6月12日、ソニーは今年のNABに発表した製品を中心に品川の本社で内覧会を開催した。
本誌独自の(勝手な?)注目ポイントしては、AX100の業務用バージョンが出るのかどうか。
家庭用CX900の業務用バージョンがXDCAM取材カメラとして参考展示
今回、参考展示されたのは、CX900の業務用バージョンと言えるモデルだった。
ベースとなるのは家庭用のHDカメラ、CX900(AX100の兄弟モデル)で、1型のCMOSセンサー、12倍光学ズームを搭載する。記録モードはXAVC(MXF)のHDで、4Kには対応しない。ボディ本体はほぼCX900から流用し、上にXLRアダプターと音声設定部が一体になったハンドルが設けられている。4K記録が割愛されたのは残念だが、AX100のHD画質はひじょうに優秀だっただけに、ある部分では上位機を上回る取材カメラになりそうだ。XDCAMシリーズの1台になる。
α7Sの動画機能は完全にプロフェッショナル仕様
プロ向けの展示会だったが、コンスーマーコーナーがあり、話題のα7Sとアクションカムを展示。2つともXAVC Sの50Mbpsという業務用途も考慮したハイビットレートを採用しており、プロの現場で使われそうだ。
有機ELは厚木で着々と開発が続けられ、今年度中に4Kのマスモニが登場
家庭用テレビ市場での有機EL開発の撤退が噂されているソニーだが、業務用としてはユーザーからマスターモニターとして求める声も大きく、開発を続けている。今回参考出品された30型の有機EL4Kモニターは、コントラスト感、視野角野広さ、動きボケの少なさは液晶とは比較にならない圧倒的な性能を見せていた。色域もBT2020の80%をカバーするという。今年度中に発売される。液晶のラインナップ同様、30、25、17型を予定しているという。
F55が放送用ショルダーカメラスタイルになる
放送現場での4Kカメラの定番になりつつあるF55は、現場の声にこたえて、より放送用カメラのショルダーに近いスタイルをとれるようなパーツを開発中。後部にはワイヤレスレシーバーをスロットインできるオーディオ部を、前部には、放送用カメラと同じようにオペレートできるスイッチ部分、下部にはショルダーパッドと、このショルダーパーツを装着すると放送用カメラ同様にオペレートできる。なかなかかっこいいスタイルだ。