Blackmagic Design は2017年4月20日、日本映画大学が過去の学生映画作品などのアーカイブに Blackmagic Cintel Film Scanner を使用していることを発表した。

日本映画大学の前身は、映画界の巨匠・今村昌平監督が1975年に開校した横浜放送映画専門学院。現在でもフィルムカメラを使った実習を行う数少ない映画学校のひとつで、40年以上の歴史の中で学生らが残したフィルム作品は300本以上にのぼる。

「以前は年間10〜20本のフィルム作品を作っていた。これまで撮りためたものをきちんと残すためにデータアーカイブの必要性を感じていた。また、これまで使っていたテレシネ機が故障して修理もできない状況だったため、どうせならフィルムスキャンができるものがいいと考えていたが、なかなか手が出るものがなかった」と話すのは同学専任講師の若林大介氏。

「そんな時、Blackmagic が Cintel を買収したニュースを聞き、発売後すぐ導入を決めた。あの価格でフィルムスキャナーを導入できるメリットは大きい。当学ではこれまでにも DaVinci Resolve などの Blackmagic 製品を導入している。Resolve は、Cintel を操作する際に使うソフトウェアであるため、すでにインターフェースに慣れている点は Cintel 導入のうえでも安心感があった。当学では16mmフィルム素材が多いため、Blackmagic の16mm Gate をつけてスキャンしている。スキャンされた画質も十分なクオリティを保っていると感じる。」(若林氏)

同学では、Cintel の他にも DeckLink シリーズや DaVinci Resolve、Fusion、UltraScope、SmartScope Duo 4K、Audio Monitor、Teranex 3D Processor といった製品をすでに導入。同学には Cintel でスキャンしているフィルム素材だけでなく、BetaCamテープ、VHS、DVDなどのビデオコンテンツも多く残っており、それらはすべてSD解像度であるため、Teranex 3D Processor を使いアップコンしHD化してアーカイブも行っている。

「Blackmagic 製品はシンプルさがいい。当学の機材の選定やセッティングは私が担当しているが、フィルムスキャナーのような機材を自分で設置できるというのは以前では考えらなかった。ソフトウェアの更新が早い点も助かる。ここがこう変わるといいな、と考えてた点が次のバージョンで改良されることがよくある。ユーザーのフィードバックに対するレンポンスの速さも魅力だ」と若林氏は結んだ。