ヒビノ株式会社は、超高精細LED ディスプレイの大画面を背景に、仮想空間での撮影をリアルタイムで実現するインカメラVFXの機能を備えたバーチャルプロダクションスタジオ「Hibino VFX Studio」のレンタルサービスを7月1日より開始する。
ヒビノ日の出ビル(東京都港区)で利用できるほか、外部の撮影スタジオに全システムを搬入・設置しオペレートを行う出張に対応可能。映画、CM、ドラマなどあらゆる映像制作にインカメラVFX 技術を提供するとしている。なお、メインシステムのオペレーションは、ヒビノの映像オペレーターがサポートし、シンプルなシステム構築により最小2 名からオペレーションできる。また、6月2日〜4 日までの3 日間、予約制にてオープンハウスを開催。
インカメラVFX は、LED ディスプレイ・システム、カメラトラッキング・システム、リアルタイムレンダリングを組み合わせた撮影技法。背景となる高精細LED ディスプレイに3DCG 等で制作した情景を投影し、同期させたカメラで撮ることで、仮想空間での撮影をリアルタイムに実現する。
バーチャルプロダクションとは、高度なデジタル技術を活用した撮影技法の総称。中でもインカメラVFXは、スター・ウォーズ初の実写ドラマシリーズ『The Mandalorian(マンダロリアン)』に用いられ、完成度の高さから世界の映画関係者の脚光を浴びました。ヒビノでは、『The Mandalorian』の撮影に用いられたLED ディスプレイのアップグレードモデルであるROEVisual 社の新製品1.56mm ピッチ「Ruby1.5F」を世界に先駆けて導入。
LED ディスプレイ・システム
撮影エリアのLED ディスプレイは、反射のないマットな表面と色再現能力に優れたFlip Chip LED を採用したROE の1.56mm ピッチ超高精細LED ディスプレイ「Ruby1.5F」を世界に先駆け採用。8K スーパーハイビジョン放送の基準となる色域規格Rec.2020 85%に近い色空間を実現する。
天井と側面の環境照明用LED ディスプレイは、ROE の高輝度5,000cd/㎡の5.77mm ピッチ「Carbon5」を採用。空の青さや炎の揺らめきといった環境光を再現し、情景が被写体に及ぼす光の効果を演出することで映像にリアルな質感をもたらすという。
インカメラVFX メインシステム
メディアサーバーは、メインとなるdisguise「vx4」及びレンダリング専用サーバー「rx」を採用。Unreal Engine(アンリアルエンジン)で生成された3DCG をrx でリアルタイムレンダリングを行い、vx4 で書き出す構成。出力ノードとレンダリングノードを完全に分離することで、出力ノードであるvx4 の性能を最大限に発揮させ、完全に同期した4K 解像度の映像を4 出力可能にした。また、カメラトラッキング・システムは、業界標準のstYpe 社「RedSpy」を採用している。
▲メインシステム
▲カメラトラッキング・システムstYpe 社「RedSpy」
XR ステージに変更可能
スタジオセットは、壁2 面と床面をLED ディスプレイで構成するXRステージへの組み替えが可能(XR は、VR、AR、MR など仮想空間技術の総称)。配信ライブ等へ、現実世界と仮想世界を融合させた新しい映像体験を提供するという。
▲XRステージイメージ
◉詳細情報
https://www.hibino.co.jp/visual/studio.html
ヒビノ株式会社
https://www.hibino.co.jp