イギリスのオルタナティブ・ロックバンド、プラシーボが、新アルバム用のスタジオセットでのライブ撮影に、Blackmagic Cinema Camera を使用した。ロンドンの有名なRak Studios で、1
時間に渡って行われた同セッションの模様は、近日発売予定のプラシーボの7 枚目のアルバム、
「Loud Like Love」に特典映像として収録される。


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チャーリー・ターゲット・アダムス(Charlie Target Adams)氏が監督し、Hamgman Studios の
ジェームズ・トンキン(James Tonkin)氏がプロデュースした同マルチカメラプロジェクトでは、8 台の固定カメラが使用された。このうち5 台がBlackmagic Cinema Camera。
「Blackmagic Cinama Camera の広いダイナミックレンジをもち、直接RroRes ファイルで収録
できて、美しい低コントラストの映像を得られることは、今回のようなプラシーボのライブ撮影には最適ですね。」とトンキン氏は語る。
「アダムス監督と私は過去のテスト撮影を検証して、監督は今回の撮影方法が一番だと判断しました。彼はまだ若いのですが、私と同じように”フィルムルック”をこよなく愛しています」
「撮影だけではなく、希望のルックをカメラ内で設定できるBlackmagic Cinema Camera は、私
たちにとってベストな選択でした。セッションを中断させずに通して撮影する必要があったので、事前に可能な限り計画を練っておき、当日はその計画通りに撮影を進めました」
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プラシーボのマネジメントサイドは、オーディエンスのいない非公開の状態でのパフォーマンスをそのまま見せたいと希望していた。そのため余計なものを排除して、ありのままの映像を捉える試みをした。バンドメンバー達は、あまり気が散ることもなく演奏に集中できたという。
「撮影には多くのスライダーやトラックを使用しましたが、カメラマン達はこの作品の趣旨と目的に合わせて、カメラを固定して使いました。また、Rak Studios のような狭い空間で撮影する場合、注意深く計画を立てる必要があります。映像にまとまりを持たせ、パフォーマン
ス全体をダイナミックにカバーするのに十分なカメラアングル数が必要でした。このため、使用できるレンズがある程度制限されました。プライムレンズでは美しいショットが撮れますが、1 つのショットだけを使用するわけにはいきません。プライムレンズを使うと、固定カメラでの撮影に必要な十分なラティチュードが取れないんです」(トンキン氏)
 トンキン氏にとって、このパフォーマンスをライブで撮影することが、最も難しい課題であった。
「撮影が終わるまで、どのような映像が撮れているか分かりません。しかし、Blackmagic Cinema Camera の設定とメニュー構造はとてもシンプルなので、非常に有利に働きました。すべての映像が同じルックになるよう、カメラをすばやく設定できました。それに、Blackmagic Cinema Cameraの映像は、すべてをニュートラルな状態からグレーディングできるので非常に扱いやすいですね」
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ポストプロダクションでは、Final Cut Pro で編集した後、Blackmagic Design DaVinci Resolve
でカラーグレーディングを施した。「コンテンツの撮影とグレーディングの両方に携われたことは、大きなメリットでした。ポスプロの段階で修正できる点や、どういった撮影方法と照明がグレーディングの際に最も効率的かをより深く理解できました。」とトンキン氏は結んだ。