協力:日本サムスン株式会社/ITGマーケティング株式会社 機材協力:Apple Japan
キャンプムービーやガジェットのレビュー動画で人気のVlogger、ビートないとーさん。その動画はとことん美しく、かつ機材への愛着やこだわりが強いということもあって、キャンプに興味がある人だけでなく、映像制作者の間でも人気になっています。その映像制作能力の高さも買われて、最近では、Vlogにはアップされないような映像のお仕事も増えてきたそうです。いつもはプロフェッショナルの制作現場やマニアックなデータ検証をするこのコーナーですが、今回はビートないとーさんに、コストパフォーマンスの高いSamsung製のSDカードとUSB 3.2 Gen2インターフェース対応で最大転送速度1,050MB/s
まず、現在のビートないとーさんの機材ですが、カメラがソニーのα7 IVとα7S III。編集はアップルのM1 MAX MacBoo Pro 14インチ。編集ソフトは、DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro、Final Cut Proを使われているそうです。
肝心のメディアですが、SDカードはソニー純正のTOUGHシリーズ、CFexpress Type Aカードもソニー製と純正を使っているとのこと。最近のソニーのカメラはα7S IIIもα7 IVもCFexpress Type Aカードを使うタイプが増え、しかも高ビットレートが求められる録画モード(たとえばXAVC S-I 4K 600Mbps)では、SDカードはUHS-IIのV90以上、CFexpress Type A(VPG200以上)が必要とされます。ご存知のとおり、両方ともなかなか高価です。しかもある程度の容量のカードが欲しくなるわけですから、メディア代はバカになりません。
コストパフォーマンス重視でカードを選ぶ
そこでSamusung製のPRO Plus 256GBを使ってもらうことにしました。このカードはUHS-I U3 V30タイプで、READ160MB/s、WRITE120MB/sというもの。カメラ側の要求スペックからするとかなり低めです。実はSamsungのカードはコストパフォーマンス重視ということで、よりユーザー層の多いクラスを狙うスタンスということで、そもそもUHS-IIなどはラインナップされていません。もちろん、このPRO PlusではXAVC S-I 4K 600Mbpsなどは録れないのですが、ないとーさんによると、キャンプムービーでは4K/120fpsなどは滅多に使うことはなく、600Mbpsの高ビットレートもカードの容量を消費してしまうので、あまり使うことはないそうです。どのモードであれば、PRO Plus 256GBで記録できるか試してもらったところ、XAVC HS 4K、10bit 4:2:2 60pまでOKだったとのこと。スローも60pあれば充分ですから、このカードでクオリティ的には充分にカバーできるということになります。選択できないモードであれば、カメラ側でポップアップメニューで警告が出るので、録れていなかった! という心配はありません。
「純正はかなりいい値段しているので、これはだいぶお値打ちですね。写真でも連写してみましたが、全然ストレスなく転送してくれました」とないとーさん。
というのも、キャンプムービーといっても、見ている私たちはないとーさんがどれくらいカメラを回しているか想像ができなかったのですが、2日キャンプに行くと、とにかくカメラは回しっぱなしなので、SDカードを何枚も使うんだそうです。当然カードのコストパフォーマンスは重要になってきます。
さらに撮影の視点を変えるために、DJI Action 2も最近導入。こちらは記録メディアがmicroSDなのでSamsungのmicroSDカード 128GB EVO Plusを使っていただきました。4K撮影でも問題なく使用できたとのこと。
現場で素材をT7にバックアップする
複数台のカメラで、何枚もカードを使うので、実はキャンプの途中でSSDにバックアップをとることも多いのだそうです。まさかそれほど膨大な素材を撮られていたとは思いもしませんでした。そのためのSSDとして、こちらもSamsugnのポータブルSSD T7を使っていただきました。なんと2日のキャンプで素材が1TB(!)くらいになることもあるそうなので、T7の1TB、2TBタイプというのは最適ですね。素材が一箇所にまとまるだけでなく、読み出し速度が速いので、T7の中の素材を編集でもサクサク作業できるというのがメリットです。
こんな感じでキャンプの現場で素材を管理して、編集し始めることもできます。
ないとーさん、このT7は「かなりスピードで出て、転送とか編集作業でストレスがないということもいいのですが、薄くて軽いというのがすごくいいですね! どうしてもこういったアウトドアだとキャンプ道具なんかの機材もあるし、カメラもあるしで、すこしでも機材をコンパクトにしたいと思っているので、この薄さと軽さは良いポイントだと思います。堅牢性に優れているのもアウトドアにはもってこいです」とのこと。
コピーを速くする方法はあるのか?
現場で転送するとなると、待ち時間に転送してもいいのですが、できれば速いに越したことはありません。次に撮影したいことがあっても転送中は待つことになるわけですから。
では、それぞれのベンチマークを計測してみました。
デバイス | スロット(アダプター) | ベンチマーク(MB/s) | |
Read | Write | ||
Samsung SD PRO Plus 256GB | SDカードスロット | 90.5 | 75.8 |
Delkin製カードリーダー経由 | 149.5 | 115.3 | |
ANKER製カードリーダー経由 | 86.9 | 78.1 | |
Samsung microSD EVO Plus 128GB | SDカードスロット(純正SD Adapter) | 90.5 | 61.3 |
DELKIN製カードリーダー経由 | 127.5 | 64.1 | |
Samsugn Portable SSD T7 | 付属ケーブル | 723.3 | 745.7 |
今回使用したSDカード、microSD、T7のベンチマークですが、M1 MAXのMacBook Proに各デバイスを接続してブラックマジックデザインのDisk Speed Testアプリで計測したところ上のような結果になりました。T7は当然こういった桁違いのスピードになりますが、SDカードのUHS-Iタイプではそもそもこれが限界です。
このときに重要なのはMacBook Proとの接続方法です。MacBook Proには、Thunderbolt 4端子(USB Type C)が3つと、SDXCカードスロットがあります。
SDカードスロットが搭載されているパソコンなら、
思われるかもしれませんが、
リーダーの組み合わせであれば、
▲Delkin USB 3.1 SD & microSD A2 カードリーダ [DDREADER55]は、SDもmicroSDも使用可能。
では、実際にどれくらいの違いがあるのか、計測してみました。
コピー元 | 経由 | コピー先 | 所要時間 |
Samsung SD PRO Plus 256GB(DDR200対応) | SDカードスロット(Mac本体) | MacBook Pro本体内蔵メモリー(デスクトップ) | 約21分 |
Samsugn Portable SSD T7(USB 3.2 Gen2 接続) | 約22分 | ||
Delkin製カードリーダー(DDR200対応) | MacBook Pro本体内蔵メモリー(デスクトップ) | 約13分 | |
Samsugn Portable SSD T7(USB 3.2 Gen2 接続) | 約13分 |
たしかにDelkinのカードリーダーを利用してコピーするとかなり時間が短縮できることがわかりました! SDカード自体の転送速度がボトルネックになっているため、コピー先のSSDで転送時間の差はほとんど出ませんでしたが、一度高速なSSDに保存されれば、そこからのデータ転送は高速化されます。
もちろんSDカードでもUHS-IIであればさらに高速で読み出すことができるのでコピー時間は短縮できるはずですが、UHS-Iであっても高速タイプのSDカードとカードリーダーの組み合わせでこれだけスピードアップできるので、小さい投資でもありますから、用意しておくといざというときに役立ちそうです。
映像制作をしている方は、それぞれのメディアのベンチマークを計測したりコピー時間を計ったりということはあまりやらないかもしれませんが、時間があるときに、効率の良い転送方法を調べておくといいでしょう。メディアはコストパフォーマンスと信頼性とスピードを天秤にかけて選ぶことも大切ですね。
●ビートないとーさんのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/Beat910/featured
●Samsung SD PRO Plus (256GB)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09DKQVYJQ/ (Amazonサイト)
●Samsung microSD EVO Plus (128GB)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09DKRJYSF/ (Amazonサイト)
●Samsung Portable SSD T7 (2TB)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0891HFZ8Z/ (Amazonサイト)