玄光社刊行の雑誌VIDEO SALONとCommercial Photoが共同開催した映像と写真の展示会イベント「CREATORS EDGE2023」。過去最高の動員となった同イベントの出展社企業ブースの模様を2回に分けてレポートする。ここでは撮影や編集に関する周辺機器メーカーを中心に紹介。カメラメーカーのレポートはこちら

レポート●武石 修

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1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。iStockコントリビューター/DaVinci Resolve 認定エンドユーザー。https://osamu-takeishi.com/
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■サムスン

(11月7日修正しました)

ポータブルSSDの新モデル「T9」をメインに訴求していた。発売は10月。USB 3.2 Gen 2×2に対応したことで約2GB/sの高速転送が可能になり、PCへの転送時間の短縮ができる。

加えて、microSDカードの「PRO Ultimete」シリーズも10月発売の新モデル。専用カードリーダーの使用が前提となるが、従来よりも高速な読み出しができるという。


T9。ポータブルSSDは内蔵の記録メディアよりも容量当たりの単価が安いのも利点。


SSDなら、PCに繋げてすぐに編集するといったことも可能。


microSDカードの読み出しの遅さを改善したのがPRO Ultimete。読み出し速度は最大200MB/sとしている。

 

■タムロン

タムロンのイチオシは2本の新レンズ。ニコン Zマウントに新対応した「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」が10月31日に発売となる。超望遠レンズながら買いやすい価格とあって注目を集めている。

もう1つは、ソニーEマウントの「17-50mm F/4 Di III VXD」(10月19日発売)。17mmの超広角なので、これもVlogなどには好適なのではないだろうか。


500mm対応ながら小型の150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD。


17-50mm F/4 Di III VXDはインナーズームを採用。ズーミングでバランスが大きく変化しないので、ジンバルにも向いているレンズとのことだ。


リグをセットして動画撮影を想定したデモも行っていた。

 

■イメージビジョン

カメラケージシステムのFALCAMブランドのポータブルSSDのホルダーを展示。ケージに装着して使うタイプとなっており、近日発売となる。

そのほか参考出品として、datacolorの動画向けカラーチャートがあった。DaVinci Resolve、Premiere Pro、Final Cut Proなどの動画編集ソフトで使用可能。色域はRec.709対応している。

 


SSDホルダーは、挟み込むだけで簡単にSSDをセットできる。


動画向けカラーチャート。ケースに入っていて携帯しやすそうだ。


フランジバック調整用のチャートも付いている。

 

■アガイ商事

 

手持ち型のスモークマシン「SmokeGENIE」が来場者の関心を集めていた。発売予定は10月。可搬性に優れた小型サイズなのでロケでも使いやすい。料理の湯気の演出などにも使えるという説明だった。

スモークの元になるリキッドや先端に付けるファンといった各種アクセサリーのほか、ケースもセットになって税込75,900円。電源はUSB Type-Cによる充電式だ。


SmokeGENIE。片手で持って好きなところにスモークを出せる。スモークの量や速度は細かく調整可能。


付属のリモコンを使うと複数台のコントロールも可能。


AptureブランドからはLEDライト「INFINIBAR PB6」が登場。バーの先端まで発光するので、複数繋げても境目が見えにくい。

 

■H&Y Filters Japan

折りたたみが一瞬でできることから人気が集まっているSMDVのビューティーディッシュ「FlipBeauty」シリーズが展示されていた。アタッチメントを変えることで、一部のLEDライトでも使用可能。品質にも自信があると話していた。

H&Yの各種フィルターも展示。ブースのイチオシは「REVORING SERIES」で、マグネットによりフィルターやマットボックスを素早く着脱できるシステムとなっている。

畳んだ状態のFlipBeauty。


一瞬で広げることができる。


H&YのREVORING SERIESも展示。異なるフィルター径のレンズでも1つのフィルターシステムで対応できる。

 

■BRAIN MAGIC

DaVinci ResolveやPremiere Proといった動画編集ソフトの操作を簡単にする「Orbital2」シリーズを展示していた。

あらかじめ割り当てた機能を実行できる「左手デバイス」。ジョイスティックとボタンにショートカットキーを割り当てるので、ショートカットを覚えなくて済む。

2機種あり、「Orbital2 STERNA」はエントリー向け。「Orbital2」は振動フィードバック機能などを搭載した上位モデルとなる。

Orbital2。机に手を付けたまま動かせるので疲れが少ないという。振動フィードバックがあり操作したことを確認できる。


Orbital2 STERNAはホワイトカラーになる。バッテリーなどは搭載しておらず、USBで接続して使用する。


Premiere Proでの使用例。ジョイスティックを倒すと割り当てた機能が表示される。ソフトごとにあらかじめプロファイルが用意される。

 

■HIGHLAND SUPER8 LAB

8mmフィルムの販売や現像を手がけるサービスを展開している。申込みはWebサイトから行え、フィルム購入者には整備済みの8mmカメラを1日無料で貸し出すサービスも行っている。

現像のみの依頼も可能で、イマジカで現像する。また、現像後は必要に応じて4Kへのスキャニングサービスも行っており、ネガポジ反転や簡単なグレーディングにも対応する。

最近はミュージックビデオにおいて8mmフィルムでの撮影需要があるとのこと。若い世代の利用も多いという。

 


貸し出すのは動作確認済みの8mmカメラ。レンタルサービスは、手持ちのカメラの予備としても安心だ。


販売するフィルムの1つ。


オーナーはハリウッドで映像製作を学んだ人物。LINEで相談ができるのも心強い。

 

■NS

3Dの人物などを表示できるARシステムを紹介していた。現実世界の上に3Dモデルを表示できるので、例えばライブ会場で観客にARで見てもらい、ステージ端などの空きスペースにもタレントを表示するという使い方があるとのこと。

その時に広告を表示することも可能で、新しい広告スペースとしての展開にも力を入れるという。3D撮影のノウハウがないクライアントに対しては、撮影も含めて提案する。

 


ARをスマホで見ると、自由視点なのがわかる。例えばスマホを持って後ろに行くと人物の背後に回り込める。


地面に立っているような表示も可能。人物のサイズを変えることもできる。


ステージの演出やイベントでの情報表示などへの応用も考えているそうだ。

 

■Vook

「Vook」は映像制作者向けの情報を集めたWebサイトだが、今回は「Vook School」という映像製作が学べる講座の案内をしていた。

プロが監修するカリキュラムを各自のペースで学ぶことができ、2-5カ月ほどで卒業できる講座となっている。ビデオグラファーコースのほかに、とモーショングラフィックスコースも用意されている。プロがメンターとして相談に乗ってくれる仕組みもある。

ビデオグラファーコースは平日夜の開校なので、仕事をしながら通う社会人も多いという。


2週間無料の体験モニターを募集中だ。スクールは渋谷にある。


プロ養成のスクールで、すでに業界で活躍している卒業生もいるそうだ。

 

●CREATORS EDGE2023公式サイト

https://www.creators-edge.com/