ブラックマジックデザインは、TBS系「日曜劇場」枠で放送された人気ドラマ、『キャスター』にBlackmagic DesignのカメラおよびDaVinci Resolve Studio、DaVinci Resolve Mini Panelが使用されたことを発表した。

テレビ局の報道現場を舞台にした同作では、劇中に登場するニュース番組のスタジオカメラとして、URSA Broadcast G2およびStudio Camera 6K Pro、ENGカメラとしてPYXIS 6Kが使用され、劇中のニュース映像の撮影に活用された。

『キャスター』は報道現場を舞台に、権力との軋轢や報道の使命をテーマに描かれた社会派エンターテインメント。メインキャストとして、阿部寛、永野芽郁、道枝駿佑らが出演し、現代社会の問題をモチーフにストーリーが展開されていく。作中に多く登場する架空ニュース番組「ニュースゲート」のスタジオセットでは、Blackmagic Designのカメラが使用され、Blackmagic Focus Demand、Zoom Demand、URSA Viewfinder G2、URSA Cine Handle、URSA Cine EVFといった各種アクセサリも併用された。

さらに、撮影システムとしてATEM SDI Pro ISOスイッチャー、ATEM Camera Control Panel、Blackmagic Camera Fiber ConverterおよびStudio Converterも導入された。


撮影を担当した、株式会社TBSアクトのドラマ撮影部・部長の小林純一氏はこう話す。

「劇中の報道スタジオを近未来的にしたかったので、その雰囲気に合うカメラを探していて、URSA Broadcast G2およびStudio Camera 6K Proを選びました。また取材用のカメラとしてPYXIS 6Kを使用しました。PYXIS 6Kはプロップ的な使い方が多かったのですが、スタジオカメラは劇中のニュース映像の素材として実際に収録に使用しました」

小林氏は続ける。

「スタジオのカメラはクレーンやドリーに載せて撮影したり、担いで撮ることもありました。URSA Broadcast G2は、1台で2役できるところがよかったですね。ENGスタイルとシステムカメラ・スタイルを、アダプタを入れ替えるだけで素早く変えられます。限られた機材で柔軟に対応できるのは大きな魅力です」

同撮影部の沖田祐貴氏はこう付け加える。

「Blackmagic Designのカメラはシステム構築がしやすかったですね。今回は、Camera Fiber ConverterやStudio Fiber Converterも導入し、タリーなどのいろいろな信号がケーブル1本で伝送できたので、セットアップが非常にシンプルでした」


また、今回はポストプロダクションでの効率性を重視して、現場でLUTをつけて撮影し外部レコーダーで収録された。オンライン編集にはDaVinci Resolve Studioを使用。編集はTBSアクトのエディター、門田湧也氏と甲斐龍朗氏が担当した。以前からグレーディングやビューティワークでDaVinci Resolve Studioを使っていたものの、本格的にオンライン編集で使ったのは本作が初めてだったという。

「肌の修正など、ほかの編集ソフトではレンダリングに時間がかかる作業も、DaVinci Resolveはストレスなく処理でき、大幅に作業時間の短縮につながりました」と門田氏は話す。

「目の赤みが目立つショットでは、Power Windowで目の部分にマスクを描いて、青方向に色を補正することで、赤みを消しています。こういった細かな作業もたくさん行いましたが、全体の編集時間は普段より短い印象です。試行錯誤しても、レンダリングなしですぐに再生して確認できる点も便利でした」

さらに甲斐氏はこう語った。

「ピクセル欠けがあったショットの修正や写真の差し替えをしたりしています。窓にスタッフが映り込んでしまったショットでは、同じショット内のビルをコピーして、その部分に貼り付けることうまく消すことができました。さらに、Fusionのトラッキングの精度がとても高いので、スタビライズをかけるときによく使いました。全体的なグレーディングはありませんでしたが、一部色調整が必要な部分ではDaVinci Resolve Mini Panelを使ったので、素早く細かな調整ができました」



ブラックマジックデザイン
https://www.blackmagicdesign.com/jp