「ぴあフィルムフェスティバル」は、“映画の新しい才能の発見と育成”がテーマの映画祭。インディペンデント映画の面白さを広く伝えるために1977年から実施されている。

国立映画アーカイブを会場に、今年は 9 月 9 月~9 月 23 日まで開催される。さらに 10 月 14 日~10 月 22 日までは京都文化博物館での開催も決定している。

コンペティション部門の「PFFアワード2023」では 557 本の応募作品の中から入選した 22 作品をスクリーン上映する。上映後は、監督を迎えてのトークを実施。来場者の投票で決まる「観客賞」は、9 月22 日の表彰式で発表される。表彰式では、5 名の最終審査員の選ぶグランプリ他、8 賞が発表され、翌23 日には、グランプリ、準グランプリの上映を行う。なお、入選作品は、9 月 9 日~10 月 31 日まで「DOKUSO 映画館」と「U NEXT」でもオンライン配信される。

招待作品部門の「イカすぜ! 70~80 年代」は自ら生み出す自主映画の熱風渦巻く 70~80 年代に焦点を当て、「どんな人たちが、どんな映画が、風を起こしていたのか?」といった観点から作品を上映。2028 年の第 50 回 PFFに向けて、10 年区切りで自主映画のみならず当時の傑作の数々を上映し、時代をや歴史を体感する企画を今回からスタートする。

「アルノー・デプレシャン監督特集」では緻密な人間心理の観察と、独自の言葉と行動を紡ぐ比類なき演出で、着実にキャリアを積む名匠アルノー・デプレシャンを 27 年ぶりに迎え、初期作品と転換期作品について、監督自身のトークも交えながら振り返る企画。

「ピーター・バラカン氏による音楽映画シリーズ『ブラック&ブラック』」は、大スクリーンでブラックミュージックを堪能する企画で、今年で 5 年目の実施となる。今回は、企画スタート時からバラカン氏が熱くリクエストしていた『ワッツタックス』の上映が、デジタルで実現。字幕は 1989 年公開時のものを更にブラッシュアップしている。

特別企画は「生誕 120 年・小津安二郎が愛したふたり」。小津がこころから愛し、尊んだ清水宏と山中貞雄作品を上映し、小津スピリッツを伝承する。清水宏は乗合バスを通して戦前と前後の日本を鮮やかに描き、山中貞雄監は28 歳で戦場に果てた天才監督。日本映画の至宝作をスクリーンで楽しむことができる。

もうひとつの特別企画は「20 代監督の衝撃作!」。シャンタル・アケルマン監督の『ジャンヌ・ディエルマンブリュッセル1080 、コメルス河畔通り23 番地』とグザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』を上映する。

さらに、PFF が企画、製作、公開までトータルで映画をプロデュースする「PFF スカラシップ」では、『Journey to the 母性の目覚め』でPFF アワード2021 審査員特別賞を受賞した、岡田詩歌監督の新作『恋脳Experiment』を世界初上映する。

8 月 9 日のラインナップ発表会に参加した大森一樹監督の長女・大森美季氏(左)、特別上映「山中 瑶子『あみこ』への道」の山中瑶子監督(中央)、そして第 29 回 PFF スカラシップ作品『恋脳Experiment』の岡田詩歌監督(右)。

■開催概要

【東京】
期間:9 月 9 日~9 月23日
会場:国立映画アーカイブ 月曜休館

【京都】
期間:10 月 14 日~10 月 22 日
会場:京都文化博物館 月曜休館

【公式サイト】
https://pff.jp/45th/

【チケット】
チケットぴあにて 発売中

■実施企画

<コンペティション部門>

①PFF アワード2023

<招待作品部門>

②イカすぜ!70~80 年代
・大森一樹再発見
・斎藤久志再発見
・日比野幸子プロデューサー再発見
・山中瑶子『 あみこ』 への道
・塩田明彦監督がみつめる相米慎二の少年少女
・アルノー・デプレシャン監督『 女囚701 号 さそり』 を語る
・驚異のデビュー作
・『 陽炎座』 4K デジタル完全修復版 ワールドプレミア上映

③アルノー・デプレシャン監督特集

④ピーター・バラカン氏による音楽映画シリーズ「ブラック&ブラック」

⑤特別企画
・生誕120 年・小津安二郎が愛したふたり
・20 代監督の衝撃作!

⑥第29 回PFF スカラシップ作品
『恋脳Experiment 』 世界初上映