(この問題、解決しました。こちらをどうぞ)
富士のX-T3というダークホースに驚いた人も多いのではないでしょうか? 姿形こそX-T2そのままで、オーソドックスでレトロな一眼スタイルですが、動画への本気度は半端ないんですから。公式サイトでは、とんでもないクオリティのムービーも上がっていたりして(ボディはたしかにX-T3ですけど、レンズが反則気味に凄すぎますけどね…)、どこまで富士は動画に本気なんだよ、という感じです。
10bit記録を実現したのは素晴らしいことで、開発陣は「F-Logもあるので、何よりも10bit記録をやりたかった」といいます(開発インタビューは10月20日売りの11月号にて)。
ただ、現状のMac環境ではH.265の10bitファイルに注意が必要なようです。
これは次号でも情報を整理しているのですが、H.265の10bitファイルは、メーカーによるときちんとメタデータは入っているそうですが、編集ソフトによっては正確にそれを認識してくれなくて、PC上で本来の階調で表示してくれません。編集部で調べたところ、今のところ、H.265の10bitを意図通りに正確に編集ソフト上で再現してくれるのは、WindowsのDaVinci Resolve 15上です。
Windowsでは10からH.265の再生にOSレベルで対応しています。
では、Macはというと、OS対応はHigh Sierraからです。さきほど最新のmacOS Mojaveにしてみましたが、状況は改善されていませんでした。
Mac上でサムネイルをみるとブラックアウトしています。左側2つがH.265、右側2つがH.264です。
まったく同じ条件で4K/30pで撮った、左:H.265(10bit)と右:H.264(8bit)のファイル。ファイルをダブルクリックしてQuickTimeプレーヤー再生したものをスクリーンキャプチャ。フィルムシミュレーションはETERNAです。H.265(10bit)はこれだけ黒が潰れてしまいます。
F-Logでも同様のことがおきます。かなり違いますよね。
これだけ違いますから、DaVinci Resolve上で開いても同じことが起きています。ビデオレンジとフルレンジの問題は、誤動作しないようにH.264もH.265も「フルレンジ」にチェック入れています。
調整すれば済むように思いますが、潰れてしまったところは持ち上げてもデータが戻ってきません。じゃあ、潰れないように撮ればいいのでは?と思うかもしれませんが、撮影時は液晶モニター上では潰れていないのでやっかいなんです。
繰り返しますが、Windows環境ではこの問題は起きません。
いい解決法ないでしょうか?
もっともこれは過渡期の問題でいずれ解消するのでしょうが、Mac環境の人が、H.265(10bit)で撮影して「X-T3の10bitって、こういう調子なんだ」と勘違いすると残念ですね。おそらくH.264とまったく同じシーンを撮影しないと気がつかないと思いますから。
では、X-T3を買った私ならどうするか。難しいですね。しばらく動画はH.264で使うと思います。それかH.265はF-Logで使うか、ですね。
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ビデオサロン10月号ではX-T3、さっそくレポートしています。ぜひお買い求めください。