【SAMSUNG SSD WORLD】DJI Action 2とSamsung microSD EVO Plusで ポートレートムービーのBTSを撮る


ここ1、2年、YouTubeやInstagramでもよく見かけるようになったのが、デジタル一眼カメラの美しい映像と、主にジンバルを利用したダイナミックな動きによるシネマティックなポートレートムービー。ビデオサロンでも2022年3月号で特集を組んだばかりだが、そこで取材させていただいた中西拓也さん(3月号のp.58参照)がこの1年くらいの短い期間の間に、とにかくインパクトのある短尺ポートレートムービーを量産していることには驚かされた。1作品が短いということもあるが、都内で撮影する場合はひとりのモデルさんにつき1時間ほど、場合によっては1日で3、4人を撮影することもある。

その中西さんが最近取り組んでいるのが、自分の撮影の様子を、胸につけたウェアラブルカメラで記録するBTS(Behinde The Scene)ムービー。モデルさんと出会うところから始まり、どんな風に声をかけ、どんなカメラワークをしているのか、手にとるように分かるとあって、制作の裏側を知りたいカメラマンにとって貴重な動画になっている。また、その場の環境やモデルさんとカメラマンのやりとりの様子が臨場感豊かに伝わることでコンテンツとしても楽しめるものになっている。

中西さんはこれまでもあるウェアラブルカメラを胸のところに固定してBTSムービーを撮影してきたが、最近発売されたマグネット着脱式アクションカメラ、DJI Action 2はぜひ使ってみたいと思っていたところだという。DJI Action 2は4K/120fps動画撮影と超広角155°に対応するカメラで、まさにBTSムービー撮影に最適な仕様だ。記録メディアとしては、内蔵メモリーも利用できるが、microSDカードを挿入することで時間を気にせず撮ることができる。今回は、SamsungのmicroSD EVO Plusをチョイスし、実際にBTSムービー撮影で使用していただいた。(編集部)

REPORT◎中西拓也

協力◎日本サムスン株式会社、ITGマーケティング株式会社、機材協力◎DJI JAPAN 株式会社

 

シネマティック・ポートレートが人気上昇中

YouTubeやInstagramなどのSNSで流行っているシネマティック・ポートレート。写真から映像へと表現方法を変える人も多くいる中で、私も一昨年あたりから映像でポートレートを表現することに夢中になり、ほぼ1年間、毎週のように撮影してきました。

https://www.instagram.com/takuya_nkns/reels/

その中でよくフォロワーの皆さんから「どのように撮影しているのですか?」「撮影風景を見たいです!」などの質問を多く受けてきました。今回はそんなBTS(Behind the Scene)撮影にピッタリなんじゃないかと感じたDJI Action 2を使用して、簡単ですが私のBTSを撮ってきました!

DJI Action 2を装着

一見するとどうやって装着しているか不思議ですが、付属のペンダント式マグネットを服の中に通し、服の上からDJI Action 2を装着します。とても強力な磁力で装着されているので、多少厚い生地のTシャツ等であっても安心できます。

▲このように胸元に装着できるのでPOV(Point of View)撮影に最適!

▲DJI Action 2のレンズは広角でありながら気になる歪みはないので、自分が見ている視野そのままを見せることができる。このように、カメラワーク とモデルさんの動きを一度に見せることができる。また左下は実際にこのときに撮影しているデジタル一眼による映像だが、編集で合成することで、 成果物=本編映像(左下のPinP)まで同時に見せることができる。

 

私はワンマンで撮影することが多く、しかも移動しながら撮影するので、BTS用に三脚等で別カメラを用意することはあまり現実的ではなかったのですが、このDJI Action 2 は胸に装着するだけで撮影できるので、機動力を担保したいカメラマンにはかなり適しています。

また、POV(Point of View)と呼ばれる一人称視点での撮影になるため、あたかもカメラマンになったかのようなコンテンツを視聴者に提供することが可能になります。アクションカメラならではの広角でカメラワークやモデルさんの動きを含めたシーンを押さえ、成果物と同時に見せることによって、どのように撮影しているのかを知ってもらうことができます。

これだけコンパクトにも関わらず、解像度は4K、フレームレートは120pまで選択することができます(フルHDの場合は240pまで選択可能)。4Kで100fps以上だと電子手ブレ補正が入らなくなりますが、4K/60fpsでも充分ですし、今回は、メインカメラと合わせて4K/24pでの撮影ですから、フレームレートはまったく問題ありません。メインカメラは4Kで撮影することが多いので、解像度を揃えられるのは嬉しいことです。色も記憶色に近く、グレーディングなど不要で撮って出しで今回は使用しました。

ちなみにメインシステムはカメラがソニーα7S III、ジンバルはDJI RSC 2です。

▲DJI Action 2の4K映像に、メインカメラの4K映像を合成(左下)。

DJI Action 2はカメラユニットとフロントタッチ画面モジュールを磁石でくっつけて使用することになりますが、カメラユニットだけでも撮影は可能です。その場合はカメラの内部ストレージに保存されますが、フロントタッチ画面モジュールか電源モジュールに接続されている場合は、挿入されているmicroSDカードに保存できます。実際の運用ではこのスタイルになると思います。

ちなみにメーカーの推奨カードですが、Samsung製ではSamsung EVO 128GB UHS-I スピードクラス3 microSDXC、Samsung EVO Plus 128GB UHS-I スピードクラス3 microSDXCとなっています。今回は推奨には入っていませんが、Samsung EVO Plusシリーズの256GBを使用しました。

 

胸に装着するだけではなく、三脚にも装着可能

Dual-Screenコンボに同梱されている磁気ボールジョイントアダプターマウントを使えば三脚にも楽々装着することができ、例えばサークルショットなどの俯瞰撮影が可能になります。特にサークルショット関連の質問を多くいただくので、是非ともご覧いただければと思います!

▲ミニ三脚に装着して地面に置いた。

▲サークルショット(モデルさんの周りをジンバルを持ってぐるぐる回る撮影)の様子とメインカメラでの撮影カット(左下)。

ワークフローにおいて転送速度は非常に重要

当然撮影が終わればPCへのデータ取り込みからセレクト、カット、カラーグレーディング、楽曲選曲、書き出しなど多岐に渡る作業が待ち受けています。しかも4K素材だとデータ量が重く、初っ端のデータ取り込みからつまづくケースも珍しくありません。後続作業へスムーズに入るためにも、データ取り込みはなるべく迅速に行いたいところです。

今回はカードリーダー経由とDJI Action 2経由での取り込みについて速度比較しました。

▲Samsung microSDXC EVO Plus 256GB(MB-MC256KA/EC)は最大転送速度130MB/s(UHS-I DDR200環境時)、UHS-I U3、V30、A2に対応。

 

私は編集ではM1のMac miniを使い、ストレージは、ソニーのプロフェッショナルRAID(現在は生産完了)を利用しています。

まずは各デバイスのベンチマークを比較してみました。

●DJI Action 2経由でのmicroSDのベンチマーク結果

●Samsung microSD EVO PlusをDelkin製カードリーダーを介して

microSDカードの取り込みはデルキンデバイスのUSB 3.1 SD & microSD A2 カードリーダ Read 170MB/s [DDREADER-55]を使用しました。今回撮影で使用したSamsung microSD EVO PlusはUHS-I DDR200をサポートしており、対応しているカードリーダーと組み合わせることによって、高速転送が可能となります。

●ソニープロフェッショナルRAIDをUSB3.1 Gen1接続で

●参考)Samsung Portable SSD T7をUSB3.2 Gen 2接続で

参考までに、サムスンさんからポータブルSSDのT7をお借りしてベンチマークを調べてみましたが爆速の結果になりました。

 

まとめるとこのようになります。

各デバイスのベンチマーク比較

デバイス ベンチマーク結果
Read(MB/s) Write(MB/s)
Samsung microSD EVO Plus (DJI Action 2経由※付属のUSB 2.0ケーブル接続) 21.71 20.12
Samsung microSD EVO Plus+Delkin製カードリーダー 132.73 121.22
ソニー プロフェッショナルRAID (HDD) 297.80 280.76
Samsung Portable SSD T7 755.14 756.66

▲どのデバイスもMac miniのUSB4ポートに接続して計測

DJI Action 2経由のmicroSDの結果が遅いのは、ケーブルがUSB2.0のものだということに起因するのでしょう。DDR200対応のカードリーダー(Delkin製カードリーダー)経由によるmicroSDのベンチマークは、カードの高速性能がしっかり引き出されています。

では、実際のBTS撮影素材を、私が普段編集に利用しているソニープロフェッショナルRAIDにコピーしてみます。

ちなみに撮影は4K/24pで行い、記録時間は約26分、記録容量としては25GBになります。

結果は以下の通りです。上記のベンチマーク結果と比較しやすいように、MB/sでの転送速度に換算してみました。

転送元 転送先 コピー時間 転送速度換算(MB/s)
DJI Action 2+USB 2.0ケーブル ソニープロフェッショナルRAID (HDD) 約27分 15.8 MB/s
Samsung microSD EVO Plus+Delkin製カードリーダー ソニープロフェッショナルRAID (HDD) 約4分 106.7 MB/s
Samsung microSD EVO Plus+Delkin製カードリーダー Samsung Portable SSD T7 約4分 106.7 MB/s

▲どのデバイスもMac miniのUSB4ポートに接続して転送検証を行なった。

正直、そこまで違いは出ないのでは? と思っていましたが、いざ比較するとDJI Action 2経由に比べてカードリーダー経由が6倍以上速い結果になりました。DJI Action 2経由の場合、転送速度が15.8MB/sとなっており、カードの公称値に対して大きくビハインドしていますが、これは前述の通り付属のUSBケーブルが2.0によるところが大きいのでしょう。一方、Delkin製カードリーダー経由の場合、実測で100MB/s以上の速度が出ていることになるので、カードの読み出しとしては充分及第点と言えます。

今回は約25GBのデータ量でしたが、それでも約23分の差が発生しました。microSDから直接取り込むだけでこれだけの時間を節約できると考えるとなんだか嬉しくなってきませんか…? 20分あったら素材セレクトからカット編集までできてしまいそうな気がします。

そもそもDJI Action 2自体の内部ストレージ容量はそこまで多くないので、安心して撮影に挑むためにもmicroSDカードは必須アイテムかもしれません。

Samsung Portable SSD T7へのコピーはそもそもmicroSDカードからの読み出し速度がボトルネックになっており、実際のコピー時間ではそれほどの違いはありませんでした。

▲Samsung Portable SSD T7(左)とソニープロフェッショナルRAID。筐体サイズはT7が圧倒的にコンパクト。

取り込み先がHDD RAIDでも外付けSSDでも転送時間に大差なかったのは、カードの読み出し速度がボトルネックになっているためですが、取り込み後に再度転送したり、直接編集する際には、より高速なストレージのメリットが出てくると思います。

 

今回撮影したBTS動画

今回はDJI Action 2でBTS動画を撮影しましたが、メイン撮影に支障をきたすことなく撮影できたことがかなり好印象でした。特にマグネットで瞬間的に装着できる機動力の高さがいいですね。

また、microSDによる時短は必見です。映像は編集ハードルの高さが災いして、撮影しっぱなしという方も多くいらっしゃると思いますが、スムーズに編集作業に入るためにも高速転送に対応したSamsung microSD EVO Plusを使ってみてください。そして皆さんもぜひBTS撮影にもチャレンジしてみてください!

●Samsung microSD EVO Plus (256GB)
●Samsung Portable SSD T7 (2TB)
●DJI Action 2
●SONY プロフェッショナルRAID(生産完了)

https://www.sony.jp/products/Professional/ProMedia/goo/pro_raid.html