アップル、Final Cut Pro Xのアップデートを発表。プロキシを用いるワークフローなどを強化


アップルは、Final Cut Pro Xのアップデート「Final Cut Pro 10.4.9 」を発表した。既存ユーザーには無料アップデートとして、新規ユーザーにはMac App Storeを通じて36,800円で提供される。

「Final Cut Pro 10.4.9 」は、ワークフローのリモート作業が強化され、コンテンツクリエイターの編集作業をスピードアップするパワフルな新機能が追加される。プロキシメディアの作成および管理方法の向上により、高解像度フォーマットで作業する場合、またはリモートで共同作業を行う場合のポータビリティとパフォーマンスが向上。ソーシャルメディア用の新しいツールでは、人気のソーシャルメディアプラットフォームに合わせて、ビデオをスクエア、縦型、その他のカスタムサイズに自動的にトリミングできる。

 

プロキシを用いるワークフローの強化

今回のアップデートでは、プロキシを用いるワークフローが大幅に強化され、編集作業に用いるライブラリの移動が簡単になり、巨大な高解像度ファイルを伴うリモート作業が簡素化される。Final Cut Proとしては初めて、ProRes ProxyまたはH.264コーデックを用いて、オリジナルサイズの12.5パーセントまで縮小したプロキシファイルを作成が可能。また、プロキシメディア、イメージ、オーディオの各ファイルを外部またはネットワーク接続されたドライブにまとめられるようになった。Final Cut Proのライブラリさえも作成済みのプロキシに再接続できるので柔軟性はさらに高まるという。

XMLを利用すれば、他社製のアプリケーションで生成されたプロキシメディアに接続することも可能。例としてコンテンツのレビューおよび承認作業に用いるクラウドベースのクリエイティブ共同制作プラットフォームのFrame.ioや、アセット管理ツールのKeyflow ProやPostLabなどがある。一部のクリップでプロキシメディアが利用できない場合でも、ワークフローを適応させて、オリジナルファイルまたは最適化されたバージョンのどちらでも表示するようにできる。

▲プロキシを用いるワークフローが強化され、巨大な高解像度フォーマットで作業する場合、またはリモートで共同作業を行う場合のポータビリティとパフォーマンスが向上する。

 

ソーシャルメディア向けトリミングの自動化ツール

ソーシャルメディア向けコンテンツを用意する作業もこれまで以上に簡単になる。プロジェクトで使用中の各クリップは機械学習を用いて自動的に主要な動きが解析され、Smart Conformによるインテリジェントなトリミング作業を通じて、スクエア、縦型、その他の任意サイズのビデオに変換される。これはInstagram、Snapchat、Twitterのような人気のプラットフォームに最適で、Transform Overscanによって、拡大·縮小、回転、位置を調節する際にトリミング境界の外側の部分が表示されるので、トリミングの位置合わせを簡単に行うことができる。また、Custom Overlayを追加して、横型以外のフレームにテキストやグラフィックを配置する際のガイドにできる。

▲ソーシャルメディア向けツールは、ビデオをスクエアや縦型のようなサイズにトリミングできるので、InstagramやSnapchatなどのプラットフォーム用のコンテンツ制作が簡単になる。

 

編集ワークフローの強化

ISO、色温度、露出オフセットのような ProRes RAWカメラ設定が初めてインスペクタに表示されるようになる。隣接するクリップ間のオーディオのクロスフェードもワンステップで簡単に適用できるようになったほか、新しいコンテクストメニューにより、プロジェクトを閉じたり、タイムラインの履歴を消去したり、クリップやプロジェクトを各ファイルの最終変更日に基づいてリスト表示で見やすく分類したりできる。

今回のリリースでは、RED RAWおよびCanon Cinema RAW Lightフォーマット用の新しいMetal対応プラグインでも著しいパフォーマンス向上を実現。8K RED RAWビデオをProRes 422にトランスコードする速度はMac Proで最大2倍、MacBook Proでは最大3倍まで向上します。さらに、Final Cut Proでは初めて、8K Canon Cinema RAW Lightの再生・編集も可能になった。

360°ビデオでの作業では、ステレオスコピック3Dビデオに対する手ぶれ補正を素早くこなし、360°ビューアで左右の目に対する個別のビデオストリームを使って映像を確認できる。さらに、リモートコンテンツを使った作業も、Frame.ioワークフロー機能拡張などのウェブベースのアセット管理アプリケーションからバックグラウンドでダウンロードしながら、直ちに始められる。

▲隣接するクリップ間のオーディオのクロスフェードはワンステップで簡単に適用できる。

 

MotionとCompressorも共にアップデート

Motionには新たに、プロユーザーに向けて、新しい多様な可能性を広げる機能が用意された。他社製の3Dモデルを読み込んだり、あるいは、USDZフォーマットの3Dモデルを収めた内蔵ライブラリから選んで、これをタイトル、ジェネレータ、エフェクト、トランジションに利用できる。さらに、3Dモデルの位置、回転、拡大·縮小をビヘイビアやキーフレームで操作したり、既存のリプリケータ、エミッタ、ライト(照明)、カメラを利用することで、クリエイティブの質をいっそう高めることもできる。

Motionの今回のアップデートにはStroke Filterという新ツールも含まれ、これを使ってオブジェクトやテキスト要素のアウトラインを各々のアルファチャンネルを使って自動的に得ることができる。得られたアウトラインにオフセットを設定して動かしたり、同じオブジェクトに対して複数のStroke Filterを適用したり、グラデーションツールを使って異なる色が設定された複数のストロークを作成したりできる。

Compressorもアップデートされ、カスタムLUTエフェクトのサポート、各社カメラのLUTを利用してログエンコードされた映像をSDRまたはHDR出力に変換する機能、その他のワークフロー強化につながる機能を搭載。

▲Motionは新たに3Dオブジェクトのサポートを強化。

 

◉製品情報
https://www.apple.com/jp/final-cut-pro/

Apple Japan
https://www.apple.com/jp/