グラスバレーは、3月22日、東京・日本橋において、3月頭に発売を開始したメディア管理、簡易編集、再生ソフトMync(ミンク)の記者説明会を開催した。

冒頭挨拶にたったグラスバレー社長の北山氏は、

「グレスバレーは放送業界ではよく知られた会社であり、編集ソフトのEDIUSも放送局の現場で多数使われ認知されているが、一般のユーザーからするとほとんど知られておらず、また、EDIUSも編集ソフトとしては、とっつきにくいと思われている。今回、もともとEDIUSのメディア管理ソフトであったGV Browserを独立させるかたちで、Myncという新しいコンセプトのソフトウェアを提案する。幅広い層にビデオ編集を楽しんでもらいたい」

と語った。

神戸でEDIUSを中心とした編集ソフトを統括する竹内氏がMyncの概要を説明。EDIUS担当の粟島氏がデモを行なった。

Myncは単なるメディア管理ソフトというだけではなく、様々な機能を持つソフトウェア。これまではプロフェッショナル向けの製品を開発していた神戸のメンバーが、アマチュアのみならず、フォトグラファーや映像ディレクター、WEBクリエイター、記者など映像、写真データを扱う幅広い層にとって便利なツールを開発した。

まずMyncとは高速メディアプレーヤーであり、多機能なメディア管理ツールであるということ。最近はiPhoneなどのスマホからデジタル一眼、ビデオカメラなど様々な動画、静止画があり、かつ4K、最近は6Kなど高解像度化して(再生が重くなって)いる。EDIUSは、もともと「EDIT ANYTHING FAST]」がコンセプトであり、様々なメディアに対応しているのが特徴。そのエンジンを生かすことで、快適な高速メディアプレーヤーとして使うことができる。

またメタデータ活用をしようというのが大きなコンセプトで、もともとカメラのファイルにはメタデータを埋め込まれているのだが、それが活用されていないのが実情。実際にはフォーカスの位置といった情報も書き込まれていることが多い。それを活用することができたら、ビデオファイルの管理は一歩進むことになる。そこでグラスバレーは、各カメラメーカーとも話をして、どうしたらメディア管理が簡単になるか、検討しているという。

もともとEDIUSのファイル管理機能は強くなかったが、ユーザーからのリクエストもあり、その部分をGV Browserとして開発。それに機能を加え、さらに単独ソフトとしてリリースしたのが今回のMyncになる。EDIUS Pro 8にもこの機能が含まれることになる。

Myncはウィンドウズのエクスプローラーを使ったメディアファイル管理を排除し、Myncで写真、ビデオ、オーディオファイルを一元的に管理。従来は別のソフトで管理していたのをMyncに統一することができる。

機能的にはGV Browserそのままではなく、Myncでは単体でストーリーボードによる編集機能が加わっている。EDIUSはカメラメーカーとタイアップして、カメラにもバンドルしたが、使い方が難しいという理由で実際には使ってもらっていなかったという。Myncの編集機能はあえてタイムラインをやめて、あらゆるレベルのユーザーが直感的にわかりやすいストーリーボード形式にした。

EDIUSとの連携も図られており、ビデオ編集にかかる全時間の短縮をはかることができる。EDIUSにはMync Standardが含まれており、これを活用することで、編集の前段階、後段階にかかる時間にフォーカスしてそれを短縮できる。たとえばOKカットの選択と、使い所の選定がMyncで可能になるので、これまでEDIUSを利用してきた放送局などのビデオユーザーにもメリットが生まれる。

ラインナップは2種類あり、

Mync Basicはキャンペーン価格として無料(6月30日まで)、

Mync Standardが4,980円(6月30日まで)

それぞれこちらからダウンロードできる。

この違いは、Standardが、プロフェッショナルビデオフォーマットをサポートしていること。たとえばソニーのビデオフォーマットである、XAVC SはBasicで対応しているが、業務用ビデオフォーマットであるXAVCはStandard版しか対応していない。

Myncは今後も機能を強化していく予定で、GPSデータをうまく活用し、どこで撮られたかという情報を検索で活用できるようにしたいという。また、H.265(HEVC)のサポートは近々予定している。これにより、たとえばGH5の6Kフォトも再生できるようになる。

https://myncworld.com/