本誌読者投稿コーナーViewsやウェビナーにご参加いただいた読者の皆様限定で無料体験モニターを募集。1カ月間、実際に使っていただいた読者の橋本泰樹さんにDJIの折りたたみドローンのフラッグシップモデルMavic 3 Proの使用感をレポートしてもらいました。
テスト・文●橋本泰樹
初めまして! 九州の佐賀でカメラマンをしているたいきです。普段のお仕事では、FPVドローンやMavic 3を使用した広告やCM関連の撮影をしています。DJIのドローンはAir 2やMini 2などから愛用しており、今回は新製品であるMavic 3 Proのレビューでは今まで使ってきたドローンとの違いを踏まえつつ、最も変化のあった3眼カメラに注目してお話していきたいと思います!
Mavic 3 Proとは
2023年5月に登場したMavic 3の後継機。Hasselbladの2眼カメラから3眼カメラへアップデートされており、フルサイズ換算70mmのレンズが追加。今回はMavic 3 Proをお借りしたので、実際に飛行させてMavic 3からどのように変わったのかを見ていきたいと思います。
3眼カメラになった影響
2眼から3眼に変わった点について
今回お借りしたMavic 3 Proは、初代Mavic 3に新たに70mmのカメラが追加され、24mm.70mm.166mmの3つのレンズで構成されています。3眼レンズに変わり、フライト中に焦点距離を切り替えることで、あらゆる画角にアプローチできます。追加された70mmの画角は、痒いところに手が届くちょうど良さを感じます。
同じ焦点距離での一番大きな違いは「解像感」
Mavic 3 Proで個人的に一番気になっていた70mmと166mmについて紹介したいと思います。いざ飛行してみて一番最初に来た感情は….「やりやがったな(いい意味で)」という感情でした。70mmの程よい圧縮感と安定した飛行性能と相まって「今までできなかった表現がこんなに手軽にできる!」と感動しました。
3種類のレンズで撮影した動画をご覧ください。実際に見比べるととてもわかりやすく、Mavic 3の広角と望遠では解像度が大きく違う印象でしたが、Mavic 3 Proになり望遠側の166mmについてMavic 3に比べディティール感や解像感がかなり改善されてあり、体感ですがジンバルもアップデートされているようで、安定した撮影が行えるようになっています。
また、70mmでもアクティブトラック5.0が使用でき初めての方でも様々な飛行ができるようになっております。(166mmでのアクティブトラック5.0は利用できないようです。)
焦点距離別比較動画
スチル撮影について
Mavic 3 Proでは三眼ともにRAW撮影ができ、下の写真は同じ位置からの焦点距離別の比較画像となります。望遠側になるほどセンサーサイズは小さくなりますがクオリティは申し分ないと感じました。また、70mmが加わったことで自然との相性がよくとても楽しく撮影ができました。
Hasselbladカメラ:4/3型CMOS、有効画素数:20 MP
中望遠カメラ:1/1.3インチ CMOSセンサー、有効画素数:48 MP
望遠カメラ:1/2インチ CMOSセンサー、有効画素数:12 MP
▲24mm
▲70mm
▲166mm
飛行性能について
今回飛行した場所は海辺で断崖絶壁があり、風が吹いていましたが、流されることもなく安全に飛行することができました。Mavic 3から飛行時間が3分短く、43分になっています。普段から余裕をもって機体を戻すので、全く気になりません。また、全方向障害物検知&APAS5.0により障害物を検知して安全に飛行することができます。
3眼ともLogで撮れない
今回、Mavic 3 Proを使ってみてひとつだけ残念に感じることがありました。それは、3眼統一してD-Logでの撮影ができないことです。色味の調整する際にどうしても気になってしまいます。Mavic 3 Pro cineを使用すれば3眼ともProResでの撮影が可能なので、色の統一感を重視する場合はMavic 3 Pro cineを選択すると思います。
Hasselbladカメラ
ノーマル:
10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT)
8-bit 4:2:0 (H.264/H.265)
D-Log:
10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT)
10-bit 4:2:0 (H.264/H.265)
HLG/D-Log M:
10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT)
10-bit 4:2:0 (H.265)
中望遠カメラ
ノーマル:
10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT)
8-bit 4:2:0 (H.264/H.265)
HLG/D-Log M:
10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT)
10-bit 4:2:0 (H.265)
望遠カメラ
ノーマル:
10-bit 4:2:2 (Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT)
8-bit 4:2:0 (H.264/H.265)
まとめ
今回お借りしたMavic 3 Proを使用し大幅に変わった3眼カメラにフォーカスして、テスト撮影や編集をしてみました。撮影・編集をすることで、実感できたジンバルと機体の完成度には本当にびっくりしました。他DJI機体を使っていて、購入するか迷われている方も多いかと思います。私自身そうでした。
Mavic 3 Proは表現の幅が一気に広げてくれるドローンであり、乗り換えて損はないかと思います。余裕があれば、Mavic 3 Pro Cineが欲しいですね。
●Mavic 3 Proの製品情報