ブラックマジックデザインは、CSの撮影監督トビー・オリバー(Toby Oliver)氏が、サスペンス/スリラー映画「ファンタジー・アイランド」の撮影に2台のPocket Cinema Camera 4Kを使用したことを発表した。また、FotoKemのシニアカラリスト、アラスター・アーノルド(Alastor Arnold)氏が、DaVinci Resolve Studioで同作品のグレーディングを行った。

「ファンタジー・アイランド」は、謎の男性ミスター・ロークが、孤島のトロピカルリゾートで幸運な来客たちの秘密の夢を実現させる物語。しかし、夢が悪夢に変わり、来客たちは自らの命を守るために孤島の謎を解き明かさなければならない。

「ゲット・アウト」や「トゥルース・オア・デア 〜殺人ゲーム〜」の制作スタッフを中心に、「ファンタジー・アイランド」はジェフ・ワドロウ(Jeff Wadlow)氏が監督、同氏とクリス・ローチ(Chris Roach)氏、ジリアン・ジェイコブス(Jillian Jacobs)氏が脚本、さらに同氏とジェイソン・ブラム(Jason Blum)氏、マーク・トバロフ(Marc Toberoff)氏がプロデュースを手掛けた。

オリバー撮影監督は作品全体を通して、ワイドアングルショットの撮影にPocket Cinema Camera 4Kを使用した。また、激しい戦闘シーンでは、同カメラをアクションカメラとしても使用した。

「大規模なアクションシーンは、特殊効果やスタント、衣装など、多くの要素が絡み合っています。したがって、テイク中に可能な限り撮影し、やり直しを避けることが重要です。カメラは多ければ多いほど良いですね」

とオリバー氏。

「Pocket Cinema Camera 4Kは小さいので、アクションショットの撮影では簡単に配置してユニークなアングルを撮ることができました。他のカメラの映像に入らないように撮影できたので、各テイクを最大限に活かせましたね」

オリバー氏にとって、カメラの内部収録機能は極めて重要だった。持ち運ぶ機材をコンパクトに保つことができ、カメラを狭い空間に配置してアクションシーンを撮影できるからだ。「10人以上が銃撃戦を繰り広げる大規模な戦闘シーンがあります。戦闘シーンで傭兵の一人がプールに落ちる場面では、Pocket Cinema Camera 4Kを水中に配置し、彼の落下をユニークなアングルで捉えました。後半のシーンでは、出演者の一人が小競り合いの末、落下する場面があります。そこでは、Pocket Cinema Camera 4Kをテーブルの下に配置して別の視点で撮影しました」

とオリバー氏は説明する。

「カメラのサイズと内部収録機能を活かすことで、必要なショットをすべて撮影できました。さらに、広いダイナミックレンジと高フレームレートで撮影できたおかげで、メインカメラの映像とマッチさせるのも簡単で、ポストプロダクションですべてをシームレスにできました」

と、オリバー氏。「限られた予算の中で、信頼性が高く低価格、かつ広範囲のタスクに対応できるオールインワンタイプのカメラが必要でした。Pocket Cinema Camera 4Kはまさにそのニーズを満たしてくれましたね」

FotoKemのアラスター・アーノルド氏は、オリバー撮影監督、ジェフ・ワドロウ監督と協力して、4つの異なるルックを作り上げた。来客たちの夢にはそれぞれの旅にマッチする独特なトーンがある。

「厳しい締め切りがある中でそれらのルックを作り上げる作業は、大変でしたがやりがいのあるものでした。DaVinci Resolve Studioを使用して、トビーとジェフと一緒に複数のカラーコンセプトを試し、より良いものを選択する過程は、非常に簡単で楽しいものでしたね」

とアーノルド氏は話す。

「ファンタジー・アイランド」はコロンビア映画が配給。現在は米国の劇場で上映中。

 

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