ソニーは、新開発の6Kフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor R(有効画素数約1900万画素)を搭載したXDCAMメモリーカムコーダー『FX9』を2020年1月15日2019年12月10日(10月10日追記)に発売する。価格はオープンで、市場想定価格はボディのみ『PXW-FX9』が120万円前後、「FE PZ 28-135mm F4 G OSS」のレンズ付属『PXW-FX9K』が150万円前後(ともに税別)。
本イメージセンサーの搭載により豊かな映像表現で6Kの画素を生かした高精細な4K収録を実現するとともに、決定的な瞬間を捉える高精度のAFシステムを備えている。本機は、映画制作用CineAltaカメラ『VENICE』に次いでソニーのカムコーダーとしては2機種目のフルサイズセンサー搭載機種であり、映画制作の現場で評価された『VENICE』のすぐれた画作りを継承。映画・CM・ドキュメンタリーなどの映像制作現場で多くのクリエイターから支持を得ている現行機種『FS7 II』の上位モデルとして展開。
『FX9』は、イメージセンサーと画像処理システムを新たに開発することで、光量の少ない環境下でも自然な印象でノイズの少ない映像を実現し、フルサイズならではの浅い被写界深度を生かした印象的なぼけ描写が可能。15ストップを超える広いダイナミックレンジにより、野外の明るい環境から夜景までさまざまなシーンをなめらかな階調で再現する。また、位相差検出AFとコントラスト検出AFを併用したファストハイブリッドAFシステムを採用。浅い被写界深度を保ちながら動きの早い被写体にフォーカスを合わせ続けることが可能。
主な特長
1.映像表現の可能性を広げる新開発の6Kフルサイズ裏面照射型CMOS イメージセンサーExmor R
XDCAM カムコーダー初となるフルサイズの裏面照射型CMOS イメージセンサーExmor R(有効画素数
約1900 万画素を新たに開発し、Dual Base ISO(ISO800/4000)機能を含む画像処理システムも併せて開発。これにより、光量の少ない環境下でも自然な印象でノイズの少ない映像を実現。また、15 ストップを超える広いダイナミックレンジを実現し、野外の明るい環境から夜景までさまざまなシーンで、白とびや黒つぶれの少ないなめらかな階調で再現。
▲暗所でも自然な印象でノイズの少ない映像を実現
画像処理においては、フルサイズセンサーから画素加算のない全画素読出しを行ったうえで4K(4096×2160)の映像に必要な画素数の約2.15 倍(6K 相当)の豊富な情報量を凝縮。4K 映像を記録するオーバーサンプリングの効果により、高い解像感をもつ4K 映像を得られる。
なお、4K(4096×2160)映像記録や最大約7.5 倍の印象的なスローモーション映像を可能にするフルHD(180fps)の撮影には、2020 年夏以降のファームウェアアップデートで順次対応予定。また、フルサイズセンサーならではの浅い被写界深度を生かしたぼけ描写により、印象的な映像表現を可能にする。加えて、CineAlta カメラ 『VENICE』 のスキントーン(人肌の描写)のすぐれた画作りを継承したS-Cinetoneを搭載しており、映画、ドラマ、CM などで人物を美しく描写する。
2.被写体をすばやく捉え、粘り強く追従するファストハイブリッドAF システム
位相差検出AF とコントラスト検出AF を併用したファストハイブリッドAF システムを採用。浅い被写界深度を保ちながら動きの速い被写体にフォーカスを合わせ続ける。イメージセンサーには、撮像エリアの水平方向約94% / 垂直方向 約96%をカバーする、561 点の像面位相差検出AF センサーを高密度に配置し、被写体をより高精度に捉える。また、AF の駆動速度を7 段階に、被写体の乗り移り感度を5 段階に設定できるため、撮影シーンや撮影者の表現や意図に合わせて、なめらかに被写体にフォーカスし撮影可能。
3. 自由度の高い撮影を可能にする多彩な機能
・無段階に光量調整が可能な電子式可変ND フィルターをフルサイズセンサーに合わせて新たに搭載。屋内から屋外への移動時や、明るさが刻一刻と変化する自然光環境下での撮影など、光量変化に迅速かつ柔軟に対応。
・アプリケーションソフトウェアCatalyst Browse(無償)/Prepare(有償)を使えば、強力かつ高精度な手振れ補正を加えた映像を書き出すことが可能。
・デジタルオーディオインターフェースを追加したマルチインターフェースシューを搭載。UWP-D シリーズのワイヤレスマイクロホンシステムと組み合わせ、ケーブル接続なしで高音質のデジタル音声をカメラに直接伝送し、録音が可能。
・キャリア回線を2 本束ねることで安定したストリーミングを実現するDual Link を搭載。(別売の拡張ユニット『XDCA-FX9』使用時)
・その他、2020 年夏以降のファームウェアアップデートにより以下の機能に順次対応予定。詳細は製品情報サイトから案内。
– 4K 120fps RAWの外部機器への出力(スーパー35 ㎜による撮像。別売拡張ユニット『XDCA-FX9』使用時)
– 放送局で使われているスロットインタイプのワイヤレスオーディオレシーバーへの接続対応。
▲『FX9』の使用例
◉製品情報
https://www.sony.jp/ls-camera/products/PXW-FX9/
ソニー株式会社
https://www.sony.jp/