▲GH5を手にするパナソニック株式会社 AVCネットワークス社 イメージングネットワーク事業部 事業部長 山根洋介氏(写真右)。

先日のCESで海外発表されたパナソニックのミラーレス一眼GH5が、国内正式発表となった。カメラの仕様については既報の通りだが、国内では3月23日の発売を予定しており、価格はオープンでボディ単体が24万円前後、LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.との標準ズームキット・GH5Mが27万円前後となる。(当初、25万円前後と記述していましたが、ただしくは27万円前後です。訂正しました)

 

 

GHの「H」はHi-end、Hybrid、High-performanceの意味がこめられているという。静止画と動画のハイブリッド、その垣根を取り払うカメラとして幅広いユーザーに支持されてきた。

 

4K/60p、4K/30p 4:2:2 10bitの内部記録に対応

4K/60pをはじめ、4K/30p 4:2:2 10bitの内部収録に対応するなど、このクラスのカメラとしては怪物級のスペックを誇るGH5。CMOSセンサーも一新され、GH4では16.1メガだった画素数も20.3メガに増えた。ローパスフィルターレスとなっており、GH4から好評だった解像感にさらなる磨きをかけている。センサー読み出しも高速化され、GH4比で約1.7倍の高速化を実現した。これによりローリングシャッター歪みの耐性も高まった。GH4では4K収録時、センサー中央部のみを読み出していたため、画角がクロップされていたが、GH5では全画素を使用するため画角がクロップされることもなくなった。

 

4:2:2 10bitの内部記録に対応

今回のモデルでは映像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」も刷新され、映像処理速度がGH4比で1.3倍高速化された。新たな画像処理技術を搭載し、解像、感度、色再現についても向上しているという。4K/60pの無制限連続記録に対応するための放熱設計や省電力にも力を注いだという。

 

ボディ内手ブレ補正Dual I.S.2

センサーシフト式のボディ内5軸手ブレ補正を搭載した。ボディー内補正のみ手ブレ補正機構を持たないレンズを装着しても補正が可能になった。また、今回合わせて発表されたレンズ と組み合わせることでボディとレンズ両方の手ブレ補正機構を最適に制御するDual I.S.2に対応できる。

 

AF性能

空間認識技術DFDテクノロジーの進化で被写体距離を瞬時に計測することでコントラストAF速度をGH4比で約6倍高速化し、新開発のヴィーナスエンジンによって動く被写体でも高速・高性能に測距することが可能になった。毎フレーム測距するだけでなく、分解能についても平面・奥行の三次元軸で各2倍合計8倍の高精度化を実現し、小さい被写体も含め、空間認識することが可能になった。さらに動き耐性にも強くなり、被写体の動きベクトル予測や奥行コントラスト情報を組み合わせた新アルゴリズムを開発。動く被写体のAF追従性能が飛躍的に向上したという。

 

▲測距点はGH4の49点から225に増え、フォーカスエリアを選択できるジョイスティックも設けられた。

 

6Kフォト

6000×3000ピクセル前後の静止画を秒間30コマで記録し、そのなかから決定的な瞬間を切り出せる「6Kフォト」を搭載。

 

防塵・防滴、耐寒設計

防塵防滴仕様はGH4から継承されているが、今回新たに-10℃の低温の環境下でも動作保証が追加された。SDカードはダブルカードスロットとなり、リレー記録や同じものを同時に記録するバックアップ記録、動画と静止画を各カードに振り分けて記録することも可能になった。また、HDMIは標準のAタイプになり、抜け落ち防止のケーブルホルダーも同梱される。大容量データの転送に対応するため、USB-C端子が備えられた。USB-C端子での給電や充電には今回は対応されていない。

 

Bluetoothや5GHz帯のWi-Fiに対応

GH5にはBluetoothが搭載され、スマートフォンと手軽にペアリングできるようになり、常時接続。撮影中は転送速度の早いWi-Fiに自動で切り替わり、スムーズなリモート操作や転送処理が可能になった。また、Wi-Fiは従来の2.4GHz帯に加えて、混信の少ない5GHzも採用されている。

 

春と夏2回のファームウェアアップグレードを予定

4月のファームウェアアップグレードでFHD 4:2:2 10bit記録に対応。その後、夏に編集時の操作が快適なALL-Intraを採用した4:2:2 10bit 400Mbps記録に対応する。GH5発売の3月23日にはこの記録方式にも対応できるUHS-ⅡのSDXCカードも発売される。その他、高解像度アナモフィックモードや4K HDR動画撮影機能など気になる機能の追加も予告されている。現時点では詳細については不明だが、こちらについても詳細が明らかになり次第、レポートしていきたい。

 

▲製品説明を行うパナソニック株式会社 AVCネットワークス社 イメージングネットワーク事業部商品戦略企画部 担当部長 前田将徳氏

 

会場では本誌筆者陣も期待を寄せる

▲標準HDMI端子に喜ぶ柳下隆之氏。

 

▲GH5ではV-Logはオプションでの販売になるが、GH4からのグレーディング時のノイズがどれだけ減らせるのか楽しみだというOsamu Hasegawa氏。

 

▲バリアブルフレームレートの180fpsによるハイフレームレート撮影を試す松本 敦氏。手ブレ補正の威力にも驚いたという。

 

▲24bit/96kHzのハイレゾ音声記録に対応するXLRアダプターを装着した状態。真剣な面持ちで展示機をチェックするまるやまもえる氏。

 

 

●DC-GH5の製品情報

http://panasonic.jp/dc/g_series/gh5/