制作現場で評価する周辺機器〜FOCUS 7 On-Camera Monitor


Report◉田村雄介
協力◉RAID  

 

外部小型モニター戦国時代! 様々なモニターが咲き乱れる! 値段は2万円からン十万円! 機能は様々!RAW収録レコーダー付き! ワイヤレスの送信機付き! 受信機付き! ハイブライトにウルトラブライト! オーバー2000nitsで太陽すらも寄せ付けない! 無名ブランド有名ブランド入り乱れてさあどれを!どれを選ぶんだいそこのお兄さんお姉さん! なにぃ? 迷ってるだってぇ? なんだいなんだい、どうだい、レコーディング機能は必要なのかい? 今は必要ない…っと。使ってるカメラはなんだい? ミラーレス…っと。普段のお仕事ぶりはどんな感じだい? ワンマンで頑張ってる…ってかいそーかいそーかいほんじゃぁあこんなのはどうだい! ブランドもんのSmallHDはFocus7! なんてったって新発売のピッチピチだよ! 明るいよ!

▲7インチタッチパネル/1920×1200解像度/1000nits/フルサイズHDMI入力/ソニーLシリーズバッテリースロットx2/電圧6.0〜8.4V/幅17.58x高さ11.91x奥行2.79cm/質量793.79g/マウントポイント:底面、左右側面、背面に1/4インチネジ/SDカードまたはUSBストレージデバイス経由でLUTインポート可/ゼブラ、ヒストグラム、波形、ピーキング機能あり。92,000円(税抜 /RAID WEB SHOP)

 

今回、SmallHDの日本国内正規代理店である株式会社 RAIDからお借りして試用させてもらったモニターはFOCUS 7。SmallHDのFullHD7型パネルラインナップの中で最もリーズナブルなものとなる、1000nitsのモニター輝度を持つHDMIモニターだ。SmallHDの中ではリーズナブルな価格帯なためトレードオフとなる部分はあるけれども、まず大切な要素であるモニターの見え方という部分に関しては、とても好印象だった。さらっと書いてしまうが、とにかく見える。明るい。ここはカメラメーカーさんには申し訳ないが普段見て撮影している本体液晶とは雲泥の差。

まず明るさが前述の通り1000nitsあるため、屋外での使用にも充分耐えることができる。晴天下の日光直射状態ではさすがに厳しいところがあるものの、ちょっとの工夫で解決することができる。オプションのサンフードがあれば完璧だろう。そしてタッチパネルの応答性も非常にスムーズでストレスなく動いてくれる。

様々なアシスト機能や設定項目を選ぶメニューはSmallHDの最新のOS3となり、これがとてもよく考えられていて上位機種同等の操作性だ。ここでちょっと気になるのがタッチパネル操作による画面の汚れなのだが、そもそも汚れがつきにくいようなコーティングになってるように感じた。とはいえ3〜4日試用した間、何度かクリーニングクロスで拭き取るような汚れがついたが、非常に簡単に汚れを落とすことができた。マットな質感の外装部分についた手の脂もこれくらい簡単に拭き取りたい(笑)。

 

▲晴天時の屋外でこれくらいの見えかた。画面に反射はするもののちょっと遮ってやるとしっかり見える。視野角も充分。

 

おすすめユーザーは?

モニターとしての基本がしっかりしていることを踏まえ、FOCUS 7をお勧めしたい層はどのあたりかとなると、ずばり以下のような形で活躍するクリエイター。

●DSLRやミラーレス、BMPCC4Kなどを使用し、ワンマン撮影がメインのクリエイター

●現状外部モニターは持っていないが最初の一枚としてチョイスを迷っているカメラマン

理由は色々だが、実は少し足りない部分があって上記層への推薦となる。

そのFOCUS 7の足りない部分とは価格帯なりなのだけど、接続端子として入力のHDMI1系統しかなくスルー出力がないため、必ずこのモニターが映像出力の末端になるというところだ。SDI出力のないカメラを使用するワンマンクリエイターに勧めたいという理由はそこだ。ディレクターがいる場合などはディレクターモニターに持って行かれてしまうため結局本体液晶で撮影せざるを得なくなってしまう。場合によっては何系統か画を出したいがモニターで分岐させて…ということもこの場合不可となる。そこで出てくるのが二つめの「とりあえず最初の一枚に」という人向けだ。

▲ディレクターのふりして変なセルフィー。それにしてもFOCUS 7は軽い。造りの良い7型モニターを持ってる感があまりない。

FOCUS 7自体、モニターとしてはとても優秀なので、まずサイズ感の確認としてリーズナブルなFOCUS 7を購入し、ゆくゆくは702 Brightや702 Touch、もしくは自分用の小型モニタとして502 Brightをチョイスなどということも考えられる。これらの上位機種となればスルー出力があるため、モニターを中継させてディレクター用のFOCUS 7に送り出すことが可能となるためだ。何を買うか迷っている最初の一枚にFOCUS 5ではなく(FOCUS 5は小型で入門用かと思いきや、用途が完全に見えているクリエイター向けではないだろうか)7型を奨めるのも、ゆくゆくの選択肢を充実させるという意味だ。

▲ディレクターが見ているFOCUS 7に出してる画は702 BrightのHDMIスルー出力から。軽量なのでディレクターも楽。

▲普通に上部にセットアップするも良し。操作はし難いけど集中して見るなら反転も良し。ちなみに画面はオートローテーションだ。

 

電源とHDMI

電源入力は基本的にLバッテリーからの供給のみとなる。小型カメラの外部モニターに使うバッテリーはLP-E6が絶対正義マンからすると、大きいLバッテリーを使用した時のアンバランス感はなんとも言えないものがあるので、一瞬うーん…と思ったが、NP-F550サイズオンリーでの運用にすれば、あのカメラは今夏以降とても喜ばしいことになるかな、と。そう。BMPCC4Kだ。今夏発売予定のバッテリーグリップと共通運用にしてしまえば充電器も1種類で済む。

しかしそもそも5型のモニターが奢られているBMPCC4Kに、7型こそアンバランスではないかと思われるかもしれないが、どっこい2インチの差はなかなか大きい。そして明るさもBMPCC4Kのモニターは内蔵モニターとしてはかなり優秀な部類だが、さすがに1000nitsには負ける。SmallHDもこの用途を想定してかBMPCC 4K Utility Packなるアクセサリーパッケージを用意している。

一つ気をつけたいのがHDMIケーブルだ。HDMIコネクタが奥まったところにあるためコネクタが大きいケーブルだと接続できない可能性がある。実際試用していた際も一本かなりギリギリなケーブルがあった。この辺は実際手元に届いてからフィッティング確認するのが重要だ。

もう一つ、汚れは落ちやすいと書いたものの、屋外で使用していると指の汚れ以外にも砂埃など細かな汚れが多数つく。そのまま拭き取るのでは傷にもなりやすい。長く大事に道具を使用することは映像に対する意識にも繋がる部分だと思うので、この辺のケアはしっかりしたい。幸い良さげな防汚コーティングなので、まずはブロアで吹いてあげるだけでもそこそこ埃は飛んでくれる。どうしても気になる場合は純正オプションとして発売予定の保護フィルムを貼ってあげるのも良いかもしれない。もしくは機種に合わせたオーダーメイドの保護フィルムを作ってくれるVis-a-Vis (ビザビ)さんにお願いしてみるというのも良いかもしれない。

▲ちなみに普通の撮影で丸1日に必要となる目安はこの赤いバッテリーで4本から6本ほどだ。外部電源使えないと長時間運用時に困る! という人も安心して欲しいのが充実のアクセサリー類。ダミーLバッテリーからD-Tap、各国コンセント対応のACアダプタにつながる純正アクセサリーもちゃんと用意されている。そしてカメラへの電源出力用のアクセサリー類の充実は非常にありがたく、主要各メーカーのダミーバッテリーアダプタが用意されている。オプション類についてはRAIDに問い合わせ(☎︎03-5765-2044)を。

 

▲BMPCC4K(写真左)とGH5との見え方比較。視野角的に若干アンフェアなところもあるが、特にGH5に対しては画面サイズの優位性が顕著。

 

まとめ

安価で良質なモニターが多数存在する2019年現在にも関わらず、Sma llHDが各現場で人気な理由はモニターとしての優秀さだけではなく、しっかりとしたビルドクオリティとセットアップ時の見栄えの良さ、つまるところ「カッコいい」という部分も大きいだろう。それこそ僕がフリーランスになった8年前頃はCineroidかSmallHDかZACUTO辺りのEVFやモニターにキラキラ(?)憧れていたものだ。外付けモニターはいまだに競争が激しいジャンルではあるけれども、サイズごとに非常に細かなバリエーションを設けているSmallHDのラインナップには今後も期待を抱かざるを得ない。ちなみに僕の普段の愛用モニターは502 Brightです(笑)。


▲GH5でのセットアップ例。横に本体モニターを出しつつ使える。本体との間のクリアランスもあるので移動時にはひっくり返すと傷防止にもなる。

 

◉RAID WEB SHOP   https://www.raid-japan.com
03-5765-2044 受付日時 / 月 – 金 10:00 – 19:00

 

ビデオSALON2019年7月号より転載