今年も恒例の映画テレビ技術展が、東京北の丸公園の科学技術館で6月5日から始まった
(7日まで)。映画やテレビの現場の担当者や学生が多く来場する展示会。最新デジタル
技術だけでなく、映画カメラを実際に触れるコーナーが人気がある。今年特に気になった
新製品や参考出品をピックアップしてみよう。
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◆池上と東芝のメモリーカメラシステムが登場
4月のNABで参考出品されて話題になった、池上と東芝の共同開発によるメモリーカメラ
システムが映画テレビ技術展でもモックアップ展示された。個人で購入できるようなレベルの
製品ではなく、ターゲットは放送局だが、ソニー、松下と違う提案が放送局にどう受け入れられる
か興味深いところだ。フラッシュメモリー技術を持つ東芝が開発したGFPAKというリムーバブ
ルメモリーをメディアとして使用。容量は16GB、32GB、64GBで、S-ATA規格で高速転送
が可能。記録方式はMPEG2 4:2:2のロングGOPとIフレームオンリーで、ロングGOPは50Mbps、
Iフレームオンリーは100Mbpsだという。音声はリニアPCMの4チャンネル。
池上が開発するカムコーダーはGFCAMとネーミングされ、2/3インチの3板式。レトロループ機
能などノンリニアメディアならではの機能を採用する。
レコーダーは東芝が開発するGFSTATION。GFPAKを挿入・再生するだけでなく、本体に128G
Bのメモリーを内蔵する。アーカイブから、編集システム、送出までシステム化することで、
ワークフローを大きく変革できるとしている。
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◆放送用カメラに3.5インチ液晶モニター
ソニーでは、HDCAMカムコーダーの新製品としてHDW-790を5月より発売。同時に発表されたのが
3.5インチの液晶モニターHDVF-C35Wだ。
接眼部がある状態だと、従来のファインダーのスタイルだが、接眼部を外すと、液晶モニターが
現れる。モニター部は90度開いて(手前に起こして)、さらに上下に向けることができる。キヤノ
ンのXL H1と同様の方式だが、H1では、2.4型とやや小ぶりで液晶モニターとしては物足りない
部分もあった。このファインダーは、液晶としても3.5インチと大きめなので、両方の使い方が充
分可能だ。価格は84万円。液晶パネルはZ1JやV1Jのものとは別だという。視野も100%を確
保している。
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◆映像制作の現場には業務用のノートパソコン-という時代か?
業務用カメラにおいても、P2のようなメモリーカメラが今後は増えてくる。現状の容量ではメモ
リーの中身をパソコンに取り込み、カードは再利用するといった使い方をせざるを得ないだろう。
また、パソコンのハードディスクに素材データをバックアップできたり、映像信号を観察できると
いったPC用アプリケーションも登場してきている。収録現場にパソコンというのもそれほど珍し
い光景でなくなるかもしれない。
そんな時代を見越しているのか、NECがShieldPROという耐衝撃性、防水性、防塵性
に優れたノートパソコンを展示していた。価格は30万円から。スペックはCPUが最大でも
Core Solo2.0GHzとややもの足りないが、90cmの高さから落としても大丈夫という堅牢性は
魅力的。液晶モニター部はタッチパネル式で、タブレットPCのように回転させて液晶面を上に
畳むこともできる。
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