ソニーは、独自のAIを活用した映像解析技術によって、リアルタイムにクリエイティブな映像コンテンツ制作を実現する、映像制作支援ユニットEdge Analytics Appliance(エッジ・アナリティクス・アプライアンス)『REA-C1000』を6月10日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は40万円前後(税別)。
Edge Analytics Applianceは、動体や顔の検知、色や形状の認識など、複数の技術を機械学習させたAIエンジンを搭載している。接続したカメラの映像を自動的に解析しGPU上で処理を行うことで、映像内の特定の被写体の抜き出しや、それを他の映像と組み合わせてリアルタイムに表示することが可能。こうした映像制作に、専門知識や特別な機材を必要としないため、教育現場や企業など多彩な世界で、よりクリエイティブで魅力的な映像コンテンツを効率的に制作できる。
AIエンジンには長年にわたるカメラ開発で培われた画質パラメーターやPTZ(パン・チルト・ズーム)駆動に関するノウハウが生かされており、同社の旋回型リモートカメラシステムやXDCAMカムコーダーと組み合わせることで、より高度な機器連携を実現。また、4K/HDの入出力に対応しており、将来の4K制作への移行にも対応する。
本機は各種アプリケーションのライセンス(別売)を本体にインストールすることで、板書抽出や自動追尾、クロマキーレスCGオーバーレイなどの多様な機能を、利用環境やニーズに応じて選択し、使用することができる。
Edge Analytics Appliance『REA-C1000』
Edge Analytics Applianceは、AIを活用した映像解析技術を搭載した映像制作支援ユニット。AIによる動体や顔の検知、色や形状の認識など、複数の技術を活用して、HDMI経由で接続されたカメラで撮影した映像を自動的に認識することにより、リアルタイムに最適な映像処理を実行し、専用のライセンス(別売)に応じたコンテンツを自律的に生成する。また、今後のアップデートによりLAN経由でIPを活用したストリーミング運用も可能になり、より柔軟なシステム構築を実現する。
アプリケーション
1.板書抽出オーバーレイ
独自の動体・非動体検知技術を用いて、ホワイトボードや黒板に書かれた文字や図形をリアルタイムに判別・抽出し、登壇者の前面に浮き上がらせることができるアプリケーション。登壇者のジェスチャーや表情と、板書内容を同時に確認できる。講義室やセミナー会場内の補助モニター、遠隔講義やeラーニングなどで活用することで、教室内後方の聞き手や遠隔講義の参加者にも、板書内容のほか、登壇者の考えや発言の過程が目視できるようになることで、理解を促進する。また、人物透過率はリアルタイムに調整することができ、板書のみの映像を生成することも可能。
2.クロマキーレスCGオーバーレイ
本アプリケーションでは、ソニー独自の動体検知技術により、プレゼンターのみを自動的に抽出して、HDMI端子より入力した任意の背景画像・動画にリアルタイムに重ね合わせることが可能。専用のスクリーンやスタジオ、専任のスタッフがいなくても、簡単かつリアルタイムに、シーンに適した動画やコンテンツに登壇者をCG合成できるため、学習や研修用コンテンツ制作、Webセミナー、企業ビデオやインタビュー動画の映像制作に適している。
3.リモートカメラ自動追尾
Edge Analytics Applianceに接続されたソニー製リモートカメラが登壇者を自動的に追尾・撮影する。被写体の動きに合わせて、リモートカメラを自動で旋回させるため、カメラを操作するオペレーターがいなくても、最適な構図で撮影し続けることが可能。また、左右に動く人物を追尾する他に、板書やスクリーンを画角内に収めることを優先する撮影モードも選択できる。講義や授業などの教育現場のほか、企業のカンファレンスやプレゼンテーションにも適している。
4.注目エリアクロッピング
1台のカメラで、全体俯瞰とフォーカスしたい領域の2つの異なる映像を同時に出力するアプリケーション。
4Kで広角の映像を表示しながら、登壇者の表情にフォーカスしたHD映像を同時に映し出すことで、臨場感を生み出す。フォーカス領域は固定できるほか、人物の動きに合わせてリアルタイムに自動追従できるため、スムーズで滑らかなカメラワークを実現する。
5.起立者ズームアップ
ジェスチャー認識技術により、Edge Analytics Applianceに接続されたカメラが、発言のために起立した人物の動きを検知し、電子的に自動ズームして撮影する。人物のクローズアップ映像と周辺の俯瞰映像を1台で同時に出力することが可能。発言者の反応を詳細に確認できるため、教育現場や企業のカンファレンスの質疑応答において、効果を発揮する。
商品名 | 型名 | 市場想定価格(税別) | |
本体 | Edge Analytics Appliance | 『REA-C1000』 | 40万円前後 |
ライセンス | 板書抽出オーバーレイ | 『REA-L0100』 | 80万円前後 |
ライセンス | クロマキーレスCGオーバーレイ | 『REA-L0400』 | 112万円前後 |
ライセンス | リモートカメラ自動追尾 | 『REA-L0200』 | 20万円前後 |
ライセンス | 注目エリアクロッピング | 『REA-L0500』 | 50万円前後 |
ライセンス | 起立者ズームアップ | 『REA-L0300』 | 80万円前後 |
◉製品情報
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201905/19-041/
ソニー株式会社
https://www.sony.jp/