【SAMSUNG SSD WORLD】ポケシネやSIGMA fpで使ってみて改めて実感するSamsung Portable SSD T5との奥深い関係


Report◎田村雄介

協力日本サムスン株式会社、ITGマーケティング株式会社

 

Samsung Portable SSDは初号機のT1発売時からT3、T5とサイズ感、容量ともに非常に便利に使い続けているですが、最もバリューが高まったと思うのはやはりこのT5。Blackmagic Pocket Cinema Camera(以下BMPCC)4K発売と同時にUSB-Cで外部収録が可能となった新世界で、真っ先に推奨となったのがこのT5でした。大容量かつ安価にハイクオリティな各種コーデックを長時間収録できるようになったのは、なかなかの衝撃であり、その後に続くBMPCCシリーズ、URSA Miniシリーズ、SIGMA fpとUSB-Cを利用した外部SSD収録は専用の取り付けリグとともにどんどん広がっていったのでした。

それから今まで、このビデオサロンでも何度も取り上げられてきたこのT5、スペックはさすがに語り尽くされているところでもあります。なので今回はこのT5をより便利に使えるリグやアプリなどのことを、が愛用しているBMPCCシリーズとの組み合わせを中心にご紹介していきたいと思います。

 

豊富な取り付け方法

カメラへの様々な取り付け方法が用意されているT5。対応するSSDがいろいろと増えてきた2021年現在でも一番豊富にオプションが用意されています。そのなかでも今回のトピックとして取り上げたいのは、2021年発売のBMPCC 6K Pro用に作られたSmallRigのケージです。なんとついにケージにT5を「内蔵」するところまできました。

今までにもTILTAのサイドハンドルに内蔵するタイプなど趣向を凝らしたものはありましたが、ボディと一体化するものは初なはずです。これはいろいろな意味で嬉しいところです。外部パーツを撮影時に持っていかなくていい、シューやねじ止めパーツで上部に付ける際はハンドルや外部モニタ、伝送機器などとの兼ね合いでどうしても邪魔になりがちだった悩みが一気に解決です。この流れは是非今後の展開でも広まっていってほしいところですが、今はあくまでも6K Pro用ケージのみに許された特権です。

またスタンダードな取り付けタイプも非常に豊富に用意されています。前述のTILTAのサイドハンドル、同じくTILTAでケージにネジ止めできるタイプのホルダー、SmallRigの各種ホルダーや8SINNのシューマウントホルダーなどなど探せば探しただけ色々とラインナップされています。


▲SmallRig Full Cage for BMPCC 6K Pro 3270とDockCaseのケーブルの組み合わせ。公式ではモニタ側からケーブルを出しているけど、他の周辺機器と干渉しなければこんな風に前から取り回すことも可能。

 

▲Tiltaing Camera Cage for BMPCC 4K/6K Advanced Kit(写真上)とSmallRigケージ専用のSmallRig SSDホルダー(写真下)。どちらもそれぞれのケージの専用品とも言える組み合わせだが、それ故しっかり装着感はとても安定している。ケーブルはTILTAがこれまた専用のケーブル、SmallRigはT5付属のとても良い純正ケーブル。サンフードごと運搬できる環境があるならTILTAのセットはとても有効。

 

参考までにBMPCC6KT5 2TBを接続した際のBRAW 6K 23.98fpsBRAW 5.7K 59.94fpsProRes UHD 59.94fps時の各コーデックの収録時間は以下の通り。

ファイル形式

解像度/フレームレート

圧縮率

記録時間

目安の転送速度

BRAW

6K(6144×3456) / 23.98fps

3:1

129min

258.4MB/s

5:1

215min

155.0MB/s

8:1

344min

96.9MB/s

12:1

516min

64.6MB/s

5.7K(5274×3024) / 59.94fps

3:1

63min

529.1MB/s

5:1

105min

317.5MB/s

8:1

168min

198.4MB/s

12:1

252min

132.3MB/s

ProRes

UHD(3840×2160) / 59.94fps

422 HQ

150min

222.2MB/s

422

225min

148.1MB/s

422 LT

321min

103.8MB/s

422 Proxy

733min

45.5MB/s

※「2TB(=2,000,000MB) /記録時間 / 60」で算出。あくまでも計算上の目安とお考え下さい。

 

BRAW 6Kの場合、最大フレームレートが50fpsなので、ハイスピードにしたいときは59.94fpsまで使える5.7Kという使い分けでしょうか。

書き込み速度を細かく知りたい場合は、公式の仕様ページに30fps時のみと限定的ではあるもののストレージレート一覧が載っています。

30fpsに基づいたストレージレートが載っているので、フレームレートで単純計算した転送速度を算出してみました(あくまでも目安です)。赤字で示したものはUSB 3.2 Gen1 (旧称USB 3.0USB 3.1 Gen1 / 5Gbps)ではインターフェース的に厳しいと思われる速度、青字で示したものはBMPCC6Kの推奨USB-Cドライブに記載されている記録モードの速度となります。

ファイル形式

解像度

圧縮率

60p

50p

30p

24p

BRAW

6K (6144×3456)

3:1

 

538.3MB/s

323.0MB/s

258.4MB/s

5:1

 

323.3MB/s

194.0MB/s

155.2MB/s

8:1

 

201.7MB/s

121.0MB/s

96.8MB/s

12:1

 

135.0MB/s

81.0MB/s

64.8MB/s

6K 2.4:1 (6144×2560)

3:1

480.0MB/s

400.0MB/s

240.0MB/s

192.0MB/s

5:1

288.0MB/s

240.0MB/s

144.0MB/s

115.2MB/s

8:1

180.0MB/s

150.0MB/s

90.0MB/s

72.0MB/s

12:1

120.0MB/s

100.0MB/s

60.0MB/s

48.0MB/s

5.7K 17:9 (5274×3024)

3:1

528.0MB/s

440.0MB/s

264.0MB/s

211.2MB/s

5:1

318.0MB/s

265.0MB/s

159.0MB/s

127.2MB/s

8:1

200.0MB/s

166.7MB/s

100.0MB/s

80.0MB/s

12:1

134.0MB/s

111.7MB/s

67.0MB/s

53.6MB/s

4K DCI (4096×2160)

3:1

272.0MB/s

226.7MB/s

136.0MB/s

108.8MB/s

5:1

164.0MB/s

136.7MB/s

82.0MB/s

65.6MB/s

8:1

102.0MB/s

85.0MB/s

51.0MB/s

40.8MB/s

12:1

70.0MB/s

58.3MB/s

35.0MB/s

28.0MB/s

ProRes

4K DCI (4096×2160)

422 HQ

355.8MB/s

296.5MB/s

177.9MB/s

142.3MB/s

422

157.3MB/s

131.1MB/s

78.6MB/s

62.9MB/s

422 LT

109.3MB/s

91.1MB/s

54.6MB/s

43.7MB/s

422 Proxy

48.5MB/s

40.4MB/s

24.3MB/s

19.4MB/s

UHD (3840×2160)

422 HQ

220.0MB/s

183.3MB/s

110.0MB/s

88.0MB/s

422

147.2MB/s

122.7MB/s

73.6MB/s

58.9MB/s

422 LT

102.0MB/s

85.0MB/s

51.0MB/s

40.8MB/s

422 Proxy

44.8MB/s

37.3MB/s

22.4MB/s

17.9MB/s

参考までにBRAW 5:1 6K 50pをT5 2TBで目一杯まで回しても特に熱や速度低下で止まることもなく動作してくれた。

USB 3.2 Gen1の実効速度は450MB/s程度と言われていますが、これはあくまでも「Up to 性能」であり、キャッシュ切れや熱、書き込み処理などによる速度低下は考慮されていません。動画記録のように安定した速度が求められる用途では、転送速度に余裕を持たせた運用がトラブル回避の近道と言えるかもしれません。また、公式サイトに推奨USB-Cドライブの記載があるので購入前に参考にしてみてください。

またCFastの256GB準拠ではありますが、公式マニュアルの中にもフレームレート、コーデック別で詳細な収録可能時間が記されています。日本語マニュアルだと180ページ以降です。「メディアの収録時間は、メーカーごとに若干の違いがあります。また、exFAT、Mac OS XExtendedなど、ストレージメディアのフォーマット形式によっても異なります。」の記載通り若干のズレはありますがおおよその目安にするには充分です。

次にSIGMA fpとの組み合わせを見てみましょう。fpに純正付属品のHOT SHOE UNIT HU-11を装着し、8SINNのホルダーと海外から取り寄せた23cmのショートケーブルの組み合わせ。個人的に一番好きなホルダーです。

▲付属の中間ロッドを他の長さの15mmロッドに変更することができるので使いやすい位置に配置することができる。取り付け固定する際にちょっと癖があるが見た目も良い。写真では装着していないが抜け止めパーツ付属。

 

SIGMA fpとT5の場合

続いて、SIGMA fpとT5での収録可能時間を見てみましょう。RAWCinemaDNGH.264の圧縮のMOVではかなりの時間差があり、このようになっています。

 

SIGMA fpでのUHD時のT5(2TB)収録可能時間

ファイル形式

bit

fps

記録時間

目安の転送速度

CinemaDNG

(Lossless RAW)

12bit

29.97

84min

396.8MB/s

23.98

106min

314.5MB/s

10bit

29.97

100min

333.3MB/s

23.98

126min

264.6MB/s

MOV (H.264)

8bit

29.97

456min

73.1MB/s

23.98

456min

73.1MB/s

※「2TB(=2,000,000MB) / 記録時間 / 60」 で算出。あくまでも計算上の目安とお考え下さい。

CinemaDNGの12bit/10bitではフレームレートで収録時間に差が出るがMOVのALL-Iはビットレートが決まっているため変化なし。

なお、SIGMA fpにおけるCinemaDNGでの動画記録は、SDカード(UHS-II)だとUHD 8bit 25pFHD 12bit 59.94pまでだが、外付けSSDだとUHD 12bit 29.97pFHD 12bit 100p10bit 119.88pまで対応なので、bit深度や高フレームレートを求めるなら外付けSSD一択です。

 

付属のケーブルが速度よし! 質感よし!

次にケーブル接続についてです。

すでに写真で紹介していますがこのT5に付属されるケーブルはUSB Type-A to C、USB Type-C to Cの2種類。このケーブルは個人的に非常に気に入っていて、ケーブル長がハマらない状況以外は世の中のケーブル何から何まで全部これになってくれたら! と思うほどにテロテロサラサラの質感で、よくありがちな折り目がバッチリついた標準付属のガチガチの太いケーブルとは完全に無縁な存在となっております。

ただし、前述の通りカメラへのマウント方法によっては長すぎるといった場合もあります。そんな時は6K Proの組み合わせで紹介したいわゆるきしめんタイプのケーブルなども試してみてください。案外使い勝手が良かったりします。しかしなにせこれらのケーブル、BMPCC発売当初から使用しているため、2021年現在ではいろいろと販売されているケーブルにもアップデートがたくさんあります。これまた見た目や長さで選ぶのも楽しいでしょう。ひとつ注意点としては「USB3.2 Gen2(10Gbps)対応」の「USB Type-C to Cケーブル」、ここはお間違いないよう気をつけてください。なお、カメラや外付けSSDとの接続で何らかのトラブルがあった場合は、原因の切り分けの意味でも、付属の純正ケーブルで同様の症状が出るのかの確認は行なったほうがいいでしょう。

▲一番右がT5に付属のUSB Type-C to Cケーブル。

 

初心者こそ気にしてほしいデータコピー時のステータス

プロの現場では、撮影後に行うデータコピーが特に重要なので、様々なベリファイコピーソフト(コピー後にファイルが正しく書き込まれたかチェックを行うソフト)が使用されるケースが大多数ですが、そこまではまだちょっと…と思われる方々に、ぜひオススメしたいのがデータコピーの速度状況などを監視できるモニタリングツールです。

は作業環境が100%Macなので今回ご紹介するのは完全にMac用ですが、「iStat Menus」をオススメしたいと思います。前述のベリファイコピーをするようなソフトではなく、単純にMacの動作状況をMenuバーに常時表示し続けるソフトなのですが、書き込み速度やCPU稼働状況、回線速度、センサー温度などなどを1000円ちょっとで可視化してわかりやすく見続けられるということで、心の平穏を保つのになかなかグッドなアイテムになります。最近話題になったUSB3.0デバイスをゆっくり差すとUSB2.0として認識されてしまう状態や、ハブ経由の転送がイマイチ遅い?的な状況も即座に判明するので、この手のソフトはお好みのものをひとつインストールしておくと、かなり幸せになれます。何より数万円を投入して購入したSSDがちゃーんと働いてるってことを確認できるって嬉しくないですか? ちなみに僕自身は2011年のV3.0あたりから使っています。

▲T5を繋いでファイル転送しているところ。

 

まずは最初のSSDに、そしてCFastとの使い分け

実際にT5を使用してきて3年余り、個人的にはありがたいことに一度もこのT5でトラブルに遭ったことはありません。それなりに使っているつもりではありますが、今のところ速度低下やデータロスも起こらず使い続けられています。これは使用環境や頻度によって変わってくるところではあるので100%保証しまっせ!とは言い難いものの、個人的にメーカー様におかれましては是非3、4個くらいT5をください!(2TBで!)とおねだりしたくなる程度には自腹でかなーり愛用しています。

もちろん使用用途、たとえばプロのDITの方が使用する場合などについては一家言あったりするかもしれませんが、少なくともBMPCCシリーズやfpでの収録用として、または現場でのバックアップ用途などで一つ二つ持っていて困ることはありません。最初の外付けSSDとして購入するにも大変オススメできます。最近ではCFastでも大容量のものが増えてきていますが、コストパフォーマンスでは圧倒的にT5が上。

最近個人的に特に増えてるなーと思う撮影が、たとえば企業の社内配信用に重役のメッセージやインタビューなどを別撮りするような例など。少し離れて見守るクライアントの厳しい目の手前、また撮影されるプロではない方々の心理的リズムを考慮すると、「一旦カットしてカードチェンジしまーす」とも言えないような状況がコロナ禍以前よりも格段に多くなったなーと感じます。そんな時にはあらかじめ余裕を持ったSSD収録としておけば困る状況も少なくなります。何よりスムーズな進行はクライアントに大変喜ばれます。

▲Bluetooth+というiOS用コントロールアプリの画面キャプチャ。スマホで記録時間等を確認することができる。一応、画面は載せてはいるものの、ProResのプロキシは本当に使ったことがない。

 

上記諸々のデータを読み解いたうえでいろいろ考えるとやはりオススメはT5の2TBでしょう。スペックだけではなく大は小を兼ねるという選択が後々めちゃくちゃ効いてきます。もちろん収録用としてだけではなくバックアップ用としても非常に便利に使えます。

日々アップデートの中で次々と新しい機材は出てきていますが、Samsung Portable SSDを選択肢の一つとして覚えておいていただけましたら幸いです。

 

◉Samsung Portable SSD T5 (2TB)
https://www.amazon.co.jp/dp/B074PMK2G3/ (Amazonサイト)

◉Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proストレージレート一覧
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/blackmagicpocketcinemacamera/techspecs/W-CIN-16

BMPCC6K : https://www.blackmagicdesign.com/jp/support/faq/59026
BMPCC4K : https://www.blackmagicdesign.com/jp/support/faq/59025

◉BMPCC公式マニュアル
https://documents.blackmagicdesign.com/UserManuals/BlackmagicPocketCinemaCameraManual.pdf?_v=1619420411000

◉iStat Menus
https://bjango.com/mac/istatmenus/

 

今回紹介したメーカーのケージ、SSDホルダーページ

◉SmallRig
https://www.smallrig.com/products/accessories/ssd-holder.htm
https://www.smallrig.com/smallrig-standard-accessory-kit-for-bmpcc-6k-pro-3298.html

◉8SINN
https://www.8sinn.com/products/ssd-holders.html
https://www.8sinn.com/8sinn-ssd-holder-for-samsung-t5-on-cold-shoe-mount.html

◉Tilta
https://tilta.com/product-category/accessories/ssd-holders/
https://tilta.shop/items/5f4eff3a223ead47320746f3