【レビュー】DJI Mavic 2 Proユーザーが実際に使ってみて感じたDJI Mavic 3 Classicの進化点


日頃はDJI Mavic 2 Proを愛用しているビデオグラファーの今福さんに新しく発売になったMavic 3 Classicがどう進化しているのか? 従来機との比較も交えつつ、テストしてもらった。

テスト・文●今福彩夏

Profile:株式会社ai move 代表取締役。1993年生まれ。福岡県北九州市出身。高専で化学を勉強したのち、大阪のガス会社に入社。働き方に違和感を感じ、2年目で退職を決意。退職希望日から1カ月を切ったタイミングで上司に「辞めます」と伝える。 準備や知識ゼロ、知り合いも居ない関⻄の地で、幼い頃に夢見た「プロのカメラマン」として生きていくことに挑戦。 2016年8月に映像制作事業とメインに ai move(アイムーヴ)を開業。2021年1月に法人化。退職金で購入した機材と共に少しずつ道を開き、現在では国内だけでなく、海外でも28ヵ国で撮影を実施。「映像」をツールに「繋ぐ」ことを意識した制作を実施し、ドキュメンタリー調の映像を得意としてプロモーション制作などを手がけている。

 

今回は、11月に発表されたDJI Mavic 3 Classicをお借りした。私自身、2017年頃から初代のMavic Pro、Mavic 2 Proと使用している。Mavic ProからMavic 2 Proを購入した際に、大幅な画質や飛行パワーの向上もありかなり満足しており、仕事での使用を考えるとMiniやAirは購入しても予備機という位置付けになるため、その後の新シリーズ購入を考えていなかったが、いつの間にか4年程経過していたこともあり、今回は驚きが多いデモフライトとなった。

私のように、数年前に購入したシリーズで満足してしまっている人にぜひ読んでいただきたい。

 

細やかなデザインのアップデート

外観のサイズなどは公式の情報を参考にしていただきたいが、基本的にパッと見の大きさはMavic 2 Proから大きく変更はない。

 

下写真のようにジンバルのカバーがカメラ部分のみを覆うものから、カメラ部分に加えてプロペラも固定できる形のバンドタイプに変わっていたのは新鮮だった。

また、以前はSDカード、USB端子などがバラバラ配置されており、端子のカバーが3箇所もあったため、慣れるまでに時間がかかっただが、Mavic 3 ClasiccではUSB-C端子& SDの挿入口が1箇所にまとまっており、シンプルに使いやすくなっている印象を受けた。

▲Mavic 2 Proの端子部
▲Mavic 3 Classicの端子部

 

脅威のバッテリー性能!!! アダプターなしで充電できるのもうれしい

今回、個人的に気になっていたのはMavic 3シリーズから大幅にアップデートされたバッテリーの持続時間。Mavic 3 Classicは最大飛行時間が46分。これまで所有していたMavic 2 Proが31分なので、比較すると15分も飛行時間が延びていることになる。なおかつ、機体自体の重さは軽くなっているという技術力に驚いた。

ドローンの場合、当たり前ではあるがフライト場所からホームポイントへのリターンのことを考えるとバッテリーをフルで使うことは危険である。そのため、Mavic 2 Proの場合、実質のフライト撮影時間は20分程度までと決めていたが、Mavic 3 Classicであれば、余裕を持っても30分は撮影することができた。今までの時間感覚からすると、気持ち的にもかなり余裕を持った撮影をすることができた。

また、Mavic2ProではACアダプタや充電ハブを使用しないと本体バッテリーを充電することができなかったが、ACアダプタなしでUSB-C端子を使用して直接充電することが可能になっており、旅行などちょっとした撮影でドローンを持って行きたいときは、荷物がかなりコンパクトにまとまるのが嬉しい。実際、今回もフライトでの出張時に機内持ち込みサイズのスーツケースに入れていたが、邪魔になるほどの荷物にならなかったため感動した。

 

DJI RCがシンプル&スマート!

今回、初めてDJI RCを使用させていただいた。今までの私のスタイルは送信機にアダプタをつけてiPad miniを接続するという方法で操作していた。

まず、パッと見た目からもわかるように、DJI RCはモニターを含めてすべて1台で完結するためとてもスマートである。荷物も圧倒的に少なく済む。iPad接続スタイルの場合、タブレットとして普段使いもしているため肝心なiPadを持っていくのを忘れないように、と毎回ヒヤヒヤしていたが、そんな心配も必要ないというのも嬉しいポイント。

画面の輝度もiPadと比べるとかなり明るかったが、今回の撮影環境的に、雪景色の中であったためか周りからの反射も多く眩しかったため、場合によっては少し影に隠れたりする必要があった。

しかしながら、iPad接続をするための準備に時間を要する&移動の際に解体する必要があるため、無駄な作業や時間を取られてしまい、ドローンを飛ばすのが億劫になってしまうときもあったが、今回DJI RCを使用し、その煩わしさから解放されたのも感動であった。

 

オート撮影機能の活用

今まで、RTH機能も怖くてほとんど使ったことがなかったが「マスターショット」という機能が気になったため、周囲の安全を確保した上で活用してみた。

 

実際に撮影したマスターショットはこちら。

 

中心に見えている学校をマスターショットの被写体として撮影した。自動での撮影機能に不安があったが、1回目に撮影した際は、高度が足りなかったため、撮影の途中でも自動でしっかりとストップしてくれた。

普段撮影するときには使わないような動きもあるが、新たな発見もあり面白い機能だと感じた。編集時に困らないようなショットを画角や撮影方向、ドローンの動きを変えて撮影してくれるため、旅行など手軽な撮影の際はもちろん、現場でも撮影レパートリーが思い浮かばないときに実施すると、思いがけない撮影アイデアが出てくるかもしれない。アプリ上での編集テンプレートも豊富なので、趣味でSNSにアップするなど手軽な撮影にも活用できそうだ。

 

また、今回、雪景色の中での撮影ということもあり、上記のマスターショットの映像は余計にエッジのギラギラ感が目立ってしまっているが、log撮影であれば問題なかった。

この撮影時は明るさをオートにしていたが、雪のディティールも白飛びすることなくきちんと調整してくれており、オート撮影の精度にも驚いた。ドローン撮影は機体の操作に集中するため、明るさ調整をマニュアルでするのが難しい場面も多いが、ここまで自然に調整してくれるのであれば、オート機能を活用してオペレーションに集中しても問題ないと感じた。

▲静止画をRAWで撮影・現像(原寸大のデータは写真をクリック)

 

まとめ

総合的に見て、この数年間でドローンの使い勝手や映像の美しさはさらにレベルアップしていた。今までドローンを使用している中での無意識レベルでの煩わしさがなくなり、ストレスなく、使いたいときに抵抗なく「飛ばしたい」と思えるものに進化していると感じた。

Mavicシリーズも色々と販売されているが、このClassicについてはMavic 3の望遠レンズがついていない版だと考えて問題ないと思う。実際、今までドローンを使っていて「望遠ほしい!」と思ったことはないので、個人的には余計なものが省かれて、金額的にも手が出しやすくなったというポジティブなアップデートに感じる。

DJI Mavic 3 Classicの製品情報
vsw