産地貢献のため、職人にフォーカスした動画作成や後継者インターンシップなどを手がける株式会社ニッポン手仕事図鑑が、2025年1月23日、日本のものづくりや手仕事にフォーカスしたドキュメンタリー映像を募集する「ニッポンものづくりフィルムアワード2024」を八芳園にて開催した。
応募総数63作品から、受賞作を含む45作品が一次選考を通過。授賞式では、グランプリと準グランプリ、特別賞を含めて計7作品の表彰を行い、齋藤汐里さんの制作した『THE LIFE ARTIST ~塩匠・井上雄然~』がグランプリに輝いた。
「ニッポンものづくりフィルムアワード」
「ニッポンものづくりフィルムアワード」とは、ニッポン手仕事図鑑主催の映像コンペティション。日本が誇る文化や地域の伝統産業(作り手)にフォーカスを当てるだけでなく、各地の映像クリエイター(伝え手)が世に出る機会を創出することを目的としている。2019年に第1回を開催、今回で2回目の開催となった。
今回は、「今、会いに行きたい作り手の声」をテーマに作品を募集。「作品が好きだから」、「人柄がいいから」、「工房から見える景色がいいから」など理由はさまざま。会いに行きたい理由は問わずに、ビデオグラファーの思いを通して魅力ある作り手の姿を映した作品が揃った。
また、同アワードの審査基準は、映像作品としてのクオリティだけではなく、フォーカスする作り手の選定を含めて「会いに行きたい理由が伝わってくるか」、「作り手の声が届いてくるか」といった観点から審査が行われた。
2024年8月1日より作品を募集開始し、11月末日まで日本全国各地から応募が続々と集まり、応募総数は63作品に。選考を12月1日〜25日の期間で行い、厳しい選考を通過した45作品の中から選ばれた計7作品が2025年1月23日に発表・表彰された。
審査員
・「プロフェッショナル 仕事の流儀」チーフ・プロデューサー 横山友彦
・VIDEO SALON(ビデオサロン)編集長 萩原亮
・プロデューサー・映画監督 石井かほり
・松竹 プロデューサー 田渕みのり
・BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター 鈴木修司
・ニッポン手仕事図鑑 編集長 大牧圭吾
特別審査員
・俳優 黒木瞳
・放送作家 小山薫堂
受賞結果
グランプリ
作品名『THE LIFE ARTIST ~塩匠・井上雄然~』
制作:齋藤汐里

<受賞者コメント(抜粋)>
お塩って、どの家庭でもあると思いますが、それが愛着あるものに変わったことが衝撃。私は、それこそが日本のものづくりの伝統の継承になるのではないかと感じました。土地ごとに、長年培ってきた伝統技術や伝統工芸があると思います。でも長年住んでいると当たり前の景色になっていくことが多いと思います。でも、そのもう一歩先に「どういう職人がどんな風に作っているんだろう」と思いを馳せる時間があることで、伝統に対して興味を持ち、愛着が湧く。感情のグラデーションを作ることが、伝統技術を絶やさないこと、ひいては次の世代に残すことに繋げるヒントになるのかなと思いました。
私自身、映像の作り手として感じたのは、映像はボーダーレスなツール。日本にいても海外の方に手仕事の良さを伝えられる。なので、ぜひ映像クリエイターと職人さんが手を取り合って、魅力を伝え続けられるといいなと思います。
準グランプリ
作品名『器而庵 大子漆と八溝塗の100年先に続く産地をつくる』
制作:立原裕之

特別賞
作品名『世界の海へ、ウッドルアー職人|魚(ぎょ)じゃらし工房」』
制作:TWIN 三好雄介

作品名『シミズ時計店〜時を紡ぐ店〜』
制作:飯島偲文

作品名『日常の美しさをこっぱ人形に宿して』
制作:KINONE

作品名『外国人初の刀鍛冶』
制作:産経新聞社 土谷耕二

作品名『ECHIZEN KNIFE ARTISANS』
制作:合同会社ミミヨリデザイン

詳細
https://nippon-teshigoto.jp/award2024