航空法改正直前スペシャル! 映像制作者がこれからドローンを飛ばすために必要な航空法の手続きについて


いよいよ6月20日より施行される改正航空法。これによってこれまでとドローンの扱いがどう変わるのか? 100gを超える機体は機体登録が義務化されることになるが、従来どおり飛ばすことができないのか? 様々な情報が飛び交っているが、今後ドローンを使う映像制作者がどのように手続きを進めていけばいいのかドローン撮影のスペシャリスト稲田悠樹さんに解説してもらった。

解説●稲田悠樹

 

Profile
株式会社コマンドディー代表取締役兼ドローンパイロット。熊本にて2015年にドローン事業で独立。九州をメインにPV,CM,テレビ番組等の空撮を行う。その他、災害時の被害調査、実証実験、システム開発などのテストパイロットなども行う。WEB●https://command-d.com/

 

映像演出としてすっかり市民権をえたドローン。これからもどんどん利用されていくかと思いますが、今年いくつか航空法の改正があり、今まで通り飛ばすにはどうしたらいいのかを解説していきます。

 

▼結論から言うと

「機体登録制度に対応すれば、今までの内容はそのまま残るので、今まで通り飛ばすことができる。」です。

では、メディアで目にする、「免許制度になる」「国家ライセンスになる」などというワードを聞いたことがあるかもしれませんが、少し説明不足な単語になります。映像で例えると「カメラの設定何で撮ればいい?」「F8で撮ればいいよ」というやりとりに近いです。質問もアバウトゆえに回答もアバウトです。お互いにこれでは説明不足ですが、場合によっては偶然正解の人も出てしまいます。

話を戻します。今回の法改正は、今まで国交省が許可承認を出していなかった、レベル4と言われる「第三者上空の飛行」「補助者なしでの目視外飛行」を行うために、今までの枠組みの上位の枠組みができたと思っていただくとわかりやすいと思います。よってこの2点を行わないのであれば、機体登録制度に対応すれば、今までと同じように飛行させることが可能です。

 

では詳しく解説していきます。ポイントは3つ。「今までとの変更点」「機体登録制度」「新設されるルール」です。

 

▼国交省から出ているこの資料を解説していきます。

新しい制度については、このように記載されています。

https://www.mlit.go.jp/koku/content/001478580.pdf

 

 

▼今までとこれからの変更点

今までとこれからの比較は、以下の図です。

このように機体の登録を行えば、今までと同じ内容が残るので、今までの手続きでそのまま飛行可能です。噂される「ドローンを飛行するには免許が必要」という状況にはなりません。

航空法の禁止事項に抵触しない限りは今まで通り飛行可能です。禁止事項に抵触するような形の飛行を行うのであれば、国交省の許可承認を得ることで飛行可能になります。

では新たにできるものは、最後の国交省の許可承認のさらに一部の飛行について許可されなかった飛行が新設されるルールによって許可されるようになるという点です。よって、今までの枠が残りながら上位の枠組みが追加されると言うことです。

このように機体の登録を行えば、今までと同じ内容が残るので、今までと同様に飛行可能です。噂される「ドローンを飛行するには免許が必要」という状況にはなりません。

 

補足:航空法の禁止事項とは?

飛行禁止空域と順守する必要があるルールがあります。

参考 国土交通省「ドローンの飛行ルール」

https://www.mlit.go.jp/common/001303817.pdf

 

機体登録をした上で、これに抵触しなければ飛行可能です。そしてこの内容を行いたい場合は、国土交通省に許可承認の手続きを行う必要があり、今まで通りの手続きです。

では、「何が変わるのか?」というと、今まで許可承認が出ていない運用(第三者上空の飛行、補助者なしでの目視外飛行)が、新設されるルールによってできるようになるという点です。これは、長距離の物資搬送などでの用途が想定されており、そのために今年新たに追加される予定です。この新設されるルールについては後ほど解説します。

 

▼新設されるルールについて

先に紹介した機体登録制度と別途今年中に始まるのが、「操縦者技能証明制度」と「機体認証制度」です。

まず、飛行の内容に応じて下図のようにカテゴリーⅠ〜Ⅲに分類されます。カテゴリーⅠとⅡに関しては、今まで存在していた内容ですので、新たにカテゴリーⅢの内容の飛行を行いたい場合に新設される「操縦者技能証明制度」と「機体認証制度」に対応する必要があります。

この「機体認証制度」はメーカーが国土交通省に対して行うもので利用者が行う必要はありません。先に解説した機体登録制度と名前が非常に似ているのでややこしいですが、登録制度とは別物です。機体登録→ユーザーが行う、機体認証→メーカーが行う。

「操縦者技能証明制度」は、今年中に整備される予定で、取得のための手続き方法が概要のみで具体的には発表されていないので、具体的に発表されてから解説したいと思います。ただし先に解説した通り、今まで許可承認が出ていない運用(第三者上空の飛行、補助者なしでの目視外飛行)を行わないのであれば今までの許可承認の手続きで飛行可能です。

 

参考:国土交通省中間とりまとめ骨子(案)6P

https://www.mlit.go.jp/common/001374761.pdf

 

 

▼補足ポイント「耳にするワードの違い」

ドローンの資格? 免許? ライセンス? 何がどう違うのか混乱しそうなワードをここで正しく理解しましょう

このように航空法の禁止された事項を行うために必要なものは、「機体登録」+「許可・承認」もしくは「無人航空機操縦技能証明(別名:操縦ライセンス)」の取得です。

 

なのでできることが増えるという順番に書くと、

①航空法の禁止事項をしない。

②国交省の許可承認を得て禁止事項ができるようになる。

②とほぼ同じ→操縦ライセンス2等級を得て、禁止事項ができるようになる。

③操縦ライセンス1等級を得て、レベル4の飛行ができる

という区分けになります。(ユーザーが機体登録はいずれの場合でも必要)

 

▼機体登録制度について

2022年6月20日から必須となる、機体登録制度は100g以上のドローンに適用となり、映像で利用するドローンはほぼ該当しますので、実際に行うべき作業になります。

また注意すべきところは、今まで航空法の適用外であったDJI Miniシリーズは199gなので、今回の改正によって、航空法の適用となりまたこの機体登録制度にも適用になります。

内容としては、専用のサイト(書類でも可能)から、ユーザー情報と機体の情報を登録すると専用のID(車でいうナンバープレート)が発行されます。そのIDをリモートIDと呼びます。そしてそのリモートIDは、対応したドローンのアプリから登録することで、機体登録制度の手続きが完了となります。

 

▼無人航空機登録ポータルサイト

https://www.mlit.go.jp/koku/drone/

 

▼国土交通省ドローン登録システム入力画面

 

▼DJI機体でリモートID対応の機体

https://www.dji.com/jp/newsroom/news/dji-remoteid

▼リモートIDに対応した機体の登録作業

ドローン登録システムにて登録完了し、IDが発行されたら、上記リモートID対応している機体(ここではMini 3 Proを使用)を起動し、アプリDJI FLY上で連携させることができる。「設定」→「安全」→「無人航空機システム リモートID」へと進もう。

 

そうすると、ドローン登録システムのログインを求められるのでログインIDとパスワードを入力して連携ができるようになっている。

 

補足1:DJIの機体でリモートIDに対応していないものはどうすればいいかというと、外付けのリモートIDユニットを取り付ける必要があります。

補足2:2022年6月19日までに登録が完了していれば、内蔵リモートIDに対応していない機体であっても、発行された登録記号を機体に貼り付けるだけでOKという特例対応もあります。

 

▼新設されるルールについて

先に紹介した機体登録制度と別途今年中に整備される予定なのが、「操縦者技能証明制度」と「機体認証制度」です。

まず、飛行の内容に応じてカテゴリーⅠ〜Ⅲに分類されます。それに応じて必要な手続きが変わってきます。ただし、カテゴリーⅠとⅡに関しては、今まで存在していた内容ですので、新たにカテゴリーⅢの内容の飛行を行いたい場合に新設される手続きを行う必要があります。その手続きが「操縦者技能証明制度」と「機体認証制度」です。

操縦者技能証明制度ついては、今年中に整備される予定ではあるものの、映像制作に置いて必ず必要とは言えないかつ、取得のための手続き方法が概要のみで具体的には発表されていないので、具体的に発表されてから解説したいと思います。

 

▼まとめ

機体登録制度は必ず手続きを行いましょう。また今まで対象外だったDJI MINIシリーズが航空法の規制対象になるので、航空法の禁止事項も機体登録も両方対応する必要が出てくるのでご注意を。