DJIから登場したスマホジンバルOsmo Mobile 7P。過去のモデルからOsmo Mobileシリーズを愛用してきて、日頃iPhoneでの映像制作に積極的に取り組む色彩のOGAHARUさんに最新モデルの使用感をレポートしてもらった。

●レポート
OGAHARU

ビデオグラファー。映像制作チーム色彩として活動。iPhoneでの映像制作にも積極的に取り組む。
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こんにちは、色彩のOGAHARUです。2月18日、DJIから新しいスマホジンバル「DJI Osmo Mobile 7P」が発売されました。DJIのOsmo Mobileシリーズは前作のOsmo Mobile 6(OM6)が発売されてから約2年半が経過しており新作を待っていた人も多いかと思います。個人的にもOM6は2年ほど使用しているので「やっと出たか!」という気持ちが正直なところです。

今回もありがたいことに発売前にお借りすることができたので正直にお伝えしていきます!



強化されたDJIエコシステム





今回のDJI Osmo Mobile 7Pの最大の目玉は「多機能モジュール」です。マグネティックフォーンクランプに装着することで使える外付けのモジュールが新しく出ました。外付けのモジュールという発想は他のスマホジンバルにも結構あるのですが、これはジンバルに“3つの機能”を追加することができるアタッチメントになります。“ひとつの機能”ではなく“3つ”という点が他にはない特徴ですね。それでは、それぞれお伝えしていきます!

1つ目は「トラッキング機能」です。これまでDJI Mimoという専用アプリ経由で被写体をトラッキングすることは可能でしたが、他のアプリでトラッキングすることはできませんでした。しかし、このモジュールを装着することでスマホの純正カメラアプリやInstagram、TikTokなどのサードパーティー製のアプリケーションでも被写体を追従することが可能になりました。これは昨今のスマホジンバルでは当たり前になりつつあると思うので少し安心しました。


専用アプリDJI Mimoで被写体認識をした状態。




ふたつ目は「照明機能」です。こちらも最近のスマホジンバルによく見られる機能で、夜間などの低照度環境でも被写体をくっきりと撮影したい時に便利な機能になります。事前にいただいた資料では色温度と明るさを4段階調整できると記載されていたのですが、実際検証してみると、色温度と明るさ共に、8段階で調整することができました。明るさを最大にするとかなり明るいです。





3つ目は「マイク受信機機能」です。個人的にはこの機能が一番嬉しい機能ですね。現在DJIが発売しているマイクの中に小さくて軽くて音の良い「DJI Mic Mini」がありますが、そのマイクの受信機としてモジュールが機能してくれるんです!これは他のスマホジンバルにはない機能です。モジュールとスマホをケーブルで接続する必要はありますが、2チャンネルまで収録できるので音声も妥協したくない人にとっては便利な機能です。


DJI Mic Miniの受信機として使用している状態。手に持ったものがDJI Mic Miniの送信機。多機能モジュールをUSBーCでiPhoneと接続する。




以上のようにモジュールひとつで3つの機能を使うことができて、これまでのDJI製品との互換性もあるのでより拡張性が増したという印象です。モジュール自体DJIのアクションカメラが得意とする、ロックがかかるマグネットでの装着なので、不意に取れたりする心配もなくワンタッチで着脱できるので安心して使用することができます!



よりシンプルに、使いやすく

左がOM6、右がOsmo Mobile 7P。

まず、デザイン部分を見ていきます。前作のOM6と比べるとよりシンプルな構造になった印象です。三脚も内蔵され、折り畳んだ状態でスマホを取り付けられるようになり、ワンアクションで起動できるようになりました。そして折りたたむ時も自動で畳みやすい位置にアームが移動してくれます。ずっと使ってきた身からするとこれめっちゃ嬉しいですし、撮影時のストレスがだいぶ軽減されている気がします。

細かいですが三脚を開いた時の幅が小さくなり卓上に置いたりする時、邪魔になりづらくなっていますね。そして、ロール軸の部分に録画中を示すランプが搭載されたので、「これ、撮れてる?」みたいな不安が解消されています。延長ロッドは前作と変わらず内蔵されているので、伸ばすことでローアングルやハイアングルの撮影も可能です!


そして操作部分ですが、こちらはあまり変化がないですね。「Mボタン」でモードの切り替え、「赤いボタン」で録画の開始と停止、「切り替えボタン」で縦向き横向きの変更やアウトカメラとインカメラの切り替え、側面のホイールでズームとフォーカス、フィルライトを調整できます。強いて言えばディスプレイが少し大きくなり、現在どのモードで撮影しているかが分かりやすくなったといったところでしょうか。





Active Track 6.0 ➡︎ Active Track 7.0

複数人のシーンで特定の被写体をしっかりと追従してくれるようになったので人混みなど被写体以外の人物が多い時などにかなり効果を発揮しそうです。個人的には、Active Track 7.0になってより早い動きに対応した印象を受けました。ワンちゃんや猫ちゃんがいる方は結構追従してくれると思います。また、顔を認識すると白いボックスが表示されるようになったので、トラッキング対象を切り替えたい時なんかはタップするだけで素早く切り替えてくれ、安心した追従撮影が可能になっています。



スマートなスマホジンバル

DJI Osmo Mobile 7Pを紹介してきましたが、全体的には「スマートなスマホジンバル」という印象を受けました。デザイン的にも曲線が特徴的で展開方法もスマートですし、多くのスマホジンバルが沢山のアタッチメントや機能を盛り込む中、モジュール1つで3つの機能を搭載するスマートさ。もちろん他のスマホジンバルと比較したらOsmo Mobile 7Pではできないこともありますが、その制限があるからこそシンプルな操作性や手に取りやすい価格を実現していると思います。個人的にはホイールがかなり使いやすいので、マニュアルフォーカスやズーム機能面で作り込みたいクリエイターには結構おすすめできます!



Osmo Mobile 7Pの製品情報