ブラックマジックデザインは、ロブ・グラント(Rob Grant)監督の新作ホラー映画、「ALIVE.」のアクションショットにPocket Cinema Camera 4Kが使用されたことを発表した。2020年9月にアメリカ合衆国中のドライブイン・シアターで公開された同作のグレーディングには、Blackmagic DesignのDaVinci Resolveが使用された。

「ALIVE.」は、を重傷を負った一人の男と一人の女が廃墟となった療養所で目覚めた時、自分たちが何者であるのか、そして何が起こったのかという記憶をすべて失っていたというホラーストーリー。Cranked Up FilmsとGood Deed Entertainmentにより制作された「ALIVE.」は、トーマス・コックレル、カミーユ・ストップス、アンガス・マクファーデンが出演。ロブ・グラント(Rob Grant)氏が監督、チャールズ・ハミルトン(Charles Hamilton)氏が撮影、ブレンドン・ラスボーン(Brendon Rathbone)氏がグレーディングを担当した。

同作では、様々なクローズアップや難しい角度からのショット、アクションショットなど、多くのシーンでPocket Cinema Camera 4Kが使用されている。注射器や薬瓶、そしてそれらを扱う手の暗く不気味なイメージなど、療養所で使用されている多くの”ツール”を扱うショットもこれに含まれる。これらのショットでは、ハミルトン氏はPocket Cinema Camera 4Kと、Panasonicの16mmパンケーキレンズを装着した手作りのクラッシュカメラを使用した。

「挿入映像やECU(超クローズアップ)ショットの準備に時間を使いすぎてしまったのですが、制作予算が限られていたので、撮影日を増やしたり、スケジュールを変更する余裕はありませんでした。Pocket Cinema Camera 4Kは多くの意味で私たちを救ってくれ、予算を圧迫することもありませんでした。ロブは、多くの必要なピックアップショットやインサートショットを再現できました。当日に撮影できなかったシーンですが、Blackmagicのショットと他の借りてきたカメラでは、品質の差が全くありませんでしたね」

と語るのは、「ALIVE.」の脚本家兼プロデューサーの一人であるジュールズ・ヴィンセント(Jules Vincent)氏。

カナダのカルガリーで撮影された同作は、登場人物や視聴者をシュールで血生臭い悪夢のような世界へと導く。同作では、荒れ果てた薄暗い医療施設の内部と、療養所の外で介護人が属する明るい世界のシーンが交差する。

「この作品は、視聴者を置き去りにせずに画面をどこまで暗くできるかを確認する面白い実験でしたね。視聴者に十分な情報が伝わるよう、この気味の悪い廃病院を部分的に見やすくしましたが、場面の緊張感や雰囲気を壊さないように気を付けました。」とラスボーン氏。「カラーグレーディングに使用したソフトウェアはResolveだけですが、希望通りのルックを得られました」

ラスボーン氏は続ける。

「インディーズ映画、特にホラーのジャンルでは、ポストプロダクションで多くの作業が必要です。Resolveは、大掛かりなセットを安定してバランス調整できます。同作のグレーディングもすばやく効率的に行うことができました。また、空の置き換えや血の効果の強調などを予算内で自分で行えることで、作品をより良くすることができました」

同作で、ラスボーン氏がDaVinci Resolveをフル活用したシーンの一つは、明るく白いバスルームのシーンである。バスタブは、血の海であった。ラスボーン氏は、DaVinci Resolveのパワフルなリフト、ガンマ、ゲイン、ログ、オフセットのカラーホイールとコントラストコントロールを使用し、繊細かつ正確な調整を行ってシーンのドラマ性を強調。また、暗く埃っぽい設備、清潔で殺菌されたバスルーム、そして血の海の差を明確にした。

「血で溢れたバスタブの不愉快な緊張感は、同作のホラーとしての見せ場です。独特のルックではありますが、いたずらに目立つ事はありません。バスタブ以外はより暗く冷たい雰囲気になっており、この薄汚れた病院内の雰囲気にマッチしていますが、この純白のクリーンなひとつのスポットがうまい具合に剥離されています」

とラスボーン氏。

ラスボーン氏はまた、薄暗く照らされたシーンにDaVinci Resolveのパワフルな時間的ノイズ除去ツールを使用したという。

「Resolveの高度なノイズ除去のおかげで、ポスプロでシーンを向上できました。この作品制作を開始してから納品するまでの間に、Blackmagicは2回リリースを行いましたが、大掛かりな再コンフォームをしなくても新しいツールをすばやく利用することができました。『ALIVE.』のように多くの暗いシーンが含まれる作品では、非常に役立ちましたね」

「比類のない価値に加え、スイス・アーミーナイフのような利便性も備えており、デイリー、編集、カラー、オーディオ、VFX、マスタリングのすべてに役立ちます。単一のツールで全てを行いたいかどうかに関わらず、これほど多くのツールが揃っていることは、フッテージを処理したりファイルをチェックする上で大変便利ですね」

ラスボーン氏は最後こう結んだ。

「ALIVE.」は2020年9月にアメリカで公開が始まり、現在はAmazon、iTunes、Vudu、DirectTV、Fandangoなど、多くのサービスプラットフォームで視聴可能。

 

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