富士フイルムがFUJINONブランドのシネマズームを発表したことはこちらでお伝えしたとおりです。これまで展示会でことあるごとに、「もっと安いシネマレンズを!FS5やFS7用のを!」と言い続けてきた私としては、まさに思い描いていたレンズ。
まずはCP+に行く前に、システムファイブでデモ機をみてきました。
最初に見た印象は、思ったよりも小さい。シネマズームを見慣れた目かすると、「ミニシネマレンズ」という印象。スペックをみると重さは1kgを切っています。サイズ感をお伝えするのは難しいのですが、個人で楽に扱えそうなシネマズームで、FS5、FS7だけでなく、αにもマッチしそうです。
システムファイブに展示してあるのは、3月から発売される18-55のみで、FS7、FS7 IIに装着されていました。
営業の佐藤央さんにお話を聞きましたが、Eマウントタイプは電子接点はなしで、ボディ側で光学的な補正を施すことができないので、収差、歪みなど設計には相当苦労して開発したそうです。たしかにワイド側でも歪みは少ないように見えました。レンズには角形フードも同梱しているところなどは、普通のスチルレンズやビデオレンズのようです。電動ズーム機能はなく、たとえばレンズの右側にズームユニットを装着するという考えもないそうです。そもそもズームユニットを取り付けるためのネジ穴を設けるスペースもないくらいにコンパクトに設計しているとのこと。電動ズームは、ZACUTOなどサードパーティの外付けオプションに期待したいと言っていました。
レンズの右側には指標はいっさいありません。つまりフォーカスマンがこちらでピントを送るということはあまり考えておらず、ワンマンオペレートを想定しています。
システムファイブにあったのは、18-55mmの実際に稼働するデモ機が3本。
CP+の会場にはモックアップがあり、全4モデルがラインナップ。右側の2本がEマウントで、左の2本がXマウント。18-55mmと50-135mmでは全長とギアの位置を揃えています。
Xマウントのほうが根元が少し太いのは、電子回路が入っているため。Xマウントは電子接点付き(まだ仕様は確定ではない)で、ボディと何かしらやりとりすることを考えているそうです。AEやAFを駆動する電力を一眼のカメラ本体から供給できるのかわかりませんが、自社ボディとレンズですから、補正データを入れるだけでなく、ボディ側にF値や焦点距離を表示するといったこともできそうで、Eマウント版とは差別化をしようということかもしれません。
実はEFマウントも検討はしたのだそうですが(!)、まあ、それは無理でしょう。
ムービーといえば、いまやEマウントは外せないことになってきました。
カールツァイスの100万円のライトウェイトズーム21-100mmもEマウント仕様がありますし(写真はPLマウントタイプ)、
米のVeydraもEマウント仕様でセットを組みことができます。これもシネレンズですがコンパクトなので、α7系でミニシネマキットが完成します。
コシナもフォクトレンダーブランドでオールドレンズ風デザインのEマウントの40mm F1.2を参考展示。
CP+会場では探せば他にもあったかもしれません。
Eマウントレンズの選択肢はこれからさらに充実していきそうです。
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