《リフレーミング》2021 年(新作)  (c) Chikako Yamashiro Courtesy of Yumiko Chiba Associates
report◉御木茂則

 

沖縄在住の映像作家・山城知佳子さんの新作『フレーミングの紹介です。

 

会場は東京都写真美術館、開催期間は2021年8月17日(火)~10月10日(日)です。

 

私は『フレーミングの撮影で参加をしています。

 

「傑作はそれだけが単独で生まれてくるのではないですから。傑作とは、長い間大勢の人々がともに考えたことの成果なのです。したがって、一つの声の背後には、大勢の人々の経験があるのです」

 

 100年前の作家ヴァージニア・ウルフが書いた言葉です。沖縄の人々が古今考えてきたことは、山城さんの心と身体へ堆積をして『フレーミングが生まれました。

 

 展覧会「山城知佳子 フレーミング」は、新作と『土の人』を始めとする代表作を組み合わせた大規模個展です。期間中は感染予防対策でオンライン予約を推奨しています。

 

◉会場:東京都写真美術館
◉開催期間:2021年8月17日(火)~10月10日(日)
 休館日:毎週月曜日(ただし8/30, 9/20は開館)、9/21
◉料金:料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/中高生・65歳以上 350(280)円 ※( )は当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引料金。各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。各種割引の併用はできません。 ※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、年間パスポートご提示者は無料。
[東京都写真美術館HPよ引用]
 映像・写真を主たるメディアとして、2000年代から精力的に作家活動を進めてきた山城知佳子(1976-)は、生まれ育った沖縄の歴史や地政学的状況と自身との関係に向き合うことを通じて、見過ごされ聞き過ごされてきた声や肉体、魂を伝える作品を手掛け、国内外で高く評価されてきました。
 山城が生み出す映像は、見る者の身体感覚に訴えかけるイメージの豊饒さと詩性、そして同時代を見つめる批評的な視点を絶妙なバランスであわせ持つがゆえに、沖縄という特定の地域の問題に留まらず、広い文脈での読み込みや解釈に開かれています。
 公立美術館初個展となる本展では、初公開となる山城の最新作を、収蔵作品を中心とした過去の代表作品と組み合わせて紹介します。単に時系列に沿って作品の変遷をたどるのではなく、相互に共鳴する主題やモチーフの連なを、展示室内を回遊しながら巡る構成とします。
 「フレーミング」とは、ものごとを見ている枠組みを変え、別の枠組みで見直すことを指してお、写真・映像によって故郷沖縄の風景を新たな視点でとらえなおし見つめていくという、山城作品に通底する姿勢を象徴します。本展は、映像アーティスト・山城知佳子のミッドキャア個展として、その作品世界を総覧するはじめての本格的な機会となます。

 

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