昨年のInterBEEで4Kカメラのラインナップを大々的に参考出品したJVCケンウッド。先月に小型ハンドヘルドタイプのGY-HM200が発表されたが、それに続いて、レンズ交換式タイプのGY-LS300が正式発表された。ハンドヘルドタイプのビデオカメラでありながら、レンズ交換式を採用。センサーはスーパー35mmサイズの4K対応CMOSセンサーで、マウントはマイクロフォーサーズを採用している。普通に考えると、マウントに対してセンサーが大きく、ケラレてしまうのではないかと想像してしまうが、LS300では、バリアブルスキャンマッピング技術を搭載し、装着レンズに合った撮像領域を設定することができるので、最初からケラレなく撮影することができる。またマイクロフォーサーズは、動画撮影を最初から想定しているマウント規格なので、AF、AE、絞り操作はもちろん、対応レンズではズームをボディ側から制御することもできる。さらにマウントアダプターにより、多種多様なレンズを選択できるのもメリットになる。業務用ビデオカメラとしてのラインナップで、価格はオープン価格。実勢は50万円前後を想定している。
業務用4Kメモリーカードカメラレコーダー
JVC GY-LS300
オープン価格(推定50万円前後)
3月下旬発売
撮像素子には同社のグループ会社であるAltaSens Inc.が新たに開発したスーパー35㎜サイズのCMOSセンサー(総画素1350万画素)を搭載。センサーサイズを生かした高精細かつダイナミックレンズの広い映像を撮影できる。レンズマウントには、マイクロフォーサーズを採用。マウント部には電子接点が設けられ、アイリス、フォーカス、ズーム、光学手ブレ補正といった機能を本体から制御が可能。JVCでは、受注生産のレンズ交換式カメラとしてHMQ30というモデルがあったが、そちらはニコンFマウントだった。マイクロフォーサーズのレンズ群が充実し、さらに電子制御が可能ということで、マイクロフォーサーズマウントを選択したという。フランジバックは非常に短いがNDフィルターも本体に内蔵しており、1/4、1/16、1/64とクリアの4枚を切り替えられる。
▲オリンパスのマイクロフォーサーズレンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROを装着。
▲こちらは同じくオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ。電動ズームを本体のズームレバーで制御できる。
スーパー35mmセンサーにマイクロフォーサーズレンズを装着すると、当然ケラレの心配は出てくるが、独自のバリアブルスキャンマッピング技術を搭載したことで、レンズのイメージサークルに合わせて、撮像領域を切り出すことができる。ケラレの範囲はレンズによっても相当ことなり、必ずしもワイド側でケラレるということではない。1本1本試しながら、撮像範囲を決めることができる。設定で86%が4Kのドットバイドットの撮影領域で、83%がマイクロフォーサーズ相当の領域になる。
たとえばスーパー16㎜のレンズであっても、HD記録時であれば、ケラレない撮像範囲を指定することができるので、様々なレンズを活用することができる。
記録は、SDカードのダブルスロットで、H.264コーデックでMOV(QuickTime)記録、AVCHD記録に対応。解像度とフレームレートは、4K(3840×2160)で24/25/30p、記録レートは150Mbps、HD撮影時は4:2:2の50Mbpsで、1920×1080/60p記録にまで対応。
デュアルスロットにより、4Kどうし、HDどうしのデュアル記録が可能。残念ながら4KとHDのデュアルには対応していない。またスロットをまたいでの連続シームレス長時間記録、片方でRECスタート・ストップ記録しながら、もう一方でベタ撮りをするバックアップ記録にも対応している。
端子インターフェイスは、本体に3G-SDIとHDMI出力を装備。XLR入力の2端子を装備するハンドルユニットは着脱式になっており、接点はハンドル接続部に内蔵されているのでケーブルレスになっている。
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