Samsung Portable SSD T5を SIGMA fpで試す


コンパクトボディながらフルサイズセンサーを採用し、外部接続のSSDに4K/24pの 12bit RAW動画を記録できるSIGMA fp。対応記録メディアとしては、Samsung Portrable SSD T5が推奨されている。SIGMA fpとT5の組み合わせを試してみた。

(3月12日、新しいムービーを加えました)

Report◉カモディ・マシュー(Matt(e) Production)
協力◉日本サムスン株式会社

 


▲SIGMA fpとCINE LENS、そしてT5の組み合わせをMovi Proにセットして運用した。

 

 

今ではコンパクトなボディにフルフレームのセンサーを誇るミラーレス一眼カメラは珍しい存在ではないものの、動画記録においてはコーデックに弱点があったり、必要以上に複雑なメニューだったりと、個人的に動画用としては不満が多く残る印象があった。

 解決案を探している過程でH6D-100Cというハッセルブラッドの中判フラッグシップモデルを知り、現場に導入して、その利点をVIDEOSALON.WEBでも紹介したことがある。12bit RAW収録、異次元の立体感・描写力を見せる反面、使い勝手や値段、ワークフローといった難点もいろいろとあった。やはり普及しつつあるフルフレームのミラーレスカメラでRAW収録できればなと思っていた。

そこでSIGMA fpの登場だ。まさに願ったり叶ったりのカメラである。ポケットに入りそうな極小ボディでありながらセンサーもフルフレームで、しかもRAW収録ができるモデルであり、おまけに素敵な写真も撮れるというオールマイティな機種。これはすぐさまテストしたいと思っていた。

SIGMA fpの動画収録には大きく分けて2つの方法がある。内部のSDカードに8bitのCinemaDNG RAW(以下CDNG)やMOV形式を収録するか、USB-Cでケーブル接続したSSDに10bitもしくは12bitのCDNGを収録する。SSDであれば、4Kで10bit、12bitのRAW記録ができるわけで、SIGMA fpの一番の魅力はこのSSDへの収録にある。

外部収録のRAWデータは非圧縮なので1TBのSSDに4K/24pの12bit映像が約53分収録可能。ノイズ除去などの画像処理をされることなくセンサーがとらえた情報をそのまま写真の連番で記録される。H6D-100Cと同じく、 「動いている写真」が手に入ると言っても過言ではない。注目した理由がここにあって、大画面で見て息を飲む仕上がりも可能ではないかと、発表以来首を長くして待っていた。

SSDへの収録となると、容量と信頼性が問われる。そこで今回SIGMA fpで映像を撮る際に定評のあるSamsung  Portable SSD T5の1TBを使用した。T5の1TBはシグマが動作確認しているSSDのひとつである。ちなみに使う場合は、必ずカメラのメニューからSSDを初期化する。

▲レンズはSIGMA CINE LENSの20mm、40mm、135mmを使用した。EFマウントタイプをMC-21を利用してSIGMA fpに装着。

 

 

【利点その1はサイズ】

SIGMA fp用のケージはまだまだ少ないが、それでも少し工夫すればT5が自由自在にマウントできるのは大きな利点。見た目も高級感があってスタイリッシュだ。

 

【利点その2は利便性】

収録されたデータをそのままパソコンに接続して現場や事務所ですぐ作業に取り掛かることができ、ファイルをDaVinci Resolveにインポートすれば直接SSDから編集もできる。高速バックアップしてから直接クライアントにSSDをそのまま納品することも可能なので大変効率が良い。

使用用途に合わせて容量(1TB・2TB)を選べるのもポイント。CFastやSDカードを渡すより印象がよくて、撮影後のデータの取り扱いも簡単。

 

【利点その3は信頼性】

個人的にさまざまなSSD製品をPCで使ったが、やはりSamsungのものが大半を占める。大事なデータを失うリスクを少しでも減らす製品を選ぶに越したことはない。

 

【利点その4は転送速度】

他にもUSB-Cでカメラと接続できるSSDは存在するが、特に書き込みの速度にバラつきがあって、RAWデータのような膨大の情報量の長時間収録に耐えきれず、速度が落ちるものもある。そういう点ではT5で長めのカットを撮っても問題はなかった。

またデータコピーにおいても、私の環境では平均300MB/sで、270GBのデータを約15分でノートの内蔵SSDに転送することができた。

 

【終わりに】

結論から言うと期待通りの使いやすい仕様だった。T5に収録した非圧縮CDNGは写真そのもので、グレーディング作業が非常に楽しくなる。動画の画質に関して一切妥協しないSIGMA fpにも脱帽した。ぜひ撮った映像を見て、ご自身で判断してほしい。

 

フォルダ内のCDNGは静止画の連番になっている

▲1回のRECで1つのフォルダができあがる。フォルダ内はDNGの連番ファイルと音声ファイル。

 

DaVinci Resolveで読み込む

▲Mediaの画面で直接T5からインポートしている様子。CDNGはDaVinci Resolveから見ると、映像と音声、それぞれ1ファイルずつになっている。現時点で動画と音声が別々に認識されるため、タイムラインに載せる際に自分で合わせる必要がある。

 

12bit RAWによる美しい色の演出

▲テスト撮影でSIGMA CINE LENS 40mm T1.5を使用しての一コマ。ワイドにフレーミングしても、この距離で被写体を立体的に見せる。12bit RAWによる美しい色の演出にも注目。犬との散歩がまるで映画のワンシーンに。

 

T5をPCに接続して直接編集できる

▲T5をPCに接続。RAW素材を読み込んで直接編集できる。もちろん内蔵SSDにコピーして編集しても良い。

Samsung Portable SSD T5の情報はこちらからhttps://www.samsung.com/semiconductor/minisite/jp/portable/t5/