ソニーは、4/11(月)~14日(木)に米国で開催されるNAB(国際放送機器展)でのブース公開に先立ち、フルHDを超える高解像度「Beyond HD」の実現、3D制作、HDライブ制作などをテーマに新商品を発表した。


【Beyond HD】

新開発8K CMOS搭載 Cine Altaカメラ「F65」

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F65
発売:2011年度第3四半期(10/1~12/31)

 新開発の超高解像度・大判8K CMOSセンサーを搭載し、16bitのRAWデータとして撮影。CMOSはスーパー35mmサイズ、総画素数は約2000万画素、有効画素数は約1900万画素。ラチチュード、Dレンジ、S/N比のすべてにおいてF35を超えており、従来以上に高画質で色再現性に優れた映像を得られる。また、120コマ/秒のハイフレームレート駆動に対応し、24pの映画制作なら最大5倍のハイスピード撮影、30pのテレビやCM制作なら最大4倍のハイスピード撮影を可能にする。
 PLレンズマウント面とCMOSセンサーの間にロータリーシャッターをオプションで追加でき、CMOS特有のローリングシャッター現象にも強い。4種類のNDフィルターも合わせてオプションに搭載しており、マットボックスに取り付けることなく短時間でセッティングできる。
 F65で撮影した16bitのRAWデータはSRMASTER(エスアールマスター)ポータブルレコーダー「SR-R4」を接続してSRMemoryに収録でき、ポスプロでのデジタル現像を経て、4Kや2K・HD現像、さらに将来的には4K以上での現像を行うことが可能になる。
【3D制作】

機動力を重視した二眼式一体型フルHD 3Dショルダーカムコーダー「PMW-TD300」

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PMW-TD300
発売:2011年度第3四半期(10/1~12/31)
価格:2,887,500円

 1/2型 “Exmor” 3CMOSを左右それぞれの撮影用に2つ搭載し、フルHDの3D収録を実現。レンズは左右それぞれ独立した新開発のデュアルレンズシステムで、フォーカス、ズーム、アイリスを左右で連動させて操作できる。レンズとセンサーを左右で独立させ、収録部を一体とすることで左右のカメラ調整が容易になり、リグなしで自由なアングルから機動力の高い撮影が可能になった。また、左右のレンズは中心間距離が45mm(固定)と短いため、最短コンバージェンスポイントは1.2mと短距離になり、従来の二眼式一体型3Dカメラよりも被写体に近づいて撮影できることも利点。コンバージェンスはダイヤルによりコントロールする機能を備える。
 記録フォーマット・メディアはXDCAM EXと共通。SxSカード2枚に左右の映像をそれぞれ収録し、左右で各2つずつ、合計4つのカードスロットを搭載する。2枚のメモリーカードに連続収録が可能で、64GBのカード4枚で最大400分の3D収録ができる(HQモード時)。2D撮影にも対応するが、その場合はSxSカード1枚を左側映像用のスロットに装着し、左側のレンズのみで撮影を行う。

フルHD 3D対応のNXCAM「HXR-NX3D1J」

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HXR-NX3D1J
発売:2011年度第2四半期(7/1~9/30)
価格:346,500円

 クリアビッド配列の1/4型“Exmor R”CMOSと光学10倍レンズを左右に2組搭載したコンパクトな2眼式3Dカメラ。本体質量約725gと、3D対応業務用カメラとして最小・最軽量を誇る。総画素数は約420万画素、3D撮影時の動画有効画素は約199万画素×2。小型化により基線長は31mmと短くなり、被写体に近づいて撮影ができる。
 記録メディアは内蔵メモリー96GBとメモリースティックPROデュオ/PRO-HGデュオ/PRO-HGデュオHX、SD/SDHC/SDXCカード。記録は左右のフルHDを1つのファイルに保存する28MbpsのMVC形式を採用し、1080/60i、1080/50iのほか、1080/24p記録に対応。28Mbps MVCはブルーレイ3D規格に対応するので、収録した3D映像からBDを制作することも可能。出力はフレームパッキングまたはサイド・バイ・サイドから選択できる。
 レンズは光学10倍ズーム(3D時:35mm判換算34.4~344mm)のGレンズを採用し、ハンディカムシリーズで好評のアクティブモード手ブレ補正機能を3D撮影に適合させて搭載。ズーム、手ブレ補正ともに、左右を連動して行える。
 映像の確認には裸眼3D対応(視差バリア方式)の3.5型122.9万ドットの液晶モニターを搭載。タッチパネル式で、2D表示切り替え、左または右のみの表示、L+R Mixモードも選択できる。
 音声記録はドルビーデジタルに加えリニアPCMに対応し、取り外し可能なXLRマイクアダプターを付属。入力レベル、アッテネーター、ローカットフィルターなどの設定機能も備えている。
【HDライブ制作】

マルチフォーマットコンパクトスイッチャー「MCS-8M」

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左:MCS-8M/右:LMD-1510W
MCS-8M
発売:2011年度第3四半期(10/1~12/31)
価格:693,000円

 オーディオミキサーとビデオスイッチャー、コントロールパネルが一体になったオールインワン型のスイッチャー。サイズはW42×H13×D27cmとコンパクトで、HDとSDの両方の運用に対応している。PMW-EX1Rなどのハンディカムコーダーとの組み合わせを考慮しており、液晶モニター「LMD-1510W」と併用することで、撮影からスイッチングまでコストパフォーマンスの高いHDライブ制作システムを構築できる。
 スイッチャー機能は標準で8入力/4出力、1キーヤー、1チャンネルフレームメモリー、1チャンネルDME(PinP、スライド、デフォーカス、モザイク等)を装備。HDモードでは入力がHD-SDI×4系統、HDMI×3系統、DVI-I×1系統、出力がHD-SDI×4系統、DVI-D×2系統。SDモードでは入力がSDI×4系統、アナログコンポジット×3系統、DVI-I×1系統、出力がSDI×4系統、DVI-D×2系統。フレームシンクロナイザーも搭載している。また、出力はマルチビューワー機能にも対応し、SDIまたはDVI-D端子から入力した映像を、1台のモニターで画面を4分割または10分割して確認できる。さらに3Dにも対応しており、本機1台で、左右のカメラで撮影した信号の同時切り替え・ミックスができ、切り替えた映像はサイドバイサイド信号として出力が可能。
 オーディオミキサー機能は、入力はSDIエンベデッド、HDMIエンベデッド、XLR、TRSジャック、ピンジャック、出力はSDIエンベデッド、HDMIエンベデッド、XLR、TRSジャック、ピンジャック、ヘッドホン端子を使用できる。

コンパクトな15型液晶モニター「LMD-1510W」

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LMD-1510W
発売:2011年6月
価格:99,750円

 15型WXGA(1366×768)のワイド液晶パネルを搭載。SDの液晶モニター「LMD-1410」「LMD-1420」からの置換えを想定し、14型の外形寸法に近いコンパクトなサイズになっている。入力はHDMI、ビデオ、Y/C、RGB、コンポーネントに対応。別売のSDI入力アダプター「BKM-320D」、HD/SD-SDI入力アダプター「BKM-341HS」(2011年6月発売、39,900円)を使用することでHD/SD-SDI入力(BKM-320DはSD-SDIのみ)も可能になる。業務用モニターには欠かせないマーカー、スキャン、ブルーオンリー等の機能を装備し、モニター画面の横幅に合わせて、左右の黒なしでSD入力信号を表示するフルスクリーン機能も備えている。ブライダル、CATV、医療、セキュリティなど幅広い分野で使用できる。
【その他】

有機ELパネル採用業務用モニター「PVM-2541」「PVM-1741」

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PVM-2541/PVM-1741
発売:2011年度第2四半期(7/1~9/30)
価格:(PVM-2541)627,900円/(PVM-1741)417,900円

 PVM-2541は25型、PVM-1741は17型で、RGB10ビットドライバーを搭載したフルHD有機ELパネルを搭載する。有機ELは自発光方式のため、これまでにない深い忠実な黒を再現でき、「スーパートップエミッション」のマイクロキャビティ構造とカラーフィルターによる独自の色抽出技術により色純度も向上。低輝度でも高い色再現を実現する。また、動画応答性に優れ、動きの速い映像や文字テロップのスクロール等の残像を低減し、なめらかに表現することができる。
 入力は3G-SDI×2系統、HDMI、コンポジット、オーディオの各入力信号に対応。H/Vディレイ、ブルーオンリー、オートクロマ/フェーズ、センターマーカー/アスペクトマーカー、スキャン表示、タイムコード表示、ウェーブフォーム表示、8chオーディオレベル表示など、多彩な機能を搭載する。

PMW-F3Kの別売オプション&レンズラインナップ拡充

RGB&S-LOG出力オプション「CBK-RGB01」
発売:発売:2011年度第2四半期(7/1~9/30)
価格:315,000円
3D-LINKオプション「CBK-3DL01」
発売:2011年度第3四半期(10/1~12/31)
価格:472,500円
ワイドズームレンズ「SCL-P11X5」
発売:2011年度第2四半期(7/1~9/30)
価格:661,500円
パワーズームレンズ「SCL-P11X5」
発売:2011年度第3四半期(10/1~12/31)
価格:未定
 現在発売中のデジタルシネマカムコーダー「PMW-F3」「PMW-F3L」用の各種オプションが登場する。
 RGB&S-LOG出力オプション「CBK-RGB01」はSxSメモリーカードの形で提供され、PMW-F3に装着してインストールを行う。オプション機能はRGB4:4:4(1080 23.98PsF/25Psf/29.97PsF 10ビット)での外部映像出力機能(出力は3G-SDIと1.5G Dual Linkの切り替えが可能)が追加され、HDCAM-SRやSRMASTER機器と組み合わせたハイエンドワークフローにも対応できるようになる。また同時に、内蔵ガンマにS-LOGが追加され、S-LOGモードではダイナミックレンジが800%になる。
 3Dリンクオプション「CBK-3DL01」は、F3を3Dリグに搭載した際に3D撮影を効率的に行うためのオプション。SxSメモリカード2枚(カメラ2台分)をカードスロットに装着してインストールを行う。インストール後、2台のF3を専用ケーブルで接続するとゲンロック、タイムコードの同期がかかり、1台のリモートコントロールユニットの使用で2台同時にRECスタート・ストップ、アイリス操作(別売パワーズームレンズ使用時)を制御できるようになる。
 2本のズームレンズは幅広い条件での撮影を可能にする。ワイドズームレンズ「SCL-P11X15」は焦点距離11~16mm、開放T値3.0の1.5倍マニュアルワイドズームレンズ。F3付属の3本の単焦点レンズではカバーできない広角の撮影に役立つ。もう一つのパワーズームレンズ「SCL-Z18X140」は焦点距離18~252mm、開放T値3.8の14倍電動ズームレンズで、F3本体のズームレーバーでズーミングを行える。F3付属のPLマウントアダプターを外し、本体のFZマウントに直接取り付ける。
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