ニコン、デジタル一眼レフカメラ『ニコン D780』を発表。フルフレームでの4K UHD/30p動画撮影に対応。HDMIから10bit N-Log出力も。


株式会社ニコンは、ニコンFXフォーマットデジタル一眼レフカメラ『ニコン D780』を1月24日より発売する。予約販売受付は、1月9日10時より開始。価格はオープンで、市場想定価格は27万円前後。

『ニコン D780』は、進化したAFシステムをはじめ、プロフェッショナルモデルから引き継いだ高い性能や、多彩な機能を搭載したデジタル一眼レフカメラで、「ニコン D750」(2014年9月発売)の後継機種。ファインダー撮影用に51点AFシステムを搭載。ライブビュー撮影には、「ニコン Z シリーズ」に採用したハイブリッドAFシステムを「D780」用に最適化し、ニコンのデジタル一眼レフカメラとして初めて搭載。ファインダー撮影時、ライブビュー撮影時ともに一段と高度なAF性能を発揮するとしている。

有効画素数2450万画素、像面位相差AF画素搭載の裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジン「EXPEED 6」を採用。最高常用感度ISO 51200を達成し、高感度でも解像感を保ちながら効果的にノイズを低減する。

動画機能は、4K UHD対応のHLG(Hybrid Log-Gamma)方式のHDR動画撮影にも対応。シャッタースピードは1/8000秒~最長900秒(15分)まで露光時間を設定することが可能。バッファーメモリーも大容量化し、最高約7コマ/秒の高速連続撮影時には14ビットロスレス圧縮RAWでも「D750」の約4倍となる約68コマの連続撮影ができる。

ファインダー撮影時の位相差AFを採用した51点AFシステムには、フラッグシップモデルである「ニコン D5」(2016年3月発売)のAFアルゴリズムを最適化して搭載。さらに、進化したアドバンストシーン認識システムにより、動体追尾性能も向上しているという。また、ニコンのデジタル一眼レフカメラとして初めて像面位相差AFを採用。ライブビュー撮影時には、像面位相差AFとコントラストAFを状況に応じて自動的に切り換えるハイブリッドAFシステムが、撮像範囲の水平、垂直約90%の広範囲をフォーカスポイント273点でカバーする。動画撮影時にスムーズで高精度な追従性能を発揮するほか、静止画撮影時には、瞳を検出しピントを合わせる「瞳AF」がポートレート撮影の自由度を飛躍的に高める。

主な動画撮影の特長

・全画素読み出しのフルフレーム4K UHD、フルHD 120p/100pにも対応

[FXベースの動画フォーマット]フルフレームでの4K UHD/30p動画撮影に対応し、広角レンズや魚眼レンズのワイドな画角を活かしたユニークな映像表現が可能。4K UHDは全画素読み出しによる豊富な情報を活用しEXPEED 6との連携で解像感の高い映像表現を実現。感度域は静止画と同じISO 100-51200(高感度側はISO 204800相当まで拡張可能)。暗いシーンでもノイズの少ないクリアーな映像が得られる。4K UHDはスーパー35mm相当の[DXベースの動画フォーマット]でも記録できる。自動で4倍と5倍のスローモーション動画を撮影できる「スローモーション動画」機能のほか、音声も収録できるフルHD120p/100p撮影で、ユーザーニーズに応じた動画素材も得られます。新採用のハイブリッドAFシステムが231点のフォーカスポイントで撮像範囲を広くカバー。AF速度とAF追従感度のカスタマイズと組み合わせることで表現意図に合わせた動画撮影を実現。動画撮影中にシャッターボタンを押すことで静止画の同時記録も行える。

・発色の美しい色鮮やかな映像表現、4K UHD対応のHDR(HLG)動画出力

10 bitでのHDMI出力時には、HDR放送などで使われているHLG方式の撮影に対応した4K UHDのHDR(HLG)動画出力が可能。豊かな階調情報によりハイライトとシャドーの階調飛びを抑えた色飽和の少ない鮮やかな映像表現を実現。N-Logで記録した動画をHDRに変換する手間が省けるため、ハイエンドのワークフローの高速化にも貢献。外部レコーダーがHLG非対応の場合でも、簡易的な階調補正を行うビューアシスト機能を使うことにより、カメラの画像モニターでも色や明るさを確認することが可能。

・本格的な映像編集に応える豊かな階調表現、10bit N-Log

ニコン独自のN-Logが使用できる。12段、1300%の広いダイナミックレンジを活かした、暗部、ハイライト部の豊かな階調情報が得られるため、滑らかな階調表現、色飽和の少ない広い色空間を活かしたカラーグレーディングが可能。撮影時に簡易的な階調補正を行い、標準的な映像として表示する「ビューアシスト」機能も搭載。

・フルHD動画の表現力を拡げる「スローモーション動画」機能

D780は[画像サイズ/フレームレート]に、新たに[1920×1080 30p 4倍スロー]、[1920×1080 25p 4倍スロー]、[1920×1080 24p 5倍スロー]を搭載。4倍スロー(画像読み出し時120/100p、記録・再生時30/25p)、5倍スロー(画像読み出し時120p、記録・再生時24p)の動画をカメラまかせで撮影でき、フルHDでドラマチックな映像表現が可能。最長記録時間はいずれも3分。最長再生時間は4倍スローが12分、5倍スローが15分。

・思い通りのフォーカシングを実現、AF速度・AF追従感度設定

D780は新たに採用した像面位相差AFにより、動画撮影時のAF速度とAF追従感度をカスタマイズできる。AF速度は11段階から設定でき、低速にするとゆっくりとピントを合わせるシネマライクな映像表現が可能。7段階から調整できるAF追従感度を低感度に設定すると、カメラと被写体の間に障害物が入り込んだ際のフォーカス移動を防ぐのに有効。

▲AF速度(左)、AF追従感度(右)

 

◉製品情報
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d780/

株式会社ニコン
https://www.nikon.co.jp/

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