ヒビノ、 大型バーチャルプロダクション撮影に特化したLEDディスプレイ・システム「Ruby2.6F」のレンタルを開始

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▲大型バーチャルプロダクション撮影に特化した「Ruby2.6F」

ヒビノ株式会社は、大型のバーチャルプロダクション撮影に特化したLEDディスプレイ・システム「Ruby2.6F」のレンタルを開始した。

「Ruby2.6F」は、極めて反射の少ないマットな表面と優れた色再現能力で、高品質なバーチャルプロダクションを実現するROE Visual製ハイエンドLEDディスプレイ・システム。同社は、世界に先駆けて導入し、現在放送されている大河ドラマ『どうする家康』(NHK)の撮影より運用を開始している。

●バーチャルプロダクション「インカメラVFX」とは

バーチャルプロダクションとは、LEDディスプレイ・システムを活用した撮影技術。スタジオに設置したLEDディスプレイにCGの仮想空間や実写のロケーション映像を映し、その前の被写体と合わせて撮ることで、実際にそこで撮ったかのような自然な合成映像をリアルタイムにつくりだす。最新鋭のバーチャルプロダクションである「インカメラVFX」は、位置センサーを付けたカメラの動きに3DCGを連動させ、映像をリアルタイムに変化させることで、リアルな奥行き表現をもつ合成映像を撮影することができる。

●ヒビノによる国内インカメラVFXの実現と背景

同社は、2021年7月、国内業界に先駆けてインカメラVFX撮影に特化したバーチャルプロダクションスタジオ「Hibino VFX Studio」を開設。自社スタジオによるサービス提供と、外部スタジオに向けたバーチャルプロダクションシステムの企画、レンタル、設置、オペレーションを行っている。

バーチャルプロダクション事業を推進するヒビノビジュアル Div.は、日本のコンサート・イベントの黎明期から業界をリードする大型映像サービスのパイオニア。最新鋭の大型映像機器を世界屈指の規模で保有し、大規模コンサートを中心に展示会、企業イベント、スポーツ大会、コンベンション、博覧会など幅広いマーケットに大型映像システムの企画立案、レンタル、オペレーションを行っている。

インカメラVFXの特徴として、「高い合成品質による自然な映像表現」、「場所や天候、時間の制約を受けず、ロケーション移動も不要」、「エキストラの削減」、「ポストプロダクション編集の負荷軽減」、「大規模なスタジオセットをLEDディスプレイに置き換えることによる廃棄資材の削減(環境負荷の低減)」などが挙げられる。よりリアルな映像をより低負荷に実現するインカメラVFXは、映像制作業界のさまざまな課題を解決する“新しい映像制作ワークフロー”としてCM、ミュージックビデオ、テレビ番組などへ導入を拡げている。

●導入実績例 大河ドラマ『どうする家康』(NHK)

『どうする家康』は、時代劇の映像表現を革新し、戦国時代の景色を変えることを目的にバーチャルプロダクションが取り入れられた。大河ドラマの撮影で大々的にバーチャルプロダクションが活用されるのは、本作が初めてとなる。まだ誰も見たことのない新しい戦国の映像表現を実現するため、受注が決定した。

ドラマの撮影には複数のスタジオが使われており、各拠点に最適なバーチャルプロダクションシステムを企画し、レンタル及びオペレーションを行なっている。

<撮影拠点、当社LEDディスプレイ・システム>

角川大映スタジオ ROE Visual「Ruby2.6F」(幅27m×高さ6m、10,368 pixel×2,304 pixel)※2022年12月以降

ROE Visual「Ruby2.6F」(幅16.5×高さ6m、6,336 pixel×2,304 pixel)※2022年11月末まで

緑山スタジオ・シティ ROE Visual「Ruby2.6F」(幅20m×高さ5m、7,680 pixel×1,920 pixel)
NHK放送センター ROE Visual「Ruby2.6F」(幅20m×高さ6m、7,680 pixel×2,304 pixel)※2023年3月末以降

ROE Visual「BlackOnyX2」(幅20m×高さ6m、7,040 pixel×2,112 pixel)※2023年3月末まで

NHK名古屋放送局 ROE Visual「BlackOnyX2」(幅16.5m×高さ5m、5,808 pixel×2,112 pixel)

 

▲角川大映スタジオ(画面サイズ:幅27m×高さ6m)
▲緑山スタジオ・シティ
▲NHK名古屋放送局

従来の大河ドラマでは、オープンセットや野原、森林などを使いロケーション撮影されていたシーンの多くを、『どうする家康』はスタジオで撮影。バーチャルプロダクションを活用することで、従来のオープンセットでは難しかった各国の文化の違いや変化を空や城下町の空気感も含めドラマチックに表現することが可能となった。

撮影時には、カメラを通した映像を馴染みよく仕上げるため、ワンシーン、ワンカットずつ環境に合わせてLEDディスプレイの色を調整し、仮想と現実の境を極限まで消した「一つの世界」を作り上げている。適格な調整を手早く行うことで、バーチャルプロダクションの導入によって新たな調整時間を発生させたり、撮影の流れを止めたりすることなく、高品質で安定した撮影の実現に貢献している。

インカメラVFXを活用した見どころの一つに、角川大映スタジオに幅27メートル、高さ6メートルのLEDディスプレイ・システムROE Visual「Ruby2.6F」を設置して撮影した大スケールの合戦がある。

大規模な3DCG(戦国の世界)とCGで制作された大量のエキストラ(兵)をカメラの動きに連動させてリアルタイムに描画し、スムーズかつ高画質に動かすため、大規模なバーチャルプロダクションシステムを構築し高負荷なリアルタイム処理を高い精度にて安定して実現。この大規模な合戦は、4月23日に放送された。

バーチャルプロダクションは、成長期にある新しい技術であるため、今回の撮影期間中にも機材及びソフトウェアのアップデートを重ねている。バーチャルプロダクション事業として、システム、撮影期間ともに過去最大規模の案件となる中、アップデートや日々のメンテナンスによって一度のシステムトラブルもなく11ヵ月以上、安定したバーチャルプロダクションを提供。また、今後の取り組みとして、新しいカメラトラッキング・システムを組み込んだインカメラVFXの検証を進めており、まだ誰も見たことのない新たな戦国の映像表現が、この先の放送でも登場する予定。

 

◉ヒビノ株式会社
https://www.hibino.co.jp/