ブラックマジックデザインは、『Blackmagic URSA Broadcast』のメジャーソフトウェアアップデートを発表した。

今回のアップデートでは、Blackmagic RAWのサポートが追加され、画質がさらに向上する全く新しいイメージ処理デザインを採用。他にもレンズコントロールおよびオンスクリーン・コントロールなど、多くの機能が改良された。Blackmagic URSA Broadcastアップデートは、11月よりBlackmagic Designウェブサイトでダウンロード開始予定。

「Blackmagic Camera 6.7アップデート」では、新しいデモザイクアルゴリズムも追加。URSA Broadcastカメラのセンサーレスポンスが劇的に向上したため、色忠実度およびイメージの明瞭度が高くなる。また、新しいセンサーリキャリブレーション機能がドット抜けを補正するため、全体的な画質も向上する。イメージゲインコントロールは1/3ストップずつの調整に対応。より細かなコントロールが可能となり、ノイズの少ない明瞭なイメージが得られる。

今回のアップデートでは、Blackmagic RAWのサポートもURSA Broadcastに追加された。BlackmagicのエンジニアチームはURSA Broadcastのイメージセンサー用に特殊なセンサープロファイルを開発。Blackmagic RAWはカメラがイメージをどう捉えるか認識する。Blackmagic RAWは、RAWが持つハイエンドの画質と、従来のビデオフォーマットの扱いやすさや速度、ファイルサイズを融合させたフォーマット。ノイズ管理、センサープロファイリング、エッジ再現アルゴリズムなどを用いて、高品質・視覚的ロスレスのイメージが生成される。また、作成されるファイルはサイズが小さく、すべての処理がGPU/CPUアクセラレートであるため、スピーディかつ簡単に扱えるのが特徴となっている。

すべてのデータがBlackmagic RAWファイルに保存されるので、ゲインやホワイトバランス、露出、コントラスト、彩度などのカメラ設定を撮影後に変更でき、画質が損なわれることもない。また、Blackmagic RAWでは、撮影中にLUT適用して、ファイルにメタデータとして保存でき、これによるデータ損失は生じない。つまり、驚異的なカラーの放送品質イメージを撮影して、そのままオンエアでき、カメラのRAWセンサーで捉えた全データがファイルに保存されるため、後で編集することも可能。

さらに今回のアップデートでは、B4レンズの歪み(色収差など)を補正するイメージ調整コントロールや、VTRの再マッピング機能、B4レンズ用のリターンボタンを追加。タッチスクリーンではフォーカスコントロールの長押しが可能になり、ショットのフォーカス合わせが高速かつ簡単になった。また、これまで以上に幅広い種類のB4放送レンズおよびCanon EFレンズに対応した。

SDIの入出力における720pのサポートなど、放送業界のユーザーからリクエストされた機能も新たに追加された。また、トークバックのサイドトーンも調整できるため、カメラマンは騒がしい環境で大声で話しながら、イヤホンで自分の声をミックスダウンできる。ラインレベルのマイク入力も調整可能になった。さらに、SDI入力されるタイムコードへのロックが可能になり、ジャムシンクの正確性も大幅に向上したため、再起動してもタイムコード同期が維持される。

HDRメタデータパッキング、SDIを介したHLGおよびPQ転送特性(ST2082-10)のサポートも追加された。カメラの機能ボタンも無効化および再マッピングが可能になった。HFRボタンも無効化できるため、ショット間でフレームレートが誤って変更されるのを防げる。オーディオに関しては、URSA Broadcastのオーディオアラインメントレベルが-18dBと-20dBから選択可能になった。

Blackmagic OSもアップデートされ、ゲインスライダーに1/3ストップの単位を追加。ヘッドアップディスプレイでメディアをすばやく変更できる機能や、プリセットタイムコードおよびLUTの使用状況に関する新しい「PRE」および「LUT」アイコンも追加された。さらに、2:1、1:1、5:4のフレームガイドと、カスタムフレームガイドのオプションも追加された。メディアのフォーマット用のインターフェースも改良され、より直感的な使用が可能となり、カードのフォーマットを誤って実行してしまう可能性が低くなった。

オーディオメーターのディスプレイに関しても、バリスティクスが改善され、リファレンスレベルを-18dBまたは-20dBに設定できるようになるなど強化された。

また、Blackmagic Camera 6.7アップデートで全体的なパフォーマンスも向上し、外部リファレンスまたはオーディオがエンベッドされたソースを使用する際の信頼性も高まった。さらに、オートフォーカスや自動露出を使用する際の熱管理も向上し、名前が変更されたクリップの再生も改善された。

Blackmagic URSA Broadcastアップデートの機能

  • 新しいディベイヤーアルゴリズムを含む、新しいイメージ処理パイプライン。
  • Blackmagic RAWサポートの追加により、映画制作のワークフローに対応。
  • 11種類の言語をサポート。
  • B4、PL、EFレンズのサポートを強化。
  • 720pのサポートなど、放送制作向けの新機能を追加。
  • Blackmagic OSをアップデート。オーディオメーターの改良など。
  • バグを修正、サードパーティ製機器使用時の安定性が向上。

 

 

ブラックマジックデザイン
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