【SAMSUNG SSD WORLD】8K/60pを プレビュー再生できる 編集システムを考察してわかったこと


 

Report◉編集部
協力◉日本サムスン株式会社

 

このところ6Kセンサーのカメラの登場が話題になっているが、それではっきりしてきたのは、今後急速に「オーバー4K」の時代になっていくということではないだろうか。8K放送の普及とは関係なく、よりクオリティの高い4K映像を制作する目的で、いつの間にか「8K素材」が溢れ、運用される時代が来そうだ。では8Kをネイティブで編集できるシステムとは一体どういったものなのか。ここ数カ月、各所で検証してきた結果、一つのカタチが見えてきた。

8K/60pのワークステーションをブラックマジックデザインの協力で作り上げたのは、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)の技術を持つビジュアルテクノロジー社(以下VT)。VTでは、これまでの4K/60pの編集システムはラインナップしてきたが、今回8K/60p編集システムに挑戦。主要スペックは下の表を見ていただきたいが、検証して明確になったのは、4K/60p編集では、データストレージとしてSATAのSSDで充分対応できたのに対し、8K/60p編集においてはそれでは間に合わず、NVMe M.2規格のSSDのRAIDが求められるということだ。今回はSamsung 970 EVO Plus(2TB)4枚、HighPointのRAIDカードSSD7101A-1に組み込んで使用した。

▲8K編集するためにストレージとして、NVMe M.2規格のSSD、Samsung 970 EVO Plus 2TB、4枚をHighPointのRAIDカード SSD7101A-1に装着したものを使用した。970 EVO Plusは最新のV-NANDを搭載。シーケンシャル読み出し/書き込み速度は最大3,500/3,300MB/秒。TBWは1200TB、保証期間は5年限定保証と、耐久性という面でも信頼が高い。


▲ビジュアルテクノロジーはHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)システムを提供するメーカーだが、その映像制作向けブランドがTRUXであり、その最上位モデルが8K/60p編集ワークステーションTRUX SUPER MAX Type W。DaVinci Resolveによる各種8K素材の編集を想定している。https://www.trux.tokyo

 

▲上から2つ目のカードがオプションとして選択できるHighPointのRAIDカード。このカードの裏側にSamsung 970 EVO Plus 2TBが4枚実装されている。その下がグラフィックカードのTITAN。

 

映像制作においては、実際にその映像がコマ落ちせずプレビュー再生できるかどうかがポイントになる。そこで4K黎明期から収録から編集までワンストップ制作環境を構築し、4K放送局/配信事業者に納品実績を持つユー・ブイ・エヌにご協力いただくことにした。4Kでのマルチカメラ収録は日常業務として数多く手がけ、最近ではシャープの8Kカムコーダーでマルチカメラ撮影してデモリールも作成している。そのポストプロダクション環境は自社でカスタム構築を行なっており、以下の通り。

CPU】Xeon E5-2680 v4(14core 2.4GHz) x2CPU

GPU】ASUS NVIDIA RTX 2080

【Playback card】 BlackmagicDesign DeckLink 8K Pro

【Application】 DaVinci Resolve 16他各社の編集アプリケーションをインストール。ストレージは内蔵SSD RAID構成を充実させ、同等スペックで4台を稼働させているという。

ユー・ブイ・エヌでもさすがに8Kは社内では未体験ということで、VTのターンキー、TRUX SUPER MAX Type Wをここに持ち込んだ。

▲8K編集ワークステーションの動作検証をお願いした株式会社ユー・ブイ・エヌの金森郁東さん(右)と下村竜也さん。素材としてはユー・ブイ・エヌが制作を担当し、シャープの8Kカムコーダーで8K/60p HLGで名古屋のアイドルグループ、OS★Uをマルチカメラでライブ撮影したもの。http://www.uvn.jp

 

接続において重要なポイントがある。DaVinci ResolveはGPUに依存するタイプのアプリケーションだが、ブラックマジックデザインによると作業用のモニターにUHDなど高解像度のものをつないでしまうと、そちらにGPUのパワーを取られてしまい、8K映像のプレビューがカクついてしまうというのだ。その場合には、GUIモニターの解像度を下げることが有効な対策になりうるという。ここでは、HD解像度程度のモニターを接続。また8Kの大型ディスプレイは用意できず、ユー・ブイ・エヌにある4Kディスプレイを利用することにした。

DeckLink 8K Proからの12G-SDIをHDMIに変換するコンバーターとしてATOMOSのSHOGUN INFERNOを使用。この高輝度パネルでHDRのモニタリングもすることができる。8KのHQX素材は、解像度は落とさず、DNxHRのMOVに書き出し、それをDaVinci Resolveの4Kタイムラインに乗せてそのまま再生したところコマ落ちすることなく再生できることを確認した。今回の8K素材のビットレートは6980Mbpsという膨大なデータ量。それを読み出すためには、SSDは当たり前で、NVMe接続が必要になった。今後はより軽い8Kデータが実用になるだろうが、オーバー4K時代の編集はSSDが支えることは間違いないだろう。

 

 

TRUX シリーズの4K/60p用と8K/60p用ワークステーションの主要構成比較

 

8Kプレビューのための接続

▲8Kプレビューするには接続にポイントがある。上の接続図は一般的なプレビュー環境の一例で、編集用モニターとして低解像度のものを選択するとGPUへの負荷軽減になるとのこと。ユー・ブイ・エヌでもHD解像度のモニターで作業し、8Kモニターではなく4Kモニターで、かつTeranexではなく、SHOGUN INFERNO(写真下)で12G-SDIをHDMIに変換して4Kモニターに入力した。

 

 

ビデオSALON2019年11月号より転載