昨年秋から募集して、1月末に上映会があったソニープロフェッショナルムービーアワード。実はその夜の懇親会のときに、私はソニーのY川さんに、
「せっかくYouTubeにアップするんだから、ぜひ英語字幕つけて、世界のユーザーが見られるようしましょうよ。
そうしたら、受賞した人も世界からオファーが来るかもしれないし。
そもそも映像制作機器を作っている日本のクリエイターがどんなものを作っているかこれを機に発信するといいんじゃないですか?」
と話したら、なんとすぐに実現してくれました。素晴らしく仕事が早いです。
グランプリと準グランプリの2本です。
そうしたら、結構見られているんですね。再生回数の伸び方が全然違います。
出版業界にいる我々は日本語の枠にとらわれがちで、どうしても国内マーケットで、日本人相手に日本語の商売をするということがメインになってしまいますが、映像はそのあたりを壁を越えやすいと思います。そのときのネックが話し言葉とテロップで、英語であれば、世界の人が大体わかりますが、日本語になった瞬間に、世界の人たちをシャットアウトしてしまうことになってしまいます(そういう気がなくても)。
これは単なるきっかけですが、YouTubeやvimeo上では、われわれは海外のメディアのコンテンツも見ているのに、その逆はほとんどない、という状況は少しずつ変えていきたいですね(そのためには英語力が問題ですが)。
もう一点。
このコンペは使用機材は問わないのですが、いったいみなさんがどんなカメラを使ってるのかは気になります。ソニーのアワードなので、全体平均よりはソニーが多いということは予想されますが。
ソニービジネスソリューションのI倉さんに、受賞した人たちの使用カメラって何だったのか、レポートしていいですか? と聞いたら、全部チェックしてくれました。(敬称略)
●グランプリ 「君が教えてくれたこと」 長濱えみな
ソニー_PXW-FS7; ソニー_PXW-FS5; ソニー_α7SⅡ; キヤノンEOS 5D
●準グランプリ 「響子先生への家族授業」 大石健弘
ソニー_PXW-FS7
●審査員賞(江夏さん)「End Of Asia アジアの端の不思議な帽子屋」 笹本正喜
キヤノン_EOS 5D; ブラックマジック_URSA/URSA Mini
●審査員賞(カツヲさん)「地上にて」 百野 健介
ソニーα7SⅡ; ソニーα7S
●審査員賞(熊澤さん)「親父の背中」 坂野彰太郎
ソニーα7SⅡ
想像していたとはいえ、ここは圧倒的にソニーが強いですね。EOS 5Dは当然初代ではなくて5D Mark IIIでしょう。懇親会で話をしていて思ったのですが、個人で作品を撮るのは、α7S II、ある程度の予算がある仕事で使うならFS5もしくはFS7、という流れができてきたように思います。所有かレンタルかでいうと、個人で所有しているのはα7S IIで、FS5、FS7はレンタルするという人が多そうに感じました。α7S IIとFS系で画質が違うのかどうか、は正直言うとレンズの違いのほうが大きくて、カメラでの違いはそれほどないと思います。画質ではなくて、スタッフワークをするかどうか。そしてクライアントや被写体にとって、大きいカメラのほうが都合がいいのかどうか、なのでしょう。αからFSへ、もしくはαでもう充分、ということではなく、αもFSも、ということだと思います。
レンズはスタートがEOS 5D Mark IIでEFレンズという人が多そうで、徐々にEマウントレンズ純正に移ってきているという感じでしょうか? 映像にこだわりのありそうな笹本さんの作品がURSA Miniを使っているところも興味深いところです。