NHK放送技術研究所(技研)の最新の研究成果を一般に公開する「技研公開2019」が、5月30日(木)〜6月2日(日)の4日間の日程で開催される。入場料は無料。

第73回となる今年のテーマは「ワクからはみ出せ、未来のメディア」。3DテレビやAR・VRを活用した、従来のテレビのワクを越えた視聴サービスを実現する技術など24項目の研究成果を展示。表現空間を拡張した多様なコンテンツやサービスの実現を目指した「リアリティーイメージング」の研究成果からは、高精細VR映像や、AR技術を活用したテレビ視聴サービス技術などを展示が予定されている。また、8Kスーパーハイビジョンや3Dテレビの最新技術を3件発表する。

その他、5月30日(木)に基調講演、31日(金)に技研職員によるプレゼンテーションや、講堂8Kシアターでのコンテンツ上映も実施予定。6月1日(土)、2日(日)には、研究員によるガイドツアーやこどもワークショップなどのイベントも開催される。

 

発表1 8Kワイヤレスカメラを開発〜スポーツ中継や音楽番組の臨場感あふれる8K番組制作に向けて〜

世界初となる8K映像の無線伝送が可能な8Kワイヤレスカメラを開発。8Kカメラの映像信号を無線伝送する送信機の送信技術SC-FDE方式を用いることで、持ち運びが容易な小型化を実現。可搬型の8K映像符号化装置と組み合わせて使用することで、ミリ波の電波で約100mの距離まで185Mbpsの8Kカメラの映像を伝送できる。▲8kワイヤレスカメラ(左)と小型送信機(右)

 

発表2 毎秒120コマの8K映像ライブ制作・衛生伝送

世界初となる、8K 120Hz映像のライブ制作・衛生伝送の公開実験を行う。中継現場では、フレームレート120Hzに対応した8Kカメラ、中継車を用いてコンテンツ制作を行う。制作したコンテンツを、HEVC/H.265方式による映像符号化装置で圧縮し、広帯域・大容量伝送が可能な21GHz帯中継器を搭載したBSAT-4a衛星を用いてライブ伝送する。

▲8K 120Hz映像のライブ制作伝送実験の系統

 

▲8K 120Hz対応のカメラ(左)と中継車(右)

 

発表3 広い市長範囲の個人視聴用インテグラル3Dテレビ

今回開発したインテグラル3Dテレビは個人視聴用のシステムで、見ている人の目の一を検出することにより、視聴位置に応じた3D映像を広い範囲で表示します。水平方向の視聴範囲を約80度まで、垂直方向の視聴範囲を約45度まで広げることに成功。


▲広い視聴範囲の個人視聴用インテグラル3Dテレビの原理

 

第73回技研公開
開催期間:2019年5月30日(木)~ 6月2日(日)午前10時~午後5時
会場:NHK放送技術研究所(東京都世田谷区砧)
入場:無料

◉詳細情報
https://www.nhk.or.jp/strl/open2019/