シャープは法人向け8Kソリューションを創出する核となる商談スペース「8K Labクリエイティブスタジオ」を東京ビルにオープンすると発表した。 「8K+5Gエコシステム」をテーマとする専用の商談室を開設するのは、 業界で初めてとなる。

「8K Lab」は、 シャープの8K技術開発、 8Kビジネスの関連組織からなる組織横断型プロジェクトで、 昨年12月14日に発足。 「インフラ保守」「セキュリティサービス」「スマート会議」「ゲーム・エンターテイメント」「遠隔医療・手術支援」「運転サポート」「教育支援」「スマートホーム」の8つの事業分野におけるソリューションを開発する。 社外のパートナー企業とも密接に連携しながら、 顧客企業と共創して専用の8Kソリューションをいち早く開発し、 社会に普及させていくことを目的としている。

8Kのビジネスとしては、プロシューマー8Kカメラ、8Kテレビ、8Kチューナー、レコーダーなどのがB2Cのビジネス領域、法人向けのB2B領域があるが、8K Labはさらにその上流の研究開発、技術移管、ライセンスビジネスを領域としている。昨年はドコモと共同で8Kの5G伝送実験を成功させたが、先進デマンドを持つさまざまなパートナーと連携して、8Kビジネス普及の前倒しを図っていく。

8K Labのスタートにあたって、先月、8Kビジネスに興味のある14社と打ち合わせを行なったという。ジャンルとしては、インフラのメンテナンス、セキュリティ、ゲーム、印刷など。それぞれ求められているものが違うので、個別に相談に乗りながらビジネスにつなげていきたいという。

本スタジオには、 商談スペースの他に、 8Kの映像制作を簡単に体験できる「8Kカメラの撮影エリア」や、 8K映像データを公衆インターネット回線経由で伝送させる「8K映像のIP伝送エリア」、 8K映像の簡易編集を可能にする「8K映像の編集エリア」を常設。 実際の商談では、 顧客企業の個別の要望に応じてハードやソフトを追加し、 最適なソリューションの提供に結び付ける。

8Kカメラでの撮影エリア

シャープの8Kカムコーダーのデモ機。奥には同社の70型8Kモニターがあり、スルーの映像を確認できる。また窓から外を撮影することもできる。

カムコーダー シャープ8K-B60A

クロスコンバータ アストロデザインSC8219

エンコーダ ソシオネクスト製(開発機)

デコーダー シャープ製(開発機)

8Kディスプレイ シャープLC-70X500

 

8K映像のIP伝送エリア

同社の堺事業所に設置されたクラウドサーバーと接続し、8K映像を公衆インターネット回線経由でストリーミング伝送しているところを見せていた。8K/60p映像をH.265で圧縮し、ビットレート100Mbpsにして伝送。

デコーダ SPIN DIGITAL 8K PLayer

IP配信用UIタブレット Dynabook S80

 

クラウドAPI技術

クラウド上に置いたシャープ独自のAPI(8K関連映像処理機能)を活用して、配信サービス、映像圧縮伸長、超解像、映像・静止画切り出し、定点観測など、様々なサービスを提供する。

 

たとえばシャープの8Kテレビに実装されている4Kから8Kへの超解像技術をクラウドサービスとして利用することができるという。

 

8K映像編集システム

DaVinci Resolveの編集環境と、編集しながらプレビューできる環境を用意。このシステムの右側にプレビューモニターがある。

編集用モニターはシャープ PN-K321

プレビュー用8Kモニター シャープ 8T-C60AW1

イベント展示や、8K映像評価、開発検証用を想定して、一時期的に8K撮影、表示、関連機器のレンタルも行うという。またこのスペース以外での検証も可能で、実際に翌日からは別の箇所での検証のために多くの機材が出払ってしまうとのことだった。

したがって、8K Labクリエイティブスタジオの利用については事前に予約が必要。

 

 

 

 

 

 

 

 

8K Labクリエイティブスタジオについて説明していただいた吉田茂人氏(左)と吉田育弘氏。

 

8K Lab   https://corporate.jp.sharp/brand/vision/8k/8klab/