キヤノンは、4K(3840×2160)/60P / 4:2:2 / 10bit / HDRの高品位な映像をSDカードに記録可能な業務用4Kビデオカメラ“XF705”を2018年11月下旬より発売すると発表した。
キヤノン 1型4K/60pハンドヘルドカメラ XF705 オープン価格(約77.8万円:オンラインショップ予定)
長らく後継機のなかったキヤノン業務用ハンドヘルドのフラッグシップに1型センサー搭載4K/60p対応のXF705が登場。XF305から8年。4K/60p時代に対応し、コーデックはH.265/HEVC、4:2:2 10bitになり(フォーマットとしてはXF-HEVC)、HDR(PQとHLGの両方)にも対応するなど次世代放送を想定したカメラになっている。ビットレートは4K/60pで160Mbpsと110Mbps。コーデックはH.265/HEVCであり、従来のH.264、MPEG2の選択肢はない。
HDもH.265/HEVCで最大60pでビットレートは60Mbpsと45Mbps。120pのハイスピード撮影も可能でビットレートは180Mbps。
HDでは4:2:0 8bitのH.264/AVCも選択することができる。
ガンマはワイドDRガンマ(800%)のみならず、Canon Log 3にも対応する。
新フォーマット、新コーデックのXF-HEVCについては各編集ソフトメーカーに対応を依頼中とのこと。現状ではキヤノン提供のブラウズ管理ソフトXF UtilityとAVID XF Pluginにより、Avid Media Composerに読み込んで編集することができる。
ボディは本体2660gでXF305より若干軽量に。前後長も13㎜短縮された。
センサーは1型 約829万画素で、デュアルピクセルCMOS AF対応。レンズは4K対応のLレンズを新たに設計。光学15倍(35㎜換算25.5-382.5㎜)でアドバンストズームで30倍(HD時)。0.8倍ワイドアタッチメント、1.5倍テレコンも純正として用意される。レンズ鏡筒は独立3連リングでズームは端付き(ただし電子式)。高速ズーム対応でズーム速度のカスタマイズもできる。虹彩絞りは9枚羽根。
グリップ部は15度スラントしており手首への負担を軽減。
SDカードでのデュアル、リレー、バックアップ記録に対応。
HDR対応のタッチパネルタイプ4型液晶。カメラの右側にモニターを出すことも可能。
3G-SDIの4倍の伝送速度を持つ12G-SDI端子搭載。ゲンロック、タイムコード端子もあり。
12G-SDI端子により、ケーブル1本で4K/60P HDRデータを伝送することができ、ディスプレイや外部レコーダーとの接続が用意になる。外部レコーダーを利用して、たとえば内部記録は4K、SDI、HDMI経由で外部出力したものはHDで記録したり、内部記録はHDR、外部出力はSDRといったように、異なる解像度、異なるダイナミックレンジの映像を同時収録することができる。
4K/60pカムコーダーは、パナソニックが先行するかたちで商品化されたが(DVX200、UX180)、今年ソニーが1/2インチ、1/3インチの3板式で商品化(PXW-Z280とZ190)。そしてJVCから1型センターで外部SSDレコーダーを利用して4K/60p記録するGY-HC550/500が発表され、そして最後の発表がこのキヤノンXF705となる。年末にスタートする4K本放送のための番組制作カメラ候補が各社から出揃った。
やはり1型センサーは最低必要なのか、それとも1/2、1/3インチの3板にメリットがあるのか、いずれ両者を比較してみたいと思う。