ブラックマジックデザインは、『ATEM Microphone Converter』を2月23日より発売した。価格は56,980円(税込)。
『ATEM Microphone Converter』は、アナログオーディオをデジタルに変換する新しいコンバーターで、新製品「ATEM Television Studio HD8」などのATEMスイッチャーにマイクを追加できる。MADIコネクターにはシンプルなBNCケーブルを接続できるので、複雑な設定は不要としている。
高品質な設計で、すべてのチャンネルが-129dBVと極めて低いノイズフロア、131dB(A)のダイナミックレンジ、0.002%の低歪み、均一の誤差許容範囲に対応。また、HDMIモニタリング出力は波形のスクロール表示に対応している。
ATEMスイッチャーのMADI入力を容易に拡張して、複数のマイクまたは外部オーディオミキサーを追加できる。ATEM Television StudioのMADIポートに接続するだけで使用でき、複雑な設定は不要。また、追加のユニットをデイジーチェーン接続すれば、さらなるソースを使用することも可能。
各コンバーターに搭載された4つのアナログ入力は、Mic/Lineの選択が可能で、ファンタム電源に対応している。オーディオ品質も素晴らしく、極めて低いノイズフロア、広いダイナミックレンジ、非常に低い歪みを実現。さらに、入力ごとに8つの独立したADC(アナログ・デジタル・コンバーター)を搭載しており、それらが連動することで、ダイナミックレンジを拡張する。HDMIモニタリング出力はオーディオ波形のスクロールに対応。
『ATEM Microphone Converter』は、同社の他のコンバーターと同様の設計で、高品質のアナログ-デジタルオーディオ変換に必要なアナログ・エレクトロニクス用のスペースを有している。XLR/TRS結合型の入力ソケットには、XLRおよびジャックケーブルを接続可能。MADI出力で変換後のオーディオを送信できるほか、MADI入力には複数のATEM Microphone Converterをデイジーチェーン接続できるので、5チャンネル以上のオーディオを単一のMADI接続にエンベッドできる。
『ATEM Microphone Converter』のMADI出力は、4つのアナログ入力を、MADIチャンネル1、2、3、4としてエンベッドする。搭載されたMADI入力を使用すれば、単一のMADIリンクで5チャンネル以上のオーディオが必要な場合に、複数のコンバーターをループ接続可能。つまり、2台目のコンバーターを別のコンバーターの入力に接続すれば、アップストリームのコンバーターの4チャンネルが、ダウンストリームのコンバーターの4チャンネルに重なることになる。
各アナログ入力チャンネルは、ハイダイナミックレンジのオーディオADCを駆動するためにスケーリングされた、極めて低ノイズ、固定ゲインのプリアンプを搭載。つまり、アナログのマイクプリアンプを使用しない設計であるため、ゲインのステップクリックやジッパーノイズに悩まされることがないという。
オーディオADCを1つずつ使用する従来のオーディオ業界の設計から離れ、8つのハイダイナミックレンジ・オーディオADCが1つの超ハイダイナミックレンジ・オーディオADCとして集合的に機能するアナログ-デジタル変換を各入力に実装。これにより、各入力チャンネルで131dB(A)という驚異的なダイナミックレンジを実現。
マイクコンバーターによくある問題のひとつに高いノイズフロアがあるが、ATEM Microphone Converterは超ハイダイナミックレンジの入力変換機能を使用して入力を直接変換するという設計を採用したことで、この問題を解消。これにより、RAWオーディオをスイッチャーに伝送し、そこでオーディオレベルを補正するのに必要なだけのゲインを適用できる。つまり、アナログのゲインステージに起因するノイズの混入が生じないため、-129dBVという極めて低いノイズフロアが得られるとしている。
ワイドダイナミックレンジ入力によってアナログプリアンプが不要となり、マイクレベルは極めて安定性の高いデジタルプリアンプのゲインステージによって調整される。マイクのアナログオーディオレベルはメーカーによって大きく異なるが、このデジタルゲインステージを使用することで、特定のメーカーのマイクに合わせた補正が可能となる。また、このデジタルプリアンプはフル32-bit浮動小数点のRAWオーディオビット深度で内部処理を行うため、MADIオーディオ規格よりもはるかに高い精度で調整できる。
『ATEM Microphone Converter』は、入力ごとに複数のADCを搭載する設計技術によって、各アナログオーディオ入力の仕様・許容値が非常に近くなり、全入力チャンネルの均一性がこれまでより統計的に高くなる。また、8つのADCという独特な入力設計によって、安定して一貫性のあるフラットなノイズフロアが維持され、従来のスタガ型のADCで生じていたノイズフロアレベルの変化による悪影響を受けることがないという。
HDMIビデオモニタリング出力も搭載しており、一般的なテレビまたはコンピュータモニターを接続してすべての状況を表示できる。また、過去60秒間を示す4つの波形がスクロール表示される。Mic/Lineの入力選択およびファンタム電源の設定を示すインジケーターもある。さらに、コンバーターをデイジーチェーン接続すれば、モニタリング出力はそれに適応して5チャンネル以上を表示する。
ATEM Microphone Converterの機能
- ATEM Microphone Converterでオーディオ入力を拡張
- 堅牢なコンバータースタイルの設計
- MADI接続で複数チャンネルオーディオに対応
- -129dBVと極めて低いノイズフロア
- 131dB(A)の超ハイダイナミックレンジ
- 正確な入力マッチングおよび0.002%の低歪み
- HDMIモニタリングはオーディオ波形スクロールに対応
◉製品情報
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/atemmicrophoneconverter
ブラックマジックデザイン
https://www.blackmagicdesign.com/jp