ブラックマジックデザインは、Ultra HDライブプロダクションスイッチャー『ATEM 4 M/E Constellation 4K Plus』を発表した。発売日は6月予定、価格は2,168,000円(税込)。

『ATEM 4 M/E Constellation 4K Plus』は、高性能のUltra HDスイッチャーで、フォーマット変換に対応した12G-SDI入力を80個、独立した12G-SDI出力を48個搭載。この新モデルは、これまで最大モデルであった4 M/Eの2倍の入出力を備えており、16のATEM Advanced Chroma Keyer、4つのUltra HDメディアプレーヤー、4つの独立したUltra HDマルチビュー、2つのSuperSourceプロセッサーなども搭載。

ATEM Constellationスイッチャーシリーズは、コンパクトなラックマウントサイズにコントロールパネルを内蔵しているので、セットアップ中や緊急時にフロントパネルからスイッチャーを操作できる。また、大画面のLCDが搭載されており、プログラム出力の確認や、スイッチャー設定の変更が可能。コンパクトなので、移動型のライブプロダクションに最適。背面には3G-SDIまたは12G-SDI入力、Aux出力、バランスオーディオ、コントロール用のイーサネット接続が搭載されている。最上位機種の4 M/Eシリーズは、シリアルコントロール用のRS-422、MADIデジタルオーディオの接続も搭載。

フロントパネルからは、キーヤー、メディア、フェード・トゥ・ブラックもコントロール可能。業界標準の5ピンのトークバック・ヘッドセットコネクターがフロントパネルに搭載されており、トークバックの調整用のコントロールにも対応。また、フロントパネルのLCDおよびメニューボタンでは、スイッチャーのほぼすべての操作機能にアクセスできる。

各入力はフォーマット変換に対応しているため、あらゆるSDIビデオ入力をスイッチャーのビデオフォーマットに変換可能。各スイッチャーのSDI入力で異なるテレビフォーマットを使用できる。ATEM 4 M/Eシリーズでは、複数のMADIデジタルオーディオ出力にオーディオを出力できるので、スイッチャーのオーディオソースのミキシングを外部のオーディオエンジニアに委ねることが可能。

各SDI出力は、あらゆるSDI入力や内部ソースを個別にルーティングできる。これにより、ステージの画面やマスターレコーダー、配信プロセッサーなどに個別にフィードを送信できる。SDI出力を個別収録に使用することも可能。再同期され、タイムコードがマッチするスイッチャー入力が、各デッキに送信される。全SDI出力は、プログラムオーディオ、RP-188タイムコード、SDIカメラコントロール、タリー、トークバックに対応。

内蔵マルチビューは、複数のソースを単一のモニターでモニタリングできる機能だ。ATEM 4 M/E Constellationシリーズには、4つの独立したマルチビューが搭載されている。すべての外部SDI入力および内部ビデオソースをあらゆるビューにルーティングできる。マルチビューはすべてカスタマイズ可能で、それぞれ4、7、10、13、16のビューに設定可能。タリーボーダー、ソースのラベル、VUメーターを各ビューにオーバーレイとして追加することもできる。赤と緑のボーダーは、各ビューでタリーを表示するので、現在オンエア中のソースが把握できる。

ATEM Constellationは機種によって、最大4つの独立したDVEを搭載している。これにより、グラフィックの位置を変更し、ピクチャー・イン・ピクチャー合成を作成可能。DVEは極めて高品質で、リアルタイムでの位置およびサイズの変更、スケーリングに対応。DVEを使えば、カスタマイズ可能な3Dボーダー、シャドウ、ライティングを用いた、プロ仕様のピクチャー・イン・ピクチャーエフェクトを作成できる。また、スクイーズやスウッシュなどのエフェクトを加えた素晴らしいDVEトランジションを作成し、プログラムをよりエキサイティングにすることも可能。DVEトランジションとカスタムグラフィックを組み合わせて、独自のグラフィックワイプ・トランジションも作成できる。ATEM 4 M/E Constellation 4K Plusは、2つのSuperSourceプロセッサーを搭載しており、さらに多くのDVEを使用可能。

ATEM Constellationはトークバック機能を内蔵している。トークバック用には、5ピンXLRヘッドセットコネクターをサポートしており、リアパネルのRJ12コネクターを使用して、ClearComやRTSなどの業界標準のトークバックシステムに接続可能。プログラム/エンジニア用ループ、ヘッドセットマイク用のサイドトーンコントロール、プログラムミックスなど、トークバックを完全にコントロールできる。ATEM ConstellationはSDIチャンネル15と16を使用したSDIトークバックもサポート。Blackmagicカメラと双方向通信が可能。トークバックマイクをプログラムオーディオにミックスして、ボイスオーバーとして使用することもできる。

内蔵メディアプールは放送品質のRGBAグラフィックおよびアニメーションを保存でき、2つまたは4つのメディアプレーヤーから瞬時に再生できる。内蔵のメディアプールは、メディアプレーヤーで使用するグラフィックを保存でき、4 M/Eモデルでは60個のスチルと400フレームまでのアニメーションを保存可能。すべてのメディアは、同梱のATEM Software Controlで簡単に管理できる。ATEM Photoshopプラグインを使って、Photoshopソフトウェアから直接ダウンロードすることも可能。

ATEM Constellationは多数のATEM Advanced Chroma Keyerを搭載。クロマキーはカラーピッカーで背景色をサンプリングしてキーパラメーターを自動生成できる。エッジやフレアを正確にコントロールできる他、フォアグラウンドのカラーコレクターを使用して、フォアグラウンドレイヤーの「ルック」をバックグラウンドレイヤーとマッチさせることでシームレスに合成できる。キーヤーは、パターンキーやDVEキーにも使用できる。

各M/E列に4つのアップストリーム・クロマキーヤーが搭載されているため、バーチャルセットの構築に最適。多数のATEM Advanced Chroma Keyerに対応しているので、各カメラにキーヤーを使用して、カスタマイズしたバックグラウンドの上にカメラ映像をシームレスに合成できる。バーチャルセット用に外部のイメージプロセッサーを使用したり、プリレンダーしたスチルイメージをメディアプレーヤーとメディアプールからロードして、固定カメラのバーチャルセットを構築できる。マクロを設定して、カメラを変更したり、メディアプレーヤーに適切なバックグラウンドをロードすることも可能。

M/E列のDVEに加え、4 M/EモデルはパワフルなSuperSourceマルチレイヤープロセッサーを搭載。ATEM Constellationは、4つのDVEレイヤーとバックグラウンドレイヤーを1つの追加の入力ソースとして認識する。スイッチャーのあらゆるビデオ入力は、SuperSource DVEとして使用でき、メディアプールのカスタムバックグラウンドにレイヤーされる。SuperSourceは、インタビューを受けている人をピクチャー・イン・ピクチャーで表示する際に適している。メインのDVEを他のジョブ用に空けたまま、エフェクトを設定できる。ATEM 4 M/E Constellationシリーズには、2つの完全に独立したSuperSourceプロセッサーも搭載している。

4Kシリーズでは、720p、1080i、1080p、2160pを含む、あらゆるHDまたはUltra HDテレビフォーマットの機器を接続可能。またSDI入力は、エンベデッドオーディオを扱うことができ、あらゆるビデオ入力からのオーディオをミックスできる。プログラム出力には、トークバック、タリー、カメラコントロール情報が含まれる。つまり、スイッチャーのSDI出力のいずれかをカメラに接続して、プログラムリターン、カメラコントロール、トークバックを使用できる。

すべてのSDI入力は、オーディオミキサーに6バンドのパラメトッリックEQ、コンプレッサー、リミッター、ノイズゲート、エクスパンダーを搭載。ATEM 4 M/Eシリーズに搭載された2つのMADI出力は、最初の30個のSDI入力のチャンネル1~4をブレイクアウトできるので、外部のオーディオエンジニアに送信するのに最適。また、MADI入力も搭載しており、32チャンネルの外部オーディオを追加でオーディオミキサーに送信可能。最も多機能の4K Plusは、SDI入力1~60からのオーディオをブレイクアウトするMADI出力を4つ、追加の128のミキサー入力チャンネル用のMADI出力を2つ搭載している。

Fairlightオーディオミキサーを内蔵しているため、ATEM Constellationでは極めて複雑なライブのサウンドミキシングが実行可能。機種によって、内蔵ミキサーは最大300の入力チャンネルに対応。オーディオは、すべてのSDIビデオ入力からデエンベデッドされ、オーディオミキサーに送られる。4 M/Eシリーズは、MADIオーディオ入力に追加のオーディオミキサー入力チャンネルも搭載。各入力チャンネルは、6バンドの高品質パラメトリックEQ、コンプレッサー、リミッター、エクスパンダー、ノイズゲート、完全なパン機能に対応。また、アナログ入力、トークバックマイク、メディアプレーヤー用のチャンネルも搭載。これらのオーディオ機能はすべて、ATEM Software Controlまたは互換性のあるMackieのコントロールパネルから操作可能。

コントロールパネルをATEM Advanced Panelシリーズの7機種から選択して使用できるのは、ATEM Constellationだけだという。ATEM Advanced Panelシリーズは、業界標準の馴染みやすいM/Eスタイルのレイアウトを採用。各パネルにメニュー用のLCD、ライトの色をカスタマイズできる高品質のボタン、DVEジョイスティックおよびTバーフェーダーを搭載。マクロの設定やトリガーも可能。M/Eボタン列に内蔵されたLCDは、入力ボタンのラベルを動的に表示。4 M/Eモデルは4列のM/Eに対応しており、各列に40個ずつの入力ボタンを搭載。


ATEM 4 M/E Constellation 4K Plusの機能

  • フロントパネルコントロールを内蔵した優れた設計
  • フォーマット変換に対応した80個の12G-SDI入力
  • カスタマイズ可能な48個の12G-SDI出力
  • 4つの独立したマルチビュー。複数のレイアウトオプションに対応
  • 4つの独立したDVE
  • ClearComおよびRTSと互換性のあるプロ仕様のトークバック
  • スチルおよびモーショングラフィック用の内部メディア
  • 16のATEM Advanced Chroma Keyer
  • 2つのSuperSourceマルチレイヤー・プロセッサー
  • マルチレート12G-SDIで、2160p60までのあらゆるHDおよびUltra HDテレビフォーマットに対応
  • 156チャンネルのFairlightオーディオミキサー内蔵
  • すべてのATEMハードウェアコントロールパネルと互換


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