ソニーα99 IIは買い? それともEマウントに移行すべき? 映像制作業界目線で、かつαAマウントユーザーの診断


昨年11月に発売されたα99Ⅱについて、Aマウントユーザー、特にα9番台ユーザーにとってのスチル・動画兼用機としてのポテンシャルと、直球に「後継機として『買い』かどうか」についてレポートしたい。

Report◉櫻井雅裕

Aマウントに残留すべきかを決める「α99Ⅱ」

今回の企画は、私個人がAマウントユーザーとしてAマウントに残留するか、すなわち、α99Ⅱを買うかどうかを思案するという、とても自分都合な記事である。もうちょっと真面目に述べるなら「スチル・動画両用機としてのAマウントとAマウントの将来」というのがテーマである。Aマウントに先がないと思えば、Eマウントか、はたまた他社へ引っ越す決断をするし、Aマウントはまだ先がある、と思えば、自らの不安を払拭し、α99Ⅱを手にするのである。今回はα99Ⅱを先代のα99と使い比べながら進化を確認するとともに、Aマウントの代表としてα99Ⅱ、Eマウントの代表としてα7SⅡを使い比べながら、そのあたりを探っていきたい。

筆者の歴代αシリーズ(デジタル機)と今回テストのα99Ⅱ(手前中央)・α7SⅡ(手前左)

実は動画撮影には都合がいいAマウントの構造

最初に、AマウントとEマウントの違いと、ソニーのマウントの特徴について解説しておきたいと思う。

 まずAマウントはそもそもソニーがコニカミノルタのスチルカメラ部門を吸収する前、ミノルタ時代から「α(アルファ)マウント」と呼ばれて使われてきたマウントである。35mmサイズの銀塩カメラ時代から使われているマウントであるため、当然ながら35mmフルサイズのイメージセンサーに対応する。銀塩時代のスチルカメラ用レンズマウントとしては比較的新しい時代の設計(製品としては1985年が最初)になっており、当初から電気接点も搭載されていて、古いレンズから新しいレンズまで互換性はだいぶ高い方の部類に入る。この世代に作られたフルサイズ一眼用レンズマウントとしては、キヤノンのEFマウント(製品としては1987年が最初)があるが、EFマウントが、レンズのフォーカスやアイリスのメカニカルな駆動をレンズに任せ、マウントから機械制御を一切排して電子制御を前提とした設計としたのに対し、Aマウントはフォーカス駆動用の回転ピンと、アイリス制御用の爪をマウントに持たせ、フォーカスとアイリスをカメラボディ側でメカニカルに駆動する仕組みとしているのが大きな違いと言える。


レンズマウント側のフォーカス駆動用ピン(左側緑丸)と、絞り駆動用フック(右側緑丸)。

レンズ側のフォーカス駆動用ピン受け穴(右側緑丸)と、絞り駆動用フック(左側緑丸)。

 最近はあまり価格差がなくなってきたものの、当時は、レンズの駆動用モーターなどがレンズ側に内蔵される関係上レンズが高価である一方、フォーカスの合焦速度が速いEFマウントと、新世代の設計としながらもレンズ駆動をボディ側で担うことでレンズ自体をリーズナブルにできたAマウント、ということで、それぞれに特徴があった。

その後、Aマウントも当初から装備されている電子接点をそのまま使い、全電子駆動のレンズにも対応しており、そういう意味では現在のAマウントは機能面ではEFマウント同様のファンクションをカバーする器用な存在となっている。

実は、動画撮影における面では、この駆動方式の違いというのがレンズに大きな影響を与えており、比較的古い世代のAマウント用レンズはカメラボディ側からレンズ駆動用ピンでメカニカルに駆動されることが前提であったため、フォーカスリングがレンズ群とメカニカルにリンクしているものが多い。つまり、リングを同じ位置に持って来れば、何度でも同じズーム倍率、何度でも同じフォーカス位置に来る。すなわち、業務用・放送用ビデオカメラのENGレンズや、PLマウントなどのシネレンズと同様の使い勝手が得られるのである。EFマウントレンズは、当初からレンズをレンズ内部のモーター(特に“売り”は俊敏な超音波モーターなど)で駆動することであったため、ちょっと古いレンズ、はたまた比較的リーズナブルなサードパーティのレンズなどに関して言えば、Aマウントの方がはるかに動画撮影向きだった。ただ、最近のレンズは、AマウントもEFマウントと同様にレンズ内蔵モーターで駆動するものが多いので、それらには当てはまらないが。

一眼レフでありながらビデオカメラのように使える「トランスルーセントテクノロジー」

 加えて、これはAマウントのマウントとしての特徴ではなく、Aマウントを採用するソニーのαシリーズの特徴の話となるが、ソニーのAマウント機は現在全モデルが「トランスルーセントテクノロジー」というものを使っている。これは、一眼レフの特徴である、マウント内部の反射ミラー(元々、ミラーを通じてファインダーで像を確認するためにあり、シャッターを切る瞬間のみ跳ね上がって、その時だけフィルム面に光を入射させる)に分光型ミラー(入射する光の一定比率だけを反射させる「トランスルーセントミラー」)を採用し、スチル撮影時にもミラーは跳ね上がらない構造になっている。光学ファインダーを採用した、完全なる一眼レフ構造のαはα900が最後で、それ以後のモデルはこの構造となっている。そのためイメージセンサーに常時光が届くのがαの特徴となっており、一眼レフスタイルでありながら、一眼レフとミラーレスの「いいところどり」のような構造となっている。

実際の使い勝手としては、他社カメラで言うところの「ライブビュー」モードに常時あるような状態であり、ファインダーも光学式ではなく有機ELなので、ビデオカメラに近い使い勝手と言える。このあたりもAマウント機が動画撮影向きだというところである。

光学ファインダーではないのに、なぜミラーが必要なのかというと、フォーカスや露出検出用などに用いるためで、例えば連写時など、シャッターを切っている最中でもフォーカス追従を継続できる、といった技術的な優位性につながっている。一方でミラーで分光するために、光量としては多少なりともロスをするため、感度やS/N比(ノイズ量)の面では不利となる。

フルサイズミラーレス用マウントとしては圧倒的な存在のEマウント

 Eマウントはフルサイズ35mmイメージセンサーに対応するサイズのマウントである(厳密には「FE」と言うべきか)。ミラーレスカメラ用のマウントとしてフルサイズ35mmに対応するマウントは少なく実質的に唯一である。最近のレンズラインアップも、軽量・安価をコンセプトとしたもの以外に、Aマウントに並ぶスペックの製品も増えてきていて、AマウントユーザーがEマウント動向を横目に見ながら浮足立ってくる理由もここにある。

 改めて説明をしておくとEマウントはAマウントに対して、35mmフルサイズレンズが装着できるギリギリのマウント径とすると同時に、レンズのメカニカル駆動を一切排して電子制御だけに絞り、ミラーレスを前提にフランジバック(レンズマウントから撮像面まで)を大幅に短縮化したマウントである。注釈はつくものの、マウントコンバーターを介してAマウントのレンズは利用可能である。

これまたプロやハイアマチュアの動画撮影向きのEマウント

そして、Aマウントで動画も撮りたいユーザーに悩ましいのは、EマウントはEマウントでこれまた動画向きである、ということである。

Eマウントはフランジバックが短いため、各種マウントコンバーターを介してさまざまなレンズを用いることができる。そして、フルサイズ対応であり、APS-Cサイズモードにも切り替えが可能であるため(APS-Cサイズはだいたいシネ用のSuper35サイズと同じ)、2/3インチのENGレンズなどを除いては、各種のレンズが持つイメージサークル(ターゲットとするイメージセンサーの大きさ)に関係なく使える、ということである。

Aマウントの場合、元々一眼レフ用のマウントであり、先に説明した通り、ミラーを内蔵している関係上、フランジバックが長い。フランジバックが長い代わりに、せめてマウント径が大きければ、まだマウントコンバーターを作れる余地があるのだが、それぞれの寸法がとても微妙で、マウントコンバーターを介して他マウントレンズを使うことがかなり難しい(リレーレンズを内蔵しないタイプを前提として)。

マイクロフォーサーズよりも広くレンズが楽しめるEマウント

EマウントをMFT(マイクロフォーサーズ)と比較した場合、マウントコンバーターを利用した撮影だと、MFTはイメージサークルが小さいため、既存のスチル系レンズやシネ系レンズは全て望遠寄りで使わざるを得なくなる。これは撮影対象によって一長一短なのだが、レンズ本来の画角で使えないことはやはり不便だし、レンズの性能的にも不利である。Eマウントは先に述べたように、大は小を兼ねる。

一方で、MFTの場合はイメージサークルが4/3インチ(英語読みで「フォーサーズ」)なので、2倍エクステンダーのついた2/3インチENGレンズを使うと、2/3×2=4/3=フォーサーズレンズとして使える。ENGの使い勝手をリーズナブルなMFTのカメラで使えるメリットもあるのだが、これはこれで、ENGレンズのズームサーボに電源を供給する術がなく、なかなか悩みは尽きないのである。

そういった動画用レンズが使いたいなら、わざわざマウントコンバーターなどを使わなくても、フルサイズ対応のシネレンズな作りの28-135mm F4や、Super35/APS-Cサイズ対応の18-110mm F4(フルサイズ換算27~165mm相当、4月発売予定、FS7Ⅱの付属レンズ相当)のズームレンズも純正で用意されている。いろんなレンズを楽しみたい…と思うと、幅広く楽しめそうなEマウントに、つい涎が出てしまうのである。

AマウントレンズはEマウント機でAマウント同様に使えるのか

さて、AマウントユーザーがAマウントに残留するかEマウントに移るのかを考える上で最も大事な点は、既存のレンズ資産が本当に活かせるのか、というところである。なぜなら、レンズがまともに使いまわせないのであれば、そもそもAからの引っ越し先をEに限定する必要はないし、E以外となった瞬間、それは、ソニー以外のボディになるということであり、フラッシュやらバッテリーチャージャーやら全てを買いなおさなければならず、話がおおごとになってしまうためである。

2種類の純正マウントコンバーターの違い

まず、Eマウントボディ用のAマウントコンバーターはソニー純正品として2種類がラインナップされている。LA-EA3LA-EA4である。LA-EA4(写真下のうち左)はトランスルーセントミラーと3点クロス15点AFセンサーに加えてAF駆動用のモーターが搭載されている。

Aマウント-EマウントコンバーターのLA-EA4(左)とLA-EA3(右)。LA-EA4にはトランスルーセントミラーが内蔵されており、マウント下部のボックス内にAFセンサーが内蔵されている。また、EA4ではフォーカス駆動用ピンがマウント下部やや右に出ているのに対して、EA3ではその位置が黒く埋められているのがわかる。

このEA3とEA4は、AFセンサーの有無とAF用モーターの有無から「EA3は手動フォーカス」「オートフォーカス対応はEA4だけ」のような誤解がされているようなことが多い。実際にEA3の商品説明には「フォーカスはMFとなります『*』」とあって、「*」の注釈を見ると一部レンズでAFも可能であることがわかる。先に説明したように、Aマウントのレンズはボディ側からAFを駆動するタイプと、電子制御(レンズ側にモーター内蔵)のタイプの2通りがある。EA3では、レンズ側にモーターを内蔵しているタイプのみ、オートフォーカスが使える。ただし、説明書きには「SSMレンズまたは、SAMレンズ装着時はAF使用可能」とあり、SSMは超音波モーター、SAMは普通のモーター(DCモーター)の略なのだが、この注意書きはモーターの種類ではなく、ソニーの製品の型番を指しているようである、というのが重要なポイントである。というのも、ソニー純正のSSM/SAMレンズは問題なくEA3でAFが使えたが、超音波モーター搭載の複数のサードパーティ製AマウントレンズではAF駆動はするのだが、どうしても合焦できない現象が見られた。従って、EA3は「純正の内蔵モーター搭載レンズでのみAFが可能」と理解しておくのが良いだろう。

たぶん、ソニー側もそういった制約も理解していて、誤解によるトラブル防止のため、説明書きには先の通り「フォーカスはMFとなります『*』」と記しているのだろうと思われる。

一方、EA4である。EA4をEマウント機に装着することによって、Eマウント機がマウントの形状だけでなくスペック的にもトランスルーセントミラー搭載のAマウント機となると考えるとわかりやすい。少なくとも今回テストをしたα7SⅡにおいては、EA4装着中は、AFの機能はトランスルーセントミラーを使用したAFモードに固定となる(ただし、特殊なボケ味がウリの「STF」と型番につく135mmの特殊な1本のレンズのみAF使用不可)。たとえばα7SⅡでは、EA4が装着されていない状態では、AFはイメージセンサーからの映像信号のコントラストを元に制御されるが、EA4を装着するとTTL位相差検出方式となるため、合焦が理論上速くなる(装着されるレンズにもよる)。ただし、良くも悪くも先に書いた通り、Eマウント機をAマウント機に変貌させるアダプターがEA4であり、AF時の制約もEA4装着時はAマウント相当になる。

トランスルーセントテクノロジーの弱点!? 動画撮影時のAF動作

EA4には「AFを使用した動画撮影時には絞りがF3.5固定となる」という制約がある。これはEA4に限ったことではなく、トランスルーセントミラー搭載の初代機であるα33/α55から、α99、α99Ⅱもそのような仕様なので、これはトランスルーセントテクノロジーを使用したTTL位相差検出方式上の制約と思われる。α7SⅡでは映像信号からのみAFを動作させているので、このような制約はなく、動画撮影時にもAFを作動させながら絞りも自由に変えられるので、だいぶ惜しいところである。

AマウントレンズのEマウント機使用にはそれなりの制約も

さて、このあたりでAマウントレンズをEマウントで使う、ということについて総括してみると…「EA3では原則としてMFになり、EA4ではAF使用時にF3.5固定となる。EA3とAFモーター内蔵純正レンズの組み合わせでのみ、AマウントレンズをEマウントレンズ同様の感覚で使える。考えようによってはAFだけを潔く諦めれば何の制約もない」という感じである。

筆者の場合、ENGレンズやスタジオ用の箱型レンズ、はたまたシネレンズのようなレンズしかほとんど使ってこなかったので、フルタイムMFであることに特にストレスは感じない(むしろ、合焦しないAFほど腹が立つものはない)。そういう意味ではフルタイムAFできるにこしたことはないが、諦めのつかないほどの短所ではないと思う。

従って、AマウントユーザーがEマウントに乗り換えるとするならば、Aマウントレンズは他マウントレンズに比べれば、だいぶ高い互換性で使えるけれども、やはりある程度の“一時しのぎ”感は否めなく、Eマウントボディの能力を最大限活かすためには比較的早い時期にレンズ自体を買い替えた方が良いだろう、という印象を受けた。

仮に、性能や機能上全く同じく使えたとしても、EマウントボディにEA4を取り付けるとスペック上は787gと、α99Ⅱの849gよりわずか50g軽い程度にしかならず(それぞれバッテリー・メモリーカード込み)、外形は凸凹があって比較しづらいが、ボリューム感としてもさしてかわらない感じになる。Eマウントはコンパクトさがウリのはずだが、ちっとも小さくならない、ではちょっと悲しい。従って、Eマウントボディを手に入れたらEマウントレンズは欲しいところである。

レリーズが速くなったと感じるα99Ⅱ

 α99Ⅱはスチルカメラとして先代のα99に比べてどのように進化をしたのか、そして、Eマウント機α7SⅡと比べてどのようなアドバンテージを感じられるのか。

 まず、スチルを撮ってみてすぐに感じたのが、α99Ⅱのシャッターラグ(レリーズラグとも言う、シャッターボタンを押してから実際にシャッターが切られるまでの時間)の短さである。スペック的に速くなったのかは、どこにも情報が見受けられないが、実感としてだいぶ速くなったと感じる。シャッターボタンの接点が導通してからシャッターが切れるまでは設計上の数値は各社公表したりしているが、実際には、スペック上ほとんど同じカメラでも、指での押し応えなどフィーリングとして押した瞬間から切れるまでの、意志の発生からシャッターが切れるまでのラグはだいぶ異なる。また、各社マニュアルフォーカス・露出での数値を公表していると思われるが、現実のシチュエーションにおいてAF使用でシャッターを切ろうとした場合の数字とははるかに違う印象になることが多い。

 これがα99Ⅱではα99より体感できるくらい速くなった印象がある。また、数字上どのような違いがあるかわからないが、体感上はフルサイズα初代機のα900の方がα99よりも速い印象があった。動くものを撮る時はα99を手に入れて以後もα900で撮ることが多かった。α99はインタビュー写真ぐらいのものでさえ、シャッターチャンスを逃すことが多かったためである。

 α7SⅡとの比較では、これまたシャッターラグのスペック上の数値はわからないが、シャッターボタンの押し込みの深さや、形状的な面もあってか、小さな筐体ゆえのホールド感のせいか、理由ははっきりとはしないが、α7SⅡのシャッターラグはα99Ⅱに比べると格段に大きいように感じる。

α99Ⅱで連写は劇的な進化、α7SⅡとは比べ物にならない速さ

次いで連写性能である。これは感動的な進化を遂げている。α99でも高速連写機能はあったが、画角が変わったり、RAW+JPEGで撮影できなかったりするなど、いろいろと制約があった。今回のα99Ⅱでは、AF/AE追従で毎秒12コマの高速連写が可能になった。光学式ファインダーライクに見えるライブビュー継続モードでも毎秒8コマが可能である。筆者自身は、動く被写体でも基本的に高速連写はほぼ使わないのだが(狙ったタイミングで1枚切るだけ)、乗り物だったりスポーツ、報道的な用途や記録写真だったりの分野の撮影にはだいぶ使えるようになったのではないかと思う。筆者個人としては、インタビューなどの屋内撮影ではストロボを高速連写に合わせて飛ばせないため、シャッターラグが短縮された(感がある)ことの方がはるかに嬉しいが、この連写性能は待ち望んでいたユーザーは多かったのではないかと思う。

α7SⅡとの比較だが、連写の面では「劣っている」というよりは「そういう使い方を想定していない」という差を感じた。全く別物である。輪転機とコピー機を見比べているような差である。連写については、トランスルーセントテクノロジーの本領の発揮しどころだったと思うが、先代のα99ではあまり活かされなかったように思う。このあたりは、撮像素子以降の部分の電気系がまだ発展途上だったのだろう。やっと、全体のスペックが足並みそろって協調し、相乗効果を発揮してきているように感じた。

α99 とα99 IIの画質面の差は、ほぼ感度とS/Nと解像度のみ

 画質の面においては、イメージセンサーやDSPによる画像処理技術が技術的に成熟してきていることもあり、α99とα99Ⅱではそんな劇的な違いは各々にはなく、最も特徴的な差として現れた部分は、感度とS/N(ノイズ)であった。比較的結果はシンプルな印象だが、α99に比べてα99Ⅱは同じノイズ感なら感度を1~2段ほど上げられる(例えば今までISO400で撮影していたならISO800かISO1600)、という印象である。逆に同じ感度なら、ノイズは1/2~1/4ぐらいに減っている印象である(例えばα99ⅡでISO3200でのノイズがα99でのISO1600かISO800並み)。これも、ノイズの出方が両者でだいぶ違うので、実際に計測して数学的にノイズ量を算出したものとは結果的に異なるが、印象ではそのような感じである。数学的なノイズ量としてはたぶん半分にも減ってないと思うが、DSPの処理が上手になったのか、とても落ち着いた目立たないノイズになっている印象がする。

α99Ⅱとα7SⅡは概ね理論値通りの違いのみ

一方、α99Ⅱとα7SⅡを比較すると、これまた感度やノイズで2段分ほどの差を感じる。それもそのはず、ただし、α99Ⅱとα7SⅡでは、画素数が大きく異なる。スチル撮影時の横方向のピクセル数では、7952ピクセル対4240ピクセルである。α99Ⅱはα7SⅡに比べて縦横それぞれ大雑把に2倍、合計4倍近いピクセル数がある。α99Ⅱはα7SⅡに比べて、1画素が1/4ほどの面積しかなく、同じ光量ならば入射する光の量も1/4。同じ感度にゲインを揃えればα7SⅡは1/4のノイズになるし、同じゲインで揃えればα7SⅡは4倍の感度となる。そういう意味では、素直にだいぶ理論値に近い。画素と画素の隙間の影響を受けて、本来は、α99Ⅱは理論値以上にS/Nや感度が落ちやすいのだが、大きくそういったことを感じることはなかった。

一方、解像度を落とせばS/Nは改善する。例えば、α7SⅡと同じ解像度にα99Ⅱの画像をリサイズすれば、画素同士が足し合わされ、ノイズが打ち消し合い、ノイズの平均的な量は1/4に減る。値で言うならば12dBのS/N比が改善される。実際、スチル画像ではなく、4K映像同士で見比べるとその状態に近くなるわけだが、結果としては、α99Ⅱの方が、1段分弱ぐらいノイズ多いかな?という印象だった。理由として考えられるのは、画素平均を取ればノイズの平均値は減るが、ピーク値が下がるわけではないので(これは数学的な話なので詳細は省く)、平均値通りに見た目のS/Nは改善しないことも影響していると思う。

一方で、同一感度でのS/Nの差の一方、解像感の差も確認された。α99Ⅱの高解像度画像をリサイズした画像の方がα7Sのネイティブ画像よりも精細さが感じられ、細かな部分の文字などの判読性にも差が見られた。従って、解像度が欲しければS/Nはやや犠牲にしたα99Ⅱ。S/Nを重視したければ解像度を犠牲にしたα7SⅡ、というところである。ただ、どちらも見比べて初めて感じる水準であって、どちらも「犠牲にした」と感じるほどではない。

動画撮影における使い勝手と画質、α7SⅡに対するα99Ⅱの存在意義は?

 動画撮影におけるα99Ⅱとα7SⅡの機能面の違いは、先にも述べたオートフォーカスやマウントコンバーター装着時における制約が主であるほかは、α99Ⅱでは1080/120pが撮影できる、など比較的細かな差となる。しかし、その中でも大きな差は、APS-C/Super35サイズで撮影した場合の仕様の違いである。

α99ⅡはAPS-C/Super35サイズ撮影時にサイズ内全画素読み出しとなる。フルサイズ撮影時は各所に明記はないが、間引き読み出しがされているという意味の裏返しである。APS-C/Super35サイズ撮影時は、4K解像度ジャストの画素を読んでいるわけではなく、画素数としては約1.8倍、解像度的には5K相当を読み出してリサイズを行なっている。明記はされていないが、フルサイズ撮影モードでも間引きは行なっているものの、4Kジャストではなく、十分に多い画素数を読み出ししていると思われる(一般的にイメージセンサーの読み出し解像度は秒間ピクセル数などで制約を受けるため、スピードが許す限りの画素数を読んでいると推定される)。

一方で、α7SⅡはフルサイズ撮影時に画素間引きがない。4K解像度に最適化された画素数となっているためである。一方APS-Cサイズにおいては4K撮影には画素数が不足するため4K撮影が選択できない仕様になっている。

フルサイズとAPS-Cサイズでの撮影における両者の違いはとても特徴的と言える。α99ⅡはフルサイズでもAPS-Cでも高い解像力と美しさをウリにしている。α7SⅡはフルサイズ撮影モードに徹底して特化し、感度やS/Nをすべての面で最優先としている。極めて対照的である。そこで、テスト撮影はこの面にフォーカスをして行なってみた。

【テスト1】S/Nが重視される夜景撮影で、感度とノイズと実用性をα99Ⅱとα7SⅡで比較

α99Ⅱとα7SⅡはどちらも画質面ではとても悩ましいチョイスである。解像度や解像感もノイズもどっちも大事である。ただ、α7SⅡは4K動画に思いっきり振り切っている。スチルをはじめとしてあれこれをオールマイティに使うならα99Ⅱの方が向いている。特にα7SⅡの魅力は感度の高さとノイズの少なさであり、それを多くを犠牲にしてでも手に入れるべきかどうか、というのが1点目のチェック項目である。それを夜景という一番シビアな題材で比較してみた。

α99 II ISO3200 (4K映像から1コマ切り出したもの。以下同)

α7S II  ISO3200

α99 II   ISO6400

α7S II   ISO6400

α99 II   ISO12800

α7S II   ISO12800

4K動画撮影において、露出一定でISO3200/6400/12800でのノイズの出方の違いをα99Ⅱとα7SⅡで比較してみたもの。α7SⅡの方がやはりすっきりした印象の映像になっているが、同感度でも激しい差とはなっていない。特にα99Ⅱがα7Sに肉薄していることは特筆すべきである。色味が異なるのはオートホワイトのため。アングルや画面の傾きにズレがあるのは全カット手持ち撮影のためで、ご容赦いただきたい。

α99ⅡのフルサイズモードとAPS-C/Super35モードの画質の差の有無をチェック

そして2点目が、フルサイズとAPS-C/Super35で顕著な画質の差などがあるのかどうか、というポイントである。一般的に撮像素子を一部抜き出しで使うと、S/Nなどは荒れる傾向となることが多い。α99Ⅱにとって、それがカタログ上のうたい文句に過ぎないのか、どちらも優れた実力を持つのか、のチェックである。仮に、両者の画質に違いがないのであれば、フルサイズレンズにおける動画撮影時の1.5倍エクステンダーとしても日常使いでき、ビデオカメラに対して望遠域が不足しやすいスチルカメラの焦点距離をカバーしやすくなる面もある。

α99 II  35mmフルサイズ

α99 II  APS-C/Super35サイズ

α99Ⅱにおいて、フルサイズ35mmモードとSuper35モードのイメージサイズでの画質差を撮り比べたもの。こちらも同様に手持ちのため、小さなアングルのズレはご容赦いただきたい。フレームサイズについては、レンズのズームで合わせている。どちらがどっちと言えるような差は見てとれない。

α99Ⅱは動画撮影でどこまでの感度が日常使いできるかチェック

そして3点目が、対ビデオカメラとしての、α99Ⅱの感度とS/Nのポジショニングチェックである。一般的にHDの業務用・放送用ビデオカメラなどの感度は2000lx F11~F13あたり、4Kカメラで2000lx F8ぐらいの感度が一般的である。これは大雑把にISO感度400~1000あたりに相当する。感度はS/Nを犠牲にすればもっと上げることも可能であり、ダイナミックレンジの広さを重視するシネマカメラなどではLogモードなどにおいてISO2000オーバーといった場合もあるのだが、大抵、S/Nは悪くなるため、明記されていない。例えばHDカメラの場合は先の感度においてS/N 62dB(HD解像度において)あたり、4Kカメラで54dBあたり(4k解像度において)あたりが標準的だと思うが、最近は各社細かなスペックを出さなくなってきているので、比較が難しくなってきている。数字を出さなくなってきているのは、先にも述べた通り、感度やS/Nはバランスの問題であるということや、運用するガンマによっても変わること、ISO感度などへの置き換えは簡単ではないこと、加えて、数字が独り歩きしたために起きる風評被害を恐れているのが一番大きいと思う。知識が不十分な人が「○○はISOいくつあるのに、××は△△しかないからダメだね!」みたいな紋切り型の評価が独り歩きするのを恐れているのである。そういったこともあって、実際のS/Nや実用感度の比較は、最近では簡単ではなくなってきているのだが、今回はα99Ⅱが4Kビデオカメラとして見た場合に、感度やS/Nはどのあたりにあるのか、ということをチェックするのが、この3つ目である。

やはりノイズが少なく美しいα7SⅡ、しかし、十分に肉薄したα99Ⅱ

 夜景撮影のテストを行ってみた結果としては、スチル同様のノイズ感の違いが明らかになったが、α99Ⅱも思いのほか肉薄してくれた。真っ暗な背景では確かにα7SⅡのノイズの少なさに強みが見受けられたが、市街地など、比較的明るいものが画面内のいたるところに見受けられる場面では見た目の印象ではα99Ⅱはあまり見劣りしない実力を発揮した。画素数が多い以上、S/N面では不利で、どれだけ不利か、というところ勝負で最初からα99Ⅱには厳しいテストなのだが、α7Sやα7SⅡの評判が良すぎて、α99Ⅱにがっかりするようなことも覚悟はしていたのだが、そんなこともなく、α7S/7SⅡがいなかったら「α99Ⅱすげぇよ!」って話だったのではないかとすら感じた。

 この加減を伝えるのがとても難しいのだが、ビデオカメラマンに向けて表現するならば、α99ⅡではISO6400がビデオカメラにおけるゲインアップ9dBぐらいの感覚で使える印象である。映画やCM的なものでなければ、日常的に必要な場面でISO6400ぐらいまで使える感覚と考えてもらえるとありがたい。ちなみにISO6400は2000lx F11の放送用・業務用カムコーダーのゲイン値として表現すると、ISO800=0dB相当とすると、18dBのゲインアップに相当する。従って、イメージセンサーサイズが大きい分、1/2インチや2/3インチのビデオカメラに比べてα99Ⅱはノイズが少ないということになる。

フルサイズもAPS-C/Super35も見分けがつかないα99Ⅱ

 α99Ⅱについて、ソニーとしてはAPS-C/Super35モードで全画素読み出しをしており、さらに5K相当の画素から4K映像を生成していることを押し出しており、もしかしたらフルサイズモードで撮るとAPS-C/Super35モードよりも画質が悪い?なんて心配をしていたのだが、実際に比較してみてわかったことは全く見分けがつかない、ということである。

 フルサイズモードでは間引きをしていると思われるが、理論上間引きをすればジャギーなどが出やすくなる。しかし4Kクラスの解像度となると、自然界にそんなに細かな絵柄もなく、レンズが丁度良い光学ローパスフィルター的な役割をして、そんな目立った差にはならない。一方で、イメージセンサーの一部を切り抜きで使うと画質が比較的悪い傾向になりがちだが(あくまで一般論として)、そういう傾向もなく、本当にどちらのモードも切り替えて好きに使えるほどの画質である。ここまで均質な映像クオリティを出せることは特筆に値する。α99Ⅱの4K動画撮影においては、このAPS-C/Super35モードは、手軽に使える画質劣化のない1.5倍エクステンダーとして利用することができるからだ。スチル用、特にフルサイズ35mm用ズームレンズはズーム倍率が高いものがなかなかないので、ビデオカメラのレンズに比べると、ビデオ撮影時に不便を感じやすいが、フルサイズ35mmの弱点をうまくカバーしてくれる存在として役に立ちそうである。そして、この2つのモードで画質の差がなく4K映像が撮れるというのはα7SⅡに対する明確なアドバンテージと言えるだろう。

α99Ⅱの感度はどこまで日常使いできる?

 デジタル一眼系のカメラの発色などは、もはやあれこれ議論する必要がないくらい成熟してきており、さらにさまざまなカスタマイズ機能もあるし、色をいじりたければ、αならそれこそ、S-log3/S-Gamut3.cineあたりで撮影し、後で個人でもDaVinci Resolveででも好きなようにできる時代になったので、「発色が…」なんて話はだいぶ減って来た。その中でも残るのが、先の夜景同様に感度とノイズの話である。

改めて日中の屋外で撮影をしてみた。実際のところ、夜景の撮影から見えていたように、ビデオカメラにおけるゲイン0dBぐらいの感覚で使える感度はα99ⅡのISO1600~3200あたりだった。ISO6400が9dBゲインアップに相当する感覚と先に述べたが、それを前提とするとISO1600は-3dB、ISO3200は+3dBとなり、肌感覚ともマッチする。ただ、ガンマカーブによってもそのあたりは感覚差がある。今回のテストは、筆者がビデオカメラ的に使いたい前提だったのでITU709カーブ(やや明るい印象のガンマ)でテストをしたが、α99Ⅱネイティブであれば、より落ち着いて見えるのでさらにゲインが高くても気にならないかも知れないし、逆にLogで撮影する場合には、8bit諧調の記録ではビット数が不足しがちになるし、暗部が浮いて見えるため感度を下げて使いたいと思うかも知れない(ただし、Logではそのままの仕上がりになるわけではないので、Logの映像を見てノイズの大小を語ることは不毛であるが)。そして、せっかくの高い性能を感度ではなく、ずば抜けたS/Nの良さとして使いたければ、ISO400や800で使うのも構わないと思う。実際、ISO400以下、ISO200やISO100は比較映像を撮影して注視しないとわからないレベルになってくるし、絵柄によってISO400以下は本当に見分けがつかないほどノイズが少ない。ビデオカメラと違って、一眼での撮影はNDフィルターが内蔵されておらず、フルサイズとなるとレンズの性能が生きる範囲も広くはないため、ゲインやシャッター速度で露出調整をしないといけない局面が多い上、動画撮影ともなるとシャッター速度をいたずらに上げると動きもパラパラしたり、ローリングシャッター歪みが目立って来たりするため、広い感度で実用域が広いというのはとても都合が良い。

α99Ⅱでは、特にガンマとしてITU-709カーブをベースとしながら、ハイライトを800%相当まで再現してくれる、カラーグレーディングをしない前提でハイライト再現に優れる「ITU-709(800%)」が利用でき、ビデオカメラ代用としてはオススメしたいセッティングの1つである。また、これのほかにS-log2/S-log3を選択した場合には、ISO感度は最低で800に強制的にセットされる。そのため、ISO400以下が選べないことでS/Nの劣化を危惧する人は多いように思う。しかし、今回のテストの結果、α7SⅡはもとより、α99ⅡでもISO800は気にせず使える感度である。

【結論】AマウントからEマウントに乗り換えるべきか

 さて、今回の記事が締めに入りかけてきたところで、筆者はα99の後継として素直にα99Ⅱを買うべきか、Eマウントに行くべきか、はたまた折を見てその他のマウントに行くべきか、また、αシリーズのAマウントとEマウントをどう選びわけるか、まとめなければならない。

まず、はっきりと言えるのは、Aマウントのレンズを一番活かせるのは、やはりAマウントボディであるということである。そして、Eマウントに引越しをするメリットがどれぐらいあるのか、というと、多くのAマウントレンズではAFと絞り調整の自由は享受できず、α7SⅡの4Kに最適化されたイメージセンサーによる高感度低ノイズだけが見返りとなる。α99Ⅱならば手に入る高速連写も、APS-C/Super35サイズでの4Kサイズも犠牲にする必要がある。そう考えると4K動画撮影に重きを置いたとしてもα99の正当後継者は、やはりα99Ⅱであるように思う。

また、4K動画時代となり、旧世代のAマウントレンズの設計の古さの画質面に与える影響を心配したが、これも、今回のテスト中で古いレンズも組み合わせて使ってみたところ、結構遜色なく使うことができた。そういう意味ではマウントを乗り換えて、同じようなレンズを新しく買うよりも、Aマウントのレンズを広げる方が楽しそうに感じられた。特にα99に比べてα99Ⅱでは高速連写などミラー搭載機ならではの性能が大きく飛躍したことはAマウントユーザーとして大きな励みになった。スチル撮影機として見ると、ミラーレスαをぐっと引き離した印象である。Aマウントの優位性と存在価値は今後も残るだろう。

巷では「α99Ⅱは最後のAマウント機か?」などという声も聞こえてくるのだが(毎度なのだが)、今回の記事の執筆にあたり、過去をあらためて振り返ってみると、正確に4年おきに9シリーズの新製品を投入してきていることをはじめとして、種々のバックグラウンドからも想像するに、ソニーによほどのことがない限り9シリーズは続くだろう。今までαユーザーが待ち焦がれていたのは、きっと、いろいろな面で業界内の同クラス製品に対して、スペック的な遅れを感じていたからだろうと思う。今回のα99Ⅱで、ソニーは他社の12年を8年で巻き返し、やっと先頭集団に追いついたと思う。冷静に考えるとすごい追い上げの早さである。しかし、αユーザーもメディア各誌もそのことに全く気付いていない感がソニーの開発陣にはお気の毒だと感じた。

苦言を呈するなら、宣伝が下手だと思う。従って、Aマウントユーザーの皆さんにも、不安はあるかも知れないが、引き続きAマウントを使うことを第一選択肢としてお勧めしたい。筆者も近いうちにα99の後継としてα99Ⅱを購入したいと思う。

これから購入する人には何マウントを薦めるか

そして、これから新規に購入したい場合はどうすべきか、という観点では、映画・CM・PV的なものを撮りたいプロを含めた作品制作系ユーザーには、αシリーズの中では、敢えてα7RⅡをお勧めしたい。レンズをこれから新たに買いそろえ、さらに動画重視ならば、Super35サイズでも4Kが撮影でき、α99Ⅱ同様にフルサイズモードと画質に差がないEマウント機、というと、α99Ⅱとイメージセンサーや画質面での相当機がα7RⅡだからである。動画という観点で見ると、絞り値など制約されないフルタイムAFも利用可能だし、バックフォーカスの短さ故、各種レンズマウントコンバーターが利用可能で、他のスチル系マウントレンズからPLレンズまで幅広く活用できる。やはりレンズのコンパチビリティとイメージサークル(イメージサイズ)の普遍性は捨てがたい面があるように思うし、スペック以上に汎用性が高い動画用として見た場合のマウントの普遍性が高いのがE(FE)マウントであるように感じた。

一方、α7SⅡは…というと、動画も写真も撮るアマチュア系カメラマンにお勧めしたい。フルサイズで撮る限り、映像のクリアさはピカイチであることは誰にも否定ができない。純正FEレンズを中心に、映像や写真を撮ってアーカイブする、美しいものをありのままに撮って記録に残す、という使い方にはα7SⅡは全く妥協がなくて良いと思う。特に写真など撮る場合にも、フルサイズ35mmならではの絵が撮れるのが魅力である。

もちろん、Aマウント、Eマウントボディ以外の選択肢も広くあり、最近では、マイクロフォーサーズの新モデルの話題で持ちきりだが、イメージサイズとして35mmフルサイズを捨てられるならば検討対象として良いと思う。ただ、重要なことは、ボディの性能や機能面だけでマウントを決めてしまうと、レンズを揃えてからが苦しくなる。先に触れた通り、その点では特にEマウントボディはフルサイズにまで対応しつつミラーレス機のフランジバックの短さ、という面では一番将来的な逃げ道が広い(いろんなレンズが受け入れられる)ということは間違いないと思う。

櫻井雅裕(ペンネーム)

約30年ほど前、フリーのビデオエディターとしてデビューしたのち、フリーのカメラマン・TDとして、情報・バラエティ・報道番組などの現場に携わる。その後、映像機器メーカーで編集機の開発などに従事したのち、再び現場に復帰。ポストプロダクションの技術責任者の立場で、特にデジタルシネマ黎明期から数多くの作品に技術協力。東アジア各国で20回以上に渡り映像制作技術に関するセミナーを行う。2000年代初頭には、日本で初めてデジタルシネマでLog撮影を現場に導入したほか、独自開発のフラッシュメモリーレコーダーによるHD非圧縮現場撮影、DCP普及より前の独自開発シネマサーバーでの劇場映画上映実証実験、3Dテレビブーム到来前から家電メーカー向け3D映像デモリール制作を手掛けるなど、最先端技術の現場への導入に積極的に取り組んでいる。その後、国際合作映画作品のプロデューサーなどを務めたのち商業作品の制作現場を離れる。映像技術については、製品自体のハード・ソフトの設計開発からできる卓越した技術力が強み。現在は、国内外スタジオ・ポストプロダクション・放送局や劇場等のシステムインテグレーションや技術コンサルティング、国内外の映像機器メーカーの技術顧問などを中心に活動し、年間の半分以上を海外で過ごしている。ビデオサロン誌では、現在「映像音響設備構築ガイド」を連載中。