11月19日から21日まで、千葉の幕張メッセで開催される2008国際放送機器展(InterBEE 2008)のレポート。最大のブースを構えたソニー編。
◆XDCAM EXは完全に軌道に乗った
▲昨年からテープのHDVとメモリーのXDCAM EXの両フォーマットで続々と新製品が発売しているソニーだが、新製品への注目は高かった。初日午前中から、XDCAM EXの最新モデルPMW-EX3(写真/シネレンズを装着)とHDVの最新モデル、HVR-Z5Jを触る人で溢れかえった。特に、PMW-EX3はマニアやプロフェッショナルから支持されているようで、質問する人が多かった。
▲XDCAM EXの記録メディアSxSを右側のスロットに入れ、12cmディスクのXDCAM HDディスクにコピーして管理できるモバイルレコーダーの参考出品。パソコンを使わずに現場でバックアップをとることができる。あくまで参考出品で、ユーザーの意見を聞いている段階だという。
▲こちらはXDCAM HD(ディスクのカムコーダー)の後ろに装着するSxSの記録ユニット「メモリーレコーディングアダプター」。こちらも参考出品。光ディスクと同時に記録することができる。ここにきて、12cm光ディスクのXDCAMとSxSメモリーのXDCAM EXのそれぞれの良さを活かそうという動きが出てきた。
◆HDVではZ5Jが人気。Z7J用のワイドズームもようやく登場
▲HDVは、遅れていたHVR-Z7JとS270J用のカールツァイス製ワイドズームVC-308BWHがようやく登場。画質や画角を検証する人が多かった。写真は1/2インチのキヤノンレンズを装着したZ7Jと専用のワイドズーム(左)。
▲HDVの新テープも登場。従来は業務用のHDVテープは2層蒸着タイプのみだったが、一層蒸着にしてコストを抑えたタイプ。ミニカセットの34分、63分、スタンダードカセットの96分、124分、186分、276分がある。業務用HDVテープは、家庭用のHDVテープよりも保護層の耐久性が高いのと、業務用のハードケースを使用しているのが差別ポイント。
◆まめカムHDは大人気
▲先ごろ発表されたまめカムHDは、ソニーのスタッフがヘルメットに装着してデモ。海外メディアが取材しているところ。
▲まめカムHDの水中作例のために特注した水中ハウジング。ワイコンを装着したまますっぽり収まる。これは販売物ではないが、サードパーティから発売されるのではないだろうか?
▲水に濡れてもOKなダイナミックマイクF-115B。台風レポートなどに使えるもの。
▲PMW-EX1用のハウジング。フィッシュアイ製。
◆1080/60pの世界
HDCAM-SRプレーヤーの新製品SRW-5100は、1080/60p出力にも対応。1080/60iと比較して画質をみせていた。SRW-5100は、HDV出力、HDMI出力にも対応。たとえば試写用やオフライン編集用にHDVテープにコピーすることもできる。
▲1080/60p(左)と1080/60i(右)の比較。プレーヤーはSRW-5100。
▲プレステ3で1080/60pという参考展示。モニターは11型の有機ELテレビ。
▲SRW-5100は2倍速転送が可能になるので、テープでありながら、取り込み時間が半分になる。HD-SDIデュアルリンク経由で、対応するAJAのKONA3のボードを通してMacに取り込むというデモを行なっていた。
◆液晶モニターの進化
Inter BEE前に発表された新しいPVMモニターと、17インチのBVMモニターには注目が集まった。PVMの23インチは、BVMと同じパネルを使用し、バックライトをLEDから冷極管に変更している。色域が放送規格のみで使用する場合は、ほとんど画質は同じ。放送用コンテンツのみの制作であれば、価格が半分以下になるPVMはお買い得。デジタルシネマ制作にはBVMの意味が出てくる。
▲左がPVMの23インチ、右がBVMの17インチ。ともに来年発売の新製品。
▲参考出品の9型ワイド液晶モニター。フィールド用、ラックマウント用に最適。HD−SDI、HDMI,コンポジット入力対応。パネルは解像度800×480のIPSタイプ。
▲参考出品の56型QFHD(3840×2160)ディスプレイ。デモはデジタル一眼レフのα900で撮影した静止画で行っていた。
●過去のInterBEEレポート一覧はこちら
http://www.genkosha.com/vs/report/interbee/