Maxonは、「Maxon One」の大型アップデートを4月11日に発表した。Cinema 4Dで複雑なパーティクル、RedshiftによるNPRラインとトゥーンレンダリング、Red Giant Geoで高速にカスタムテクスチャの3Dオブジェクトを作成できる。

 

新機能の概要

Cinema 4D

Cinema 4D 2024.4は、3D VFXアーティストやモーションデザイナーが簡単に複雑なシーンを作成できる。新しいCinema 4D パーティクルを使って、パーティクルシミュレーションを直感的にデザインできる。

C4Dの統合シミュレーションシステムとの統合により、¥放射パターンを制御し、動きを精密にコントロールし、Maxonのシミュレーションタイプ(パイロ、クロス、ソフトボディ、リジッドボディなど)との相互作用を組み合わせることができる。

Redshiftでパーティクルシーンをレンダリングするか、Alembic経由でキャッシュしてエクスポートすることができる。新しいCinema 4D パーティクルのプリセットがアセットブラウザーで利用可能に。新しいプリセットは継続的に追加される。

シミュレーションは、Cinema 4Dのコネクターオブジェクトのアップデートにより改善され、新鮮なルック、効率的なワークフロー、アートディレクターに優しいコントロールが提供。リジッドボディシミュレーションでは、複数のオブジェクトを自動的に接続できるようになり、エアロダイナミクスはよりリアルなシミュレーションを提供し、キャッシュシミュレーションは外部キャッシュの機能によりさらに柔軟になった。

その他の強化/追加された機能には、プロパティの転写があり、これにより、ひとつのオブジェクトから別のオブジェクトにタグデータを簡単に転写できる。また、スムースエッジツールの新しく間隔を維持オプションが追加。アセットブラウザーは、シーンにアセットをドラッグする際に自動的に配置ツールに切り替えされ、HDRIアセットならドームライトを自動的に作成する。

 

Redshift

Redshift 3.6.0には、ノンフォトリアリスティック・レンダリング(NPR)、柔軟な標準ボリューム、AMDグラフィックスのサポート、Redshiftエリアライトのアルファマスクサポートなどが含まれている。

新しいノンフォトリアリスティック・レンダリング機能を使用して、RedshiftでNPRラインとトゥーンをレンダリングする。これには、輪郭ノード、セルシェーディングのためのトゥーンマテリアルノード、ハーフトーンやスクリーンスペースによるグリッドシェーディングスタイルに適したトーンマップパターンシェーダーなどが含まれる。

Redshiftの新しいトゥーンマテリアルの不透明度コントロールを使用すると、パーティクルを加算レンダリングできる。各パーティクルの光放射が後ろにあるパーティクルに重なり、明るい星のようなパーティクルレンダリングができる。

HIP向けのOSLサポートの追加により、RedshiftはAMDグラフィックスカードを搭載したWindowsシステムで公式にサポートされるようになった。

新しいスタンダードボリュームノードを追加することで、パイロや雲などのボリュームをレンダリングする際に、バラツキやディテールの追加が簡単に行える。また、標準ボリュームシェーダーは、グローバル環境フォグ内で動作するようになった。

その他の追加機能には、エリアライトのアルファマスクが含まれる。これにより、シンプルなテクスチャでライトゴボを作成できる。再構築されたメッシュライトは、使用が簡単になり、可視性とライトリンクルールに従う。また、状態シェーダーには新しいレイバウンスレベルの出力が追加されている。

そのほか、ドイツ語と韓国語のネイティブサポートがRedshiftに追加された。

 

Red Giant

Red Giant 2024.2では、Trapcode Geoという新しいツールが追加され、ユーザーはAfter Effectsで3Dオブジェクトにテクスチャを割り当てたり、ライトを当てたり、クローンを作成したりできる。Trapcode Particularのレンダリング性能の大幅に向上やボケに対する新しいカスタムブラーマップの追加、LooksのUIも改善。

Trapcode Geoは、C4D、OBJ、FBX、GLB、glTF、DAE、3DSなど、7つのファイル形式をサポート。統合されたクローナーオプションを使用すると、アーティストは簡単かつ迅速にボックス、球体、または円柱形の形状の配列を作成できる。After Effectsの全機能を活用して、任意のレイヤーまたはコンポジションを使用したテクスチャやマテリアルにカスタマイズできる。

Trapcode Particularでは、レスポンス、プレビュー再生、レンダリングのすべてが向上。

LooksのUI改善により、ユーザーエクスペリエンスが向上し、カラーマネジメントに関する品質向上が実現。ほとんどのRed Giantツールに、ドイツ語と韓国語のネイティブサポートが追加。

 

カプセル

Maxon Oneの加入者は、多様なアセットが含まれるMaxon カプセルライブラリにアクセスできる。AdobeとのパートナーシップでリリースされたAdobe Substance 3Dマテリアルライブラリに加えて、このリリースには多くの新機能が含まれている。

Ivy Generatorは、Cinema 4Dのシーンノードカプセルで、Rocket Lasso作の建物や他のオブジェクトの表面にアニメーション付きのツタを追加することができるツール。このカプセルには、様々なルックのツタを提供する2つの異なるセットが含まれている。

Rocket LassoによるPartition Modifierも、Cinema 4Dのシーンノードカプセル。このツールを使用すると、モデルを動的にリサイズ可能なピースに分割して、木製の床材、岩壁などを作成できる。

Wood Floors Vol. 01は、Cinema 4DのRedshift マテリアルカプセル。Fuchs & Vogelによって作成されたこれらの素材を使用すると、さまざまな木材やパターンを使用して、インテリアレンダリングの床を手軽に飾ることができる。

 

Cineware

Cineware for Unrealのアップデートにより、Cinema 4DからUnreal Engineへのマテリアルの転送がこれまで以上に簡単に。Direct Linkを使用すると、ファイルをディスクに保存する必要がない※。(※Unreal Engine 5.0以降でのみ動作し、Cinema 4D 2023.0以降のバージョンが必要)。

 

Maxon Computer株式会社
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