SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、10月3日にYouTube Liveでのオンライン授賞式にて、グランプリをはじめとする国際コンペティション、国内コンペティションの各賞を発表した。
国際コンペティションでは、地中海の島国マルタで先祖代々伝統的な漁を続けてきた男が、船の破損をきっかけに漁師の仕事を捨てるか逡巡する姿を描いた人間ドラマ『ルッツ』(アレックス・カミレーリ監督/英題:Luzzu)がグランプリを受賞。
監督賞は、母を追ってウクライナから言葉の通じないドイツにやってきた9歳の少年の孤独な闘いを描いた『ライバル』(マークス・レンツ監督/英題:Rival)が受賞。
審査員特別賞には、アフリカから移民としてアメリカに渡ってきた男が不可解な出来事に巻き込まれていく、謎に満ちたサスペンス『シネマ・オブ・スリープ』(ジェフリー・セント・ジュールズ監督/カナダ/英題:Cinema of Sleep)と、80年代、政情不安のイランで娘を失った母親が37年後の現代のオランダで娘を裏切った女性と再会し、復讐を企てる政治サスペンス『ミトラ』(カーウェ・モディーリ監督/英題:Mitra)の2作品が受賞となった。
観客賞にはドイツ人とユダヤ人の同性カップルの結婚騒動を描くロマンティックコメディ『国境を越えてキスをして!』(シレル・ペレグ監督/英題:Kiss Me Before It Blows Up)が選ばれた。
国際コンペティション・国内コンペティションを通じた全日本作品を対象に、今後の長編映画制作に可能性を感じる監督に対し贈られる「SKIPシティアワード」は、カウンセラーと謎の患者のやり取りを不穏な心理ホラーに仕立て上げた、酒井善三監督の『カウンセラー』が受賞。短編作品の同賞受賞は本映画祭史上初の結果となった。
また国内コンペティションでは、長編部門で『夜を越える旅』(萱野孝幸監督)、短編部門で『リトルサーカス』(逢坂芳郎監督)がそれぞれ優秀作品賞と観客賞をW受賞。両部門で同時に優秀作品賞と観客賞をW受賞する快挙も、本映画祭として史上初となった。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021受賞結果
■国際コンペティション部門
最優秀作品賞:
『ルッツ』アレックス・カミレーリ監督(マルタ)
審査員特別賞:
『ミトラ』カーウェ・モディーリ監督(オランダ、ドイツ、デンマーク)
『シネマ・オブ・スリープ』ジェフリー・セント・ジュールズ監督(カナダ)
監督賞:『ライバル』マークス・レンツ監督(ドイツ、ウクライナ)
観客賞:『国境を越えてキスをして!』シレル・ぺレグ監督(ドイツ)
■国内コンペティション部門
SKIPシティアワード:『カウンセラー』酒井善三監督
優秀作品賞長編部門:夜を越える旅』萱野孝幸監督
優秀作品賞短編部門:『リトルサーカス』逢坂芳郎監督
観客賞長編部門:『夜を越える旅』萱野孝幸監督
観客賞短編部門:『リトルサーカス』逢坂芳郎監督
◉公式サイト
http://www.skipcity-dcf.jp