ソニーは、米国ラスベガスにて現地時間4月14日(日)から展示が公開される国際放送機器展「NAB Show 2024」に、「Creativity Connected」をテーマに出展する。(ブース番号 C8201)

より効率的なライブ制作を支援する「Networked Live」、クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud(クリエイターズ クラウド)」、レンズ一体型4K旋回型カメラの新商品『BRC-AM7』を始めとした最新のカメラやモニターなど豊富なイメージング商品群、バーチャルプロダクションの進化を展示する。

 

主な展示内容

1. オンプレミス/クラウド・ライブプロダクション「Networked Live」

「Networked Live」は、オンプレミス/クラウドの環境を選ばず、制作機器や人などのリソースをハイブリッドに活用することで、より効率的なライブ制作を実現するソリューション。今回の展示では、限られた回線帯域でも映像伝送やリモート制作を可能とするソリューションや、小規模から大規模システムまで、柔軟にシステム拡張が可能なソリューションの活用例を展示する。

「Networked Live」の進化として、メディア・エッジプロセッサー『NXL-ME80』 の新しい機能(ファームウェア V1.1)(2024 年夏提供予定)を展示。プライベート5G通信環境で、同機と リモートプロダクションユニット『CBK-RPU7』を組み合わせて受信機として動作できるようになる。同ファームウェアは、超低遅延モードのチャンネル増加に加え、映画制作で需要の高い24pフォーマットにも対応する。

また、子会社のNevion社から新たに提供開始した、ソフトウェアベース IPメディアノードの100G伝送アドオン『Virtuoso UplinX』と、従来モデルから小型化を実現するソフトウェアベース IPメディアノード 『Virtuoso RE』を展示。本アドオンを用いることで、ソフトウェアベース IPメディアノード『Virtuoso MI』は100G伝送にも対応。

なお、ソフトウェアスイッチャー「M2L-X」は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)社のLive Cloud Productionの一部として、AWSブース(ブース番号 W1701)にも展示される。

 

2. クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」

クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」は、クラウド技術と多様なカメラ、通信技術、AI、メタデータなどを組み合わせることで、新たな映像表現や効率的な制作を実現。法人・個人向けとしてさまざまなサービスを展開しており、個別に使用することも、複数のサービスを連携して使用することも可能。

ブースでは、「Creators’ Cloud」を活用した、報道機関(ニュース)、映像制作(プロダクション)、ライブ中継、AI活用における事例を展示。

ニュース制作の事例として展示する法人向けのクラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」では、制作ワークフローを効率化し、ノンリニア編集コラボレーションを強化するアップデートを提供。 Marquis Broadcast社のワークフローソフトウェアシステムMedway と新たに連携し、「Ci Media Cloud」からAvidシステムへコンテンツの自動取り込みが可能になる。これにより、大量の素材を扱う映画やドラマ、リアリティー番組などで、素材確認から編集開始までの作業工程を削減可能です。Colorfront社のColorfront Transkoderとも新たに連携し、VFX制作用のファイル生成を自動化することができるようになる。

また、ネットワークRXステーション『PWS-110RX1A』(既存機種)の機能を継承し、QoS(Quality of Service)による安定したライブストリーミングを可能にする、PCベースアプリケーション「PWA-RX1」も展示(2024年夏発売予定)。クラウド経由で素材を伝送可能な「C3 Portal」と組み合わせて使用することで、SDI 出力が必要な状況ではストリーミングサーバーとして使用できる。さらに「C3 Portal」は、Teradek、LiveU、TVU Networksに加えて、DejeroおよびHaivisionと組み合わせて使用できるようになる。

スポーツ制作の事例では、「M2 Live」と「A2 Production」の連携によるスポーツハイライト自動生成から配信までの一連のワークフローを展示。「M2 Live」の最新バージョンV1.3ではオーディオミキサーの機能を新たに強化。

個人向けの「Creators’ Cloud」においても、「Monitor & Control」 のver.2.0.0を先行展示(2024年5月以降提供予定)。ショートフィルムやドキュメンタリーなど、小規模なチームで撮影する映像クリエイター向けに、最大4台までのマルチカメラモニタリング機能(iPadOS用)、モニタリングの全画面表示機能、アナモフィックレンズ向けのデスクイーズ表示機能、フォーカスマップのモニタリング表示などのアップデートを提供する。

 

3. 新たな旋回型カメラやモニターなど最新かつ豊富なイメージング商品群

AI 技術による高度な認識機能で、正確かつ自然な自動追尾撮影を可能にする、レンズ一体型4K旋回型カメラの新商品『BRC-AM7』を展示。4K 60pでの高精細撮影を実現する1.0型のCMOSイメージセンサーを搭載し、AIアナリティクスによるPTZ オートフレーミングにも対応。

また、ソニーのシステムカメラやスイッチャーとの連携や、ソニーのカメラと容易にカラーマッチングできる優れたシステム構築性を備えています。本商品は2025年初頭に発売予定で、今回はプロトタイプを展示。フラッグシップモデルのCineAltaカメラ『VENICE 2』や新発売の『BURANO』、FXシリーズの最新アップデートも展示する。

プロフェッショナルモニターシリーズの3機種(PVM-X3200, PVM-X2400, PVM-X1800)は、2024年夏に公開予定のファームウェアVer 5.0のアップデートを先行展示します。 本アップデートにより、HDRとSDR間の同時ビデオ制作、自動 4K/HD SDI 設定を含むHDR最適化機能、詳細な黒の明るさ設定、インターレースモード対応を実現。

さらに、2024年秋に発売予定の新しいモニターコントローラー『BVMK-R10』のプロトタイプも展示。中継車やスタジオでの使用に最適化された照光式ボタンと、1.3型メニューディスプレイの文字表示のデモを行う。

プロオーディオ分野では、デジタルワイヤレススロットインレシーバー『DWR-S03D』に接続可能なアダプター『DWA-F03D』を展示。本アダプターは、2024年夏に発売予定。

 

4. バーチャルプロダクション

バーチャルプロダクション制作をサポートする「Virtual Production Tool Set」の次期バージョンを先行展示し。次期バージョンでは対応カメラの追加や、Unreal Engineを使った仮想空間のカメラ設定と現実の『VENICE』シリーズの設定間の同期、タブレット経由でのバーチャルカメラ管理機能の追加などを予定。

バーチャルプロダクション向けLEDディスプレイの最新機種として、深い黒の映像表現と低反射性能を同時に実現するCrystal LED VERONAを展示します。アスペクト比1:1のディスプレイキャビネットは、撮影シーンに応じて柔軟かつ精度の高い設置が可能で、リアルな仮想空間を創り出す高画質性能と映像制作の効率化を実現。

会場では、南カリフォルニア大学Entertainment Technology Centerの最新短編映画プロジェクト「EUROPA」 の作品を通し、デジタルシネマカメラ『VENICE』対応の「Virtual Production Tool Set」を利用した、プリプロダクションと撮影を一貫した色管理で撮影できるワークフローを紹介。加えて、放送番組制作向けのマルチカメラスイッチングを実演する。

 

NAB Show 2024
https://nabshow.com/2024/