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発売が遅れていたAJAのIo HDが10月25日に出荷されることが決定。558000円(税別)。その直前にあたる10月17日にアップル初台セミナールームにおいて、AJAの代理店であるアスク主催の「Io HDとProRes 422で実現する、次世代10bit次世代フルHD作セミナー」が開催された。Final Cut Studio 2で採用されたProRes422にハードウェアで対応する製品として期待されていたIo HDということもあり、セミナールームは椅子を追加するほどの大盛況になった。


◆アップルとの共同開発
 セミナーでは冒頭、AJA製品をサポートするリーンフェイズの片田江氏が、AJA Io HDの特徴と機能をデモを交えながら紹介。Io HDは持ち運びできるサイズのボディに、Apple ProRes422(144Mbps)およびProRes422 HQ(220Mbps)のハードウェアコーデックを搭載。Mac側のCPUパワーに頼らずに、フルHD編集できるのがポイントになる。それだけではなく、AJA社のKONAシリーズ同様に、SDとHDのアップコンバート、ダウンコンバート、HDの720Pと1080iの間のクロスコンバートにも対応。多彩な収録フォーマットが存在する現在だからこそ、有効なツールになる。
 その後、アブソリュート・イナッフの矢部氏がProRes422のメリットを解説。従来合成などの編集用としてDVCPRO HDが使われることが多かったが、画素数が1280×1080であるため、ダウンサンプルが入り、クォリティロスが起きてきた。ProRes422は1920×1080であり、かつ4:2:2の10ビット、でありながらDVCPRO HDの100Mbpsと比較しても、1.5倍ほどの容量で済むのが特徴。実際に比較画像を示し、非圧縮10ビット比べても遜色ないことをデモしていた。運用においても、145Mbpsであれば、FireWire800で充分対応でき、ノートであるMacBook ProでもフルHD編集ができることになる。
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◆Io HDがあれば、Mac ProをMacBook Proに置き換えられる
 セミナーの後半は、映像クリエイターの高野光太郎氏をゲストに迎え、ProRes422で制作したミュージックビデオでの事例を紹介。CGと合成するために行なったグリーンバック撮影では、キヤノンのXL H1を使用。そのHD-SDI出力から、KONA3のボードを入れたMac Proに現場で直接入力して収録。Final Cut ProやAfterEffects、Shake、Colorで編集した後、テープデッキに書き出し、最終的にはDVDに仕上げたと言う。ProRes422の画質については、非圧縮10ビットと比較しても、「若干ノイジーかな」という程度、1/5に圧縮された画とは思えないと高く評価。この事例ではIo HDは間に合わなかったが、もしIo HDを使えるのならば、Mac Proを持ち込む必要はなくなり、MacBook Proで充分になり、ひじょうに助かると言う。
 HDVカメラまでしか使わない場合は、機能が豊富であり、持てあますほどの製品かもしれないが、ポスプロのHDCAMデッキなどに出力することが多いユーザーにとっては、導入のメリットは充分ある。またHDMI入出力やアナログ系の入力など入出力は豊富なので、複数のフォーマットを編集素材にしている人にとってもかなり有効だろう。MacとはFireWire800、1本で接続する仕様。FireWire400は装備していない。また基本的にAC電源仕様であり、バッテリーでの使用はできない。
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