アドビ システムズでは9月6日に、アムステルダムでのIBC 2016開幕に先駆けてAdobe Creative CloudとAdobe Marketing Cloudに搭載予定の新機能について先行公開したが、それに合わせ、ビデオ製品についての新機能について説明を受ける機会を得たので、特に注目される「チームプロジェクト」機能についてレポートしたいと思う。
アドビ、VR、キャラクターアニメーション、3Dにおける新機能をIBC 2016にて先行公開
http://www.adobe.com/jp/news-room/news/201609/20160907-ibc2016.html
この機能はひとつのプロジェクトを複数のユーザーが同時に開き、同時に編集を行えるようにしたもので、対応するのは「Adobe Premiere Pro CC」「Adobe After Effects CC」「Adobe Prelude CC」の3製品。ソフトの構造上の違いにより、同じビデオ製品でも「Adobe Audition CC」は対象外になる。
クラウドをベースにした機能のため、プロジェクトファイルはローカルには置かず、クラウド上で管理される。そのため通常のプロジェクトファイルのような拡張子もなく、ユーザーが直接実ファイルを見ることもない。編集に利用するファイルは元ファイルも読み込めるが、プロキシファイルを利用する場合はクラウド上に置いて編集する。
この機能を利用するには、新規プロジェクトを作る際に「プロジェクト」ではなく、新しく追加される「Team Project」を選択して編集を開始する。
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次に一緒に作業する人を招待し、相手がそれに応じたら共同作業が開始。同じプロジェクトを同時に開けるといっても逐一変更がプロジェクトファイルに反映されるのではなく、手を加えたら「Share My Changes」ボタンをクリックして相手に変更したことを伝える。それを受信した相手が「最新の変更点を取得」を実行すると相手にも反映される仕組み。
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チームプロジェクトに参加できる人数の上限は現在確認中。クラウド上で使える容量は個人ライセンスで20GB、グループライセンスで100GB。100GBは3時間程度のプロキシファイルを保存できる容量。ちなみにこの機能は「Adobe Anywhere」の技術を移植して実現しているという。
ワークフローの効率化に役立つことは間違いないが、変更を頻繁に共有し合うというようなものではない印象なので、最適な活用法を模索する必要はありそうだ。
今回発表されたアップデートは年内に実施される予定。