作業効率を大幅に向上する時短デバイス Loupedeck Liveは 写真・動画・ライブ配信とマルチに活動する プロの目にどう映る?


Loupedeckから登場したLoupedeck Liveは動画や写真編集の主要ソフトはもちろん、ライブ配信用ソフトにも対応し、ショートカットキーを割り当てて作業を大幅に効率化できる。日頃は写真を中心に動画、YouTubeでのライブ配信も手がけるフォトグラファーの中西 学さんにその使用感をレポートしてもらった。

テスト・文●中西 学

 

 「動画」や「写真」の加工・編集などその作業時にはキーボード+マウスでの膨大な編集作業にかなりのストレスを感じていたのではないでしょうか? 2016年11月、フィンランドのメーカーによりクラウドファンディングでスタートした動画・写真の編集用コントロールディバイス「Loupedeck」シリーズ。同シリーズは初代”Loupedeck” 、”Loupedeck +”、”Loupedeck CT”と進化を遂げてきましたが、今回は最新作であり、”ライブ配信”の作業効率を爆上げしてくれる「Loupedeck Live」をフォトグラファー中西 学がご紹介致します。

 

待望のシリーズ最新モデルはサイズも価格も小型化して使いやすさUP!

 シリーズの中では”CT”が小型で非常に使い勝手が良かったのですが、CTの下部にあるスクエアボタンやホイール部が省略された”Live”は150x110x30mm、230gと、さらなる小型軽量化を実現。サイズ感としてはスマホをひとまわり大きくした感じです。シンプルだからこそ、より必要なボタンに集中できるところが進化したポイントです。

▲Loupedeck CT。サイズは150×160×30mm。

 

デスク上にはPC,ケーブル、充電器、ヘッドホン…何かとゴチャゴチャしがちなものですが、このサイズ感であれば持ち運びがさらに楽になったのはもちろん、より編集作業やライブ配信に集中できる環境を整えてくれます。価格もLoupedeck CTが69,980円だったのに対し、Loupedeck Liveは37,900円と約半分になり、より多くのユーザーにおすすめしたいアイテムです。

 

操作性も抜群

▲Loupedeck Live。サイズは110×150×30mm。

本体の操作より使いやすく設計されていて、サイドにダイアルボタン、真ん中にタッチスクリーン、下部に丸い物理ボタンを配置しています。8つある丸ボタンの左はホームボタン。1~7にお使いのソフトのショートカットを割り当てることができます。

元々対応しているソフトであれば、それぞれに最適化されたショートカットが元々割り当てられているし、さらに自分のよく使う機能を割り当てることも可能です。個人的に気に入ったのは、タッチスクリーンに表示されているビジュアルです。ボタンが多くなればなるほど、どの機能をどのボタンに割り当てたのか分からなくなってしまいますが、タッチスクリーンを見れば一目瞭然です。各対応アプリのアップデートにも常にLoupedeckのWEBサイトでアップデートが頻繁に行われていて、最新のアップデート等にも即対応しているようです。

 

本体の使用感

本体の筐体は上部と側面が金属でできていて、高級感がある作りに仕上がっていて、よくこの値段の商品にこの素材を使ったというのも感動です。また、タッチパネルに振動ギミックもあり、そのボタンを触ったことがわかります。また、プッシュ式のボタンとしても使えるダイヤルボタンはフリーで回る仕組みになっていて、段数ごとクリックがつけられています。

 

その他、放熱処理も高く、フラットで使うパターンと長時間利用する場合に斜めに設置できるように部品が入ってるので、熱処理を考えているシステムに仕上がっています。こうした部分に細かい気遣いが感じられます。

 

 

 

よく使うアプリでの使用感

まずLoupedeck Liveを起動して初期設定するときに、よく使う環境にチェックを入れます。私は「LIVE」、「Photo」、「Video」にチェックを入れ、立ち上がった画面を見てみると、Chrome、Gmail、Twitterのおなじみアイコンが出てきたのにはビックリしました。

 

▲自分がよく使う項目にチェックをして立ち上げた画面

 

次に、デフォルトで対応しているFinal Cut Proを起動してみました。編集画面に入ると、よく使うキーがタッチスクリーン上にレイアウトされています。これを導入したら編集スピードが格段に上がる!! というのが即座にわかるし、早くLoupedeck LIVEを使って編集してみたいという意欲に駆られます。その他、Capture Oneを起動してみましたが、自分用にカスタマイズされたの?ってくらいよく使うキーが配置されています。

▲Final Cut Pro

 

▲Capture One

 

ライブ配信にも利用可能

Loupedeck Liveはソフトウェアも4.3にバージョンアップされ、「Streamlabs OBS」 、「OBS Studio」、「Twitch」など主要なライブストリーミング用ソフトとの互換性があり、ストリーミングシーンでの画面切り替え、オーディオチャンネルの音量の調整、マイクレベルなど自由自在に調整ができます。”CT”は主に動画編集などのクリエイティブツールを使うのに活用していましたが、Loupedeck ”Live”はLive配信により便利さを感じるツールとなりました。今回は日頃よく使うZoomで試してみました。

 

▲アプリでZoomのショートカットを割り当てた

 

 

カスタムは無限の可能性!?

デフォルトで設定されたアプリケーションの幅広さは言うまでもなく、上記に挙げたソフト以外にも「Photoshop」、「Premiere」、「Illustrator」、「Final Cut Pro」、「Ableton Live」など、写真だけでなく映像編集や音楽制作など様々なクリエイティブアプリに対応しているので、カスタムプロファイルをダウンロードするだけで、細かい設定はいくらでも自分好みに配置できます。

 

▲Premiere Pro

 

▲Photoshop

 

▲Lightroom

 

また、デフォルトでは対応していないソフトに関しても、専用の設定アプリにてオリジナルのプロファイルを自分で設定して割り当てていくことができ、事実上どのソフトでも使えるようになっています。

▲Macの標準機能などを割り当てたもの

 

幅広いソフトに対応し、自分の好みにカスタマイズできるLoupedeck Liveは、設定次第では作業の効率化を無限に突き詰めることができます。ぜひ自分の使いやすいセッティングを見つけてみてください。

 

Profile

中西 学(フォトグラファー)

1976年岡山県生 最終学歴:神戸電子専門学校CG/CAD科 風景写真を元々専門で撮影をし、近年はドローン写真家としても活動。 2016年に行われた伊勢志摩サミット開催時には、三重の空撮写真(ドローン)のみの写真展をソニーストア名古屋とイギリスの日本大使館で開催。 写真家目線での動画撮影、編集も数多く手がけている。 所属団体:公益社団法人日本写真家協会(JPS)、日本UAS産業振興協議会(JUIDA) https://www.ukphoto.co/

 

●Loupedeck LIVEの製品情報

https://www.saeda.co.jp/loupedeck/loupedeck-live

 

 

 

vsw