような油紙で一つ一つ手作りしていて、さらにハンコみたいなデザインの文字をプリントしていたんですね。そのこだわりには感動しました。
で、最後に映像にまったく関係ない話を。
イノトモさんも交えて打ち上げをするというので、
当然私も参加させていただきました。
というのも
イノトモさんの「風の庭」というアルバムは
日本の女性ボーカルのなかでは2000年代の10年間で最も愛聴したCDだったからで。
ライブに行くというほどのファンじゃなくて、
「御世話になった」というのが近い感覚でしょうか。
このアルバムは本当に名盤で、特に1,2,3,8が好きですね。
曽我部とか塚本功のアレンジがめちゃくちゃかっこいいし。
個人的にはベストよりもこちらのほうをお奨めします。

さて、
打ち上げ会場で「愛の告白」をしたのですが、
そうしたら、なんと自宅が結構近くて、通っている喫茶店が同じだということが
分かりまして。
しかも、自宅用のコーヒー豆をそこで買っていて、
その愛用のブレンドまで同じだったという。
そんなこんなで舞い上がってしまったのでした。