VIDEO SALON2022年5月号は4月20日発売

文●編集部・萩原

 

今月号のテーマは「XR LIVE」。現実と仮想空間を融合させる技術としてXRが注目を集めています。XRとはVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)の総称のこと。バーチャル空間のなかで現実さながらに行われるライブやリアルの会場とリンクして行われるものなどその形は様々。この特集ではXR LIVEとはなにか?そして、キズナアイさん、湊あくあさん、名取さなさん、Mashumairesh!! などのバーチャルアーティストや昨年行われたXR LIVEイベント「EXPANDED」での実例をもとに、そのライブ演出や技術、配信機材などについて一線で活躍するクリエイターが解説します。

UnityやUnreal Engine、TouchDesignerなどを駆使して作るバーチャルの世界でのライブ演出ですが、カメラマンのアングル選びやステージ照明などリアルの映像制作のノウハウがかなり色濃く反映されていて、とても興味深い内容になっています。今後、メタバース上にも映像クリエイターの活躍の場が増えていきそうな期待感に胸が踊ります。

今回、特集のアドバイザーとして、クリエイターのみなさんとのパイプ役となり協力していただいたNOBUAKI KAZOEさんにもこの場を借りて感謝申し上げます。

 

 

●特集の内容

Kizuna AI The Last Live “ hello, world 2022”の舞台裏から見える

想いを繋ぎ具現化するXR LIVEの可能性

バーチャルアーティストによるライブを始め、XRによる音楽や映像表現の分野の拡大は目覚ましい。その分野のパイオニア的存在であるキズナアイのコンテンツ制作に携わってきたクリエイターに、2022年2月に開催された「Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022”」の制作プロセスや、そこから見えてきたXR LIVEの現在地を語ってもらった。

ハガヒトシ/肥田野暢也(Kizuna AI Inc.)

 

リアルな現場からアプローチする

XR LIVEクリエイション

数々のバーチャルアーティストのイベント・ライブで配信プロデュースを手がけてきた飯寄雄麻さん。XR LIVEにおいてもリアルな現場でのノウハウが多いに役立つという。ここでは飯寄さんが手がけたARライブやサンリオ初のバーチャル音楽フェス「SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland」の実例をもとにXR時代の配信技術のノウハウを解説する。

飯寄雄麻(CAMBR)

 

名取さな「さなのばくたん。」から見る

アーティストの世界観を反映するバーチャルステージ制作

さまざまなアーティストのコンサート演出映像などを手掛ける「flapper3 Inc.」。彼らによってステージ設計とライブ演出が行われた、バーチャルYouTuber・名取さなさんのライブイベント『さなのばくたん。-メチャ・ハッピー・ショー- Powered by mouse』を例に、“リアルライブのような体験”を得られるステージ作り・演出について、ライブ演出ディレクターの矢向直大さん、テクニカルディレクターの猪股芳樹さんにお話を伺った。

矢向直大/猪股芳樹(flapper3 Inc.)

 

テクニカルアーティストに学ぶ

バーチャルライブ演出の技法

バーチャルYouTuber 湊あくあからバーチャルガールズバンドMashumairesh!!など、Unityで巧みに作り上げたバーチャルライブ空間を作り出し、キャラクターに命を吹き込んでゆくテクニカルアーティスト、Murasaqi。Unityの最新のレンダーパイプラインを生かした直感的な演出のためのカスタマイズ方法から繊細な光の表現まで、幅広く現場のエッセンスを語ってもらった。

Murasaqi

 

リアルライブの照明演出と同期する

Unity上でムービングライトを制御する技術

NHK紅白歌合戦ではリアルな照明とLEDパネル内のバーチャル照明をリンクさせステージ背景に映し出された映像がそのまま舞台セットのように見えるシステムを開発したのが講師のTakaoさん。ここではリアルライブでバーチャル照明を活用するためにどんな技術が必要だったのか? 順を追って説明していただいた。

Kodai Takao

 

ライブエンタメの可能性を拡張した

XR オーディオビジュアルショーケース「EXPANDED」の
演出&配信システム

未曾有のパンデミックのなかでリアルライブが開催できない状況のなかクリエイター発信で生まれたXR LIVE「EXPANDED」。イベントを主催したCOSMIC LAB(コズミックラブ)のColo Müllerさんと同イベントに出演したBACKSPACE TOKYOの比嘉 了さんに配信システムについて解説していただいた。

Colo Müller(COSMIC LAB)/比嘉 了(backspacetokyo)

 

 

●新連載

『失敗例と改善例』で学ぶテロップの作り方

ビフォアフで学ぶ差がつくテロップ大学

TV番組のオンラインエディターを経て、日本で唯一のテロップ漫談家を自称しながら、テロップについてのノウハウを発信しているナカドウガさんがいい例・悪い例とともにテロップづくりの考え方を解説。初回のテーマは色。

 

●スペシャルレポート

SAMSUNG SSD WORLD
DJI Action 2と
Samsung microSD EVO Plusで
ポートレートムービーの BTSを撮る

中西拓也

SanDisk Professionalとクリエイターのワークフロー
ドキュメンタリー作家・岸田浩和さんの場合

 

VIDEO SALON2022年5月号は4月20日発売